「店舗で見つけた商品をネットで買ったことがある」は16%

家電量販店系アイテム、書籍・雑記、化粧品、ファッション関連などを中心に

株式会社クロス・マーケティングが行った「ショールーミングに関する調査」によると、店舗で見た商品をネットで買ったことがある消費者は16%だった。
実店舗で見つけた商品をECサイトと見比べて、安い方を購入する行為は「ショールーミング」と呼ばれて、実店舗で問題視されているが、回答者の16%はショールーミングの経験があり、うち30%は「この買い方でよく買い物をする」、53%は「この買い方でときどき買い物をする」と答えていた。

この調査は、全国47都道府県に在住する20歳~69歳の男女を対象に、2014年9月18日(木)~2014年9月23日(火)にかけて行われたもので、化粧品、ファッション、家電、AV機器、情報・通信、流通・小売業、マスコミ、市場調査関連の従事者は除外されている。有効回答数は65,000サンプルと、データとしての信頼度は高い。

商品別に見ると、「ショールーミングの経験あり」の内訳は、オーディオ機器、デジタルカメラなどの家電量販店系アイテムや書籍・雑記が多く、化粧品やファッション関連が続く。また、実際にネット購入した商品ではCD・DVDが約73%、旅行用品が約60%とダントツで多かった。この2分野は基本的にネットが安いのだろう。

ショールーミングに「節約」や「合理性」を求めるユーザー

ショールーミング経験者の約25%、高頻度者の約31%がショールーミングの楽しさを認識している。そして、経験者の約56%が節約、合理性、お得感などの価値をはっきりと認識している。これに比べて、低頻度で行うユーザーの価値認識は低い。

経験者の約47%が「今後もこの買い方を続けるつもり」と回答しており、ショールーミングの頻度が高いほど、継続意向も強い。
ショールーミングの「快楽的な価値」のうち「喜び」を認識する層の約71%、
「楽しさ」を認識する人の約70%、「熱中」を認識する人の約69%が「今後もこの買い方を続けるつもり」と回答している。

また、高頻度者ほど「この買い方をほかの人に直接伝えたい」と思っている割合が高かった。

ショールーミングという購買行動を第三者的に見れば「安い方を買う」というだけで、実店舗が一方的に不利なわけではないが、目の前にいる客を取られるというのは、やはり面白くはないだろう。
しかし、ショールーミングをよくやる人には「店に対して申し訳ない」という感覚はあまりないようだ。

一方、ショールーミング未経験者に対する調査では「実店舗で買えば、すぐに持ち帰れるから」「実店舗で買えば、すぐにその商品を使えるから」というスピード性を求める人が多い。
安さよりも早さを求めているという結果になったが、結局のところ、そこまで深く考えずにその場で購入している人が多いように思われる。