お歳暮とおせちの熱い商戦スタート、ネット通販もデパートも/「味お試し」「アイドル作」もあり

お歳暮では美食系も人気

秋を迎え、お歳暮とおせちの商戦が始まった。デパートにはお歳暮とおせちのサンプルが並び、アイドルタレントにあやかる新商品も登場。インターネットでは、すでに受け付けが開始されている。

三越伊勢丹は、今年の歳暮商品のインターネット受け付けを始めた。15日から三越の商品を掲載したホームページを、22日から伊勢丹の商品を掲載したホームページを順次開き、注文を受け付ける。
来月5日には、三越日本橋本店と伊勢丹新宿本店でギフトセンターを開設し、商戦を本格化させる。

三越はシンボルのライオン像の日本橋本店への設置から、今年で100年を迎えたのを記念して、ライオン型の最中を入れた「ライオン最中茶漬け」(5400円)などを発売。三越のステイタスを好む人に喜ばれそうな一品となっている。

伊勢丹は、世界的に注目される和食に注目し、瀬戸内産のタイや広島産のカキなどを具材にした「〈京料理 美濃吉〉美濃吉の海鮮寄せ鍋」(5400円)などを投入する。

「家族用」と「個食」の2極化が進むおせち

おせちの最近のトレンドは「個食」だ。
おせちとは、祖父母から孫までひとつの家で暮らすのが一般的だった昔は、家族みんなで、そして正月の挨拶に訪れた親戚や友人もいっしょに食べるものだった。
しかし、現代は核家族が中心となっており、一人暮らしの人も多い。そのため「家族用」と「個食」の2極化が進んでいる。

そごう横浜店には、5000円~1万円ほどの価格帯で、32種類の「個食おせち」が並ぶ。

バラエティーも豊富だ。家族用の大きなおせちではなく、「個食」おせちをいくつか買うのもよい。実際、「家族でそれぞれ別の種類が楽しめるし、急な来客用にも便利だ」と、昨年は前年比で売り上げ5割増の大ヒットだったという。

ネットユーザーを中心に「お試し」が人気上昇中

ただし、おせちは食べてみないと味がわからない。店頭ならその場で選んで、それ以上考えないが、ネットだと味も一応知りたくなる。頭の中のどこかで「研究」という意識が働いているのかもしれない。
そういったインターネットユーザーの心理に対応したのか、ネット販売サイトでは、事前に食べて、気に入れば注文できる少量で安価な試食セット「お試しおせち」も人気を集めている。
「ぐるなび」(東京)によると、ぐるなびでの「お試し」取扱店は増加傾向にあり、昨年は8店が扱ったという。

「お試し」効果には、スーパーも注目し、ダイエー(東京)とイオン九州(福岡市)が今年初めて参入した。ダイエーは6商品のお試しセット(2916円)を用意し今月31日まで、イオン九州もプライベートブランド商品(2160円)を作り、今月20日まで、それぞれ予約を受け付けている。
来年はもっと拡大しそうだ。

その他、アイドルやキャラクターにあやかったおせちも登場。博多大丸では、人気アイドルグループ「AKB48」が献立作りに加わったという商品(1万800円、2人用)を用意して、若い世代の開拓を狙っている。

また、横浜高島屋では東海道新幹線開業50周年を記念した「夢の超特急おせち」を販売。子どもに喜ばれそうだが、鉄男くん・鉄子さんが買っていくかもしれない。
明らかに子どもをターゲットとしたもとのとしては、箱に「ドラゴンボール」などのアニメキャラクターが描かれた「キャラクターおせち」も用意している。正月にやってくる孫のために予約する、祖父母の顔が浮かぶようだ。

お歳暮もおせちも商戦は始まったばかり。これからが本番だ。