米ホリデーシーズンのEC売上が過去最高を記録【Adobe Analytics調べ】

ECのミカタ編集部

米国ホリデーショッピングシーズンのオンライン売上は過去最高の2,221億ドル

アドビ株式会社(以下:アドビ)は2023年1月9日、2023年11月1日から12月31日までのホリデーシーズンのオンラインショッピングデータを分析し、その結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

オンライン売上高がEC新記録、5つのカテゴリーで売上の約7割を占める

今シーズン11月1日から12月31日までのオンライン売上高は、前年同期比4.9%増の2221億ドル(約32兆円)にのぼった。

11月のオンライン売上高は1235億ドル(前年比6%増、約17兆円)、サイバーウィークの売上高が380億ドル(前年比7.8%増、約6兆円)などの売上がけん引。12月は、サイバーマンデーを過ぎても値引きが続いたこともあり、オンライン売上高は986億ドル(前年比3.7%増、約14兆円)に達した。

今年のホリデーシーズンにオンラインで消費された2221億ドルのうち、65%はエレクトロニクス、アパレル、家具、食料品、玩具という5カテゴリーがけん引。これらのカテゴリーは、ネットを通じた購買において、今後も重要な成長要素として重視され続けるだろう。

値引き額、オンライン売上高の上昇

ホリデーシーズンでは主要なEコマースカテゴリー全体で、値引き額が過去最高(※Adobe Analytics調べ)を記録。値引きのピーク時において、エレクトロニクスは表示価格から31%オフ(2022年は25%オフ)、玩具は28%オフ(34%)、アパレルは24%オフ(19%)と昨年を上回る。その他のカテゴリーにおいても、コンピューターが24%オフ(20%)、家電製品が18%オフ(16%)、家具が21%オフ(8%)と、などそれぞれ高い値引き率となった。

また、後払い決済によるオンライン売上高が過去最高(※Adobe Analytics調べ)を記録し、昨年を21億ドル上回る166億ドル(約2兆円)を達成。11月は後払い決済がこれまでに最も多く利用された月となり、サイバーマンデーの日に最も注文が集中した。後払い決済は、ホリデーシーズン以外の時期でも高い需要を示しており、年間を通じた売上高は前年同期比14.3%増と、2022年を94億ドル(約1兆円)上回った。

スマートフォン経由の売上がデスクトップを上回る

今回の調査ではオンライン販売の51.1%がスマートフォン経由となり、デスクトップを上回ったことも判明した。スマートフォン経由での販売は12月25日が最も多く、オンライン販売の63%を牽引(2022年は61%)。消費者が友人や家族と過ごす中、多くの人がスマートフォンを使って駆け込みでお買い得品を購入したり、ギフトカードを利用したりしたことがうかがえるだろう。今後スマートフォン経由での販売は、小売企業にとって重視すべきポイントとなるはずだ。

また、企業のマーケティング面では検索連動型広告が最も効果が高く、全体の約30%を記録。ダイレクト流入、アフィリエイト、オーガニック検索、電子メールが10%台と続く。一方、SNSを通じた広告による売上は今シーズンの総売高の5%未満に留まっている。しかし、その割合は前年同期比で5%増加。スマートフォンによる購買が増加するとともに、広告配信の手法も変化していくだろう。

米国のEC事業者の上位100社の85%がアドビデータを使用

本調査はアドビの分析ソリューションAdobe Analyticsを通じて得られた、オンラインでの商取引データからEコマースの状況を示す最も包括的な分析で、米国の小売サイトへの1兆回以上の訪問、1億個のSKU、18の製品カテゴリーから得られたデータに基づいている。

米国のEC事業者の上位100社(※1)の85%以上が、オンラインでのマーケティングにアドビが提供するデータを使用している。こうした状況からも、昨年末の状況を分析した本データは多くの事業者にとって有益な情報となるはずだ。2024年の施策検討、今度の動向分析に活かしてみてはいかがだろうか。

※1:デジタルコマース360トップ500レポート(2021年)より


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