Amazonが本気でオムニチャネル展開? カリフォルニアにも実店舗オープン
オフライン販売へも尽力体制 モンスターストアの実店舗展開
先日弊誌内でもご紹介したAmazon衝撃の実店舗展開であるが、この度早くも新たな動きが展開される。ニューヨークマンハッタンに続き、カリフォルニア州内にもサンフランシスコとサクラメントに店舗を開く計画であると、GeekWireが明らかにした。今回の店舗は、先日ご紹介したマンハッタン店のような恒久的店舗ではなく、期間限定店舗として最近注目を集めるポップアップストア形態での出店となる。クリームスキミング的要素が多分にあることで、Adidasやケイト・スペードサタデーなど多くの企業が展開し始めた出店形態であるが、儲かることには何でも手を出してみるAmazonが着手するには納得がいく。ポップアップストアとは、空き店舗などに突然出店し(ポップアップ)、一定期間で閉店する期間限定の仮店舗営業スタイルのことを指す。仮店舗のため内装などに費用をかけずスモールスタートが切れ、なおかつ注目を集めやすいため費用対効果が高く昨今にわかに注目されている概念だ。
ホリデイシーズンに合わせてオープンする見通し。サンフランシスコ店のすぐ近くにはアップルストアもあることから、商圏内の競合に挑戦する姿勢がうかがえる。
無店舗販売のトップからオムニECトップの座狙う
従来より無店舗ECのトップであったAmazonであるが、有店舗経営の競合の対抗策として顧客との接点を増やすオムニチャネル型ECが浸透し始めた昨今、その流れを無視し続けるほどAmazonは傍観体制ではない。取れる手段は全て取っていくというハングリーさの表れが、今回の一連の実店舗展開ではないだろうか。マンハッタンの実店舗より2ブロック行った場所には、元祖オムニチャネル宣言とも言える老舗百貨店のメイシーズがあり、競争激化は安易に想像できる。小型倉庫として店舗も兼ねている卸し屋というような立ち位置と共に、マンハッタン内の配送センター的な機能も果たしつつどっしりと根を下ろし、種まき実験としてのサンフランシスコとサクラメントへの出店。この実験的展開で十分な結果を取ることができれば、全国に実店舗展開を進めていく未来もそう遠くはないのでないだろうか。競合に対する牽制的な意味での同商圏内出店など、無店舗ECのトップからオムニチャネル型ECへの参入は、今後さらに頂点の座を確実なものへと固めていくAmazonの広範囲な視点が伺える。
【参考記事】
・Amazon満を持しての実店舗展開 オムニチャネル化進むEC業界
http://ecnomikata.com/ecnews/detail.php?id=3352