フューチャーショップが2021年のECレポートを公開、自社EC利用が拡大し年間流通総額が1827億円に
株式会社フューチャーショップ(本社:大阪市北区、代表取締役:星野裕子)は、運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」「futureshop omni-channel」のデータから、2021年のEC利用状況をまとめたレポートを公開した。
2016年の調査から5年目となる今回のレポートでは、コロナ禍でEC活用が劇的に進んだ2020年と比較した結果がみられ、引き続き生活者のEC利用が拡大したことが読み取れる。なお、本調査結果をまとめたホワイトペーパーは「数字でよみ解く2021年のEコマース(https://www.future-shop.jp/magazine/ec_2021)」よりダウンロードできる。
全店舗流通総額は1827億円、稼働店舗数は2900店舗
2021年のfutureshopシリーズの全店舗年間流通総額は1827億円で、前年比117.87%となった。2021年の年間受注件数は1589万件。約2秒に1件、futureshopを通じた注文が発生していることになる。
また、2021年12月末時点の稼働店舗数は2900店舗であった。2019年は2500店舗、2020年は2700店舗であったことから、流通総額だけでなく稼働店舗数も順調に伸びていることがわかる。
導入店舗の約3割がアパレル・ファッション関連
futureshopシリーズの導入店舗は約30%がアパレル・ファッション関連だが、2021年は「日用品・雑貨・インテリア」「食品・スイーツ」のショップの新規契約も多かったという。
futureshopシリーズには、デザイン自由度が高く、構造化データ設定など来訪者にもSEOにもフレンドリーなサイトを作成できるCMS機能「コマースクリエイター」がある。コマースクリエイターの導入店舗は、開店準備中も含め1710店舗。約6割がコマースクリエイターを活用している。
さらに104ブランドが「futureshop omni-channel」を導入しており、実店舗とECを連携させ、顧客接点を強化するブランドが増えている。
全稼働店舗の会員数は4189万人
2021年12月末時点の全稼働店舗の会員数(のべ人数)は4189万人であった。
2021年の新規会員獲得状況は前年比平均187.01%。2019年が2574万人、2020年が3387万人であったことから、過去2年で会員数も大幅に伸びており、2021年も巣ごもりが長かった2020年と同程度の増加を見せている。
また、futureshopシリーズの店舗会員のうち、外部IDと連携した会員(のべ人数)は885万人で、全体の約2割であった。自社ECを中心としたLINEのコミュニケーションが増加しており、futureshopの「LINE連携オプション」導入数が前年比1.4倍に。Amazon Payの利用も浸透している。
2021年は余暇を有意義に過ごせる商材が上位に
月別EC利用状況をみると、2021年のEC利用は前年比平均121.77%であった。前年比ベースでみるとコロナ禍が襲った2020年は生活に密接に関わる業種の伸びが目立っていたが、2021年は余暇を有意義に過ごせる商材を扱う業種が上位に浮上した。
店舗全体で見ると、「楽器・音楽機材」「旅行用品・旅行予約」の前年比が300%を超え、継続店舗限定では「車用品・バイク用品」「ゲーム・おもちゃ・ホビー」などが150%を超えている。
現金払いが減少し「QR・キャリア決済」の利用が微増
決済利用状況をみると、2021年は「後払い」「代引き」「その他 現金 コンビニ」などの現金払いが12月に向かうにつれ微減し、「QR・キャリア決済」の利用が微増した。「Amazon Pay」「その他ID決済」「QR・キャリア決済」などを合計したID・キャリア決済は2020年の平均が20%だったのに対し、2021年は23%前後まで増加しており、キャッシュレスの波は2022年も進んでいくとみられる。
2020年はコロナ禍で社会が激変し、一気にEC利用が進んだ年だったが、本調査結果を見る限り、2021年もEC利用の拡大は衰えていない。一方で、EC市場におけるプレイヤーが増加するなか、ユーザーがECに求めるものも多様化・高度化している。
これからのEC事業者は、「実店舗に行けないかわりにECで買う」といった単なる実店舗の置き換えではなく、ECならではの付加価値の提供をこれまで以上に意識する必要があるだろう。