日本郵便と佐川急便の協業体制がさらに進化

ECのミカタ編集部

日本郵便株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 衣川和秀/以下「日本郵便」)は、同社と佐川急便 株式会社(京都府京都市南区、代表取締役社長 本村正秀/以下「佐川急便」)が、2021年9月10日付けで締結した協業に関する基本合意に基づく取り組みについて公表した。

2021年9月10日発表の取り組みに関する進捗

◆小型宅配荷物の輸送「飛脚ゆうパケット便」
(準備出来次第、全国展開予定)

日本郵便が取り扱っているポスト投函型の小型宅配「ゆうパケット」を活用したサービスを佐川急便で取り扱う。2021年11月以降、首都圏の一部で、佐川急便が顧客から預かり、日本郵便に差し出し、日本郵便の配送網で届ける。

◆国際荷物輸送「飛脚グローバルポスト便」
(「EMS」を佐川急便で取り扱い開始、2022年2月1日から全国でのサービス開始)

日本郵便が取り扱っている世界120以上の国・地域へ配送可能な国際郵便サービス「EMS」を活用したサービスを、2022年2月から、全国の佐川急便で取り扱っている。佐川急便が顧客から預かり、日本郵便に差し出し、「EMS」の配送網で届けられる。

◆クール宅配便
(「郵便局カタログ」の冷凍商品を佐川急便の「飛脚クール便」で配送、2022年3月1日から取り扱い開始)

日本郵便のグループ会社である株式会社郵便局物販サービスが販売する一部のカタログ掲載の 保冷商品を、佐川急便で取り扱う。株式会社郵便局物販サービスから佐川急便が荷物を預かり、佐川急便の配送網で届けられる。

新たな協業の取り組み

◆幹線輸送の共同化
(2社共同輸送開始、2022年3月1日から稼働開始)

東京-郡山(3月1日開始)および東京-九州(4月以降開始予定)における拠点間輸送の共同運行便を開始する。輸送の共同化により、輸送車両を削減し効率化を図るとともに、CO₂排出削減に寄与する。

◆拠点受け取りの共同化
(佐川急便の荷物を郵便局で受け取り可能に、2022年4月以降、実証実験を開始予定)

佐川急便が配達して不在で持ち戻った荷物を、近くの郵便局で受け取れるよう、東京都内の数局で実証実験を開始する。拠点受け取りの共同化により、顧客の利便性向上を図る。

新たなソリューション開発に積極的に取り組む

公表に際して同社では次のように述べている。

「日本郵便および佐川急便では、今後も持続可能な社会の実現に向け、さまざまな物流課題や社会課題について、オープンな環境で、幅広い企業との協業も視野に入れ、新たなソリューション開発に積極的に取り組んでまいります」

このように、これまでの合意内容に基づいた両社の配送網やサービス網を相互に活用した取り組みがさらに進化することになる。少子高齢化に伴う生産労働人口の減少やEC市場の急速な拡大に伴う物流現場のひっ迫、持続可能な社会への貢献といった諸課題を前に、巨大な物流プラットフォームを抱える両者のシナジーは、日本におけるECのさらなる発展の面からも注目と言えそうだ。

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