商品企画の流れを解説。新商品開発を成功させるポイントとは?

ECのミカタ編集部

商品企画の流れを解説。新商品開発を成功させるポイントとは?

自社の技術や強みを売り出す手段である「商品企画」。「商品が生まれるまでの流れを知りたい」「商品やサービスを考える際に重要な事項を把握したい」と考える担当者もいるのではないだろうか。

今回は、商品企画の概要や具体的な進め方、商品企画を成功させるためのポイントを紹介する。基本的な知識をおさえ、自社の販売活動や店舗運営を考える際の材料としてほしい。


目次

●商品企画とは
●商品企画の進め方
●商品企画を成功させるポイント
●まとめ

商品企画とは

「商品企画」とは、新商品を市場に投入しようとする際に、その商品のイメージを具体化すること。まずは、比較されることの多い「商品開発」との違いや、商品企画の切り口、効果をおさえよう。

商品開発との違い


「商品開発」とは、商品企画で企画した商品を実際に製品化すること。「商品企画」がアイデアを具体的なイメージにする思考プロセスであるのに対し、「商品開発」は商品を実際に現出させる製造プロセスであるという違いがある。

実際には、双方が密接に関係しているため、商品開発も含めた、商品がリリースされるまでの一連のプロセスを「商品企画」とすることが多い。

商品企画の切り口


商品を企画する際の切り口には、以下の4つのアプローチが有効だ。

・既存顧客に提案できる別の商品
・顧客が次に必要とする商品
・自社の技術やリソースを別のマーケットに転換できる商品
・その市場で既に売れているものを模倣した商品

商品企画の効果


商品企画をして自社で販売することには、以下の効果があると考えられている。

・新規顧客を獲得する
・顧客の流出を食い止める
・客単価を上げる
・購入点数を増やす
・購入頻度を上げる

その一方で、商品企画にはコストも時間も大幅にかかることを知っておきたい。



商品企画の進め方

続いて、商品企画の具体的な流れを見ていこう。

①:調査、分析


新たな商品を生み出すために、まず行うのが、調査と分析だ。「自社」「顧客ニーズ」の2つの観点から、以下のことをリストアップしていこう。

【自社】
・経営理念やMVV
・持っている技術、リソース
・強み
・成功事例

【顧客ニーズ】
・自社に寄せられる困りごと、不満、課題
・自社の製品を選んでいる理由
・購買頻度が高い商品とその背景
・困りごとを解決するために行っていること
・困りごとを解決するためにかけている時間や金額
・社会的なトレンド商品とその売上
・同様の商品を出している企業

②:アイデア出し


次に、アイデアを出していく。アイデア出しには、市場のニーズから発想を得る「マーケットイン」と、既存の技術や製品から発想を得る「プロダクトアウト」の2つの方法がある。それぞれの良し悪しにこだわらず、より多くのアイデアを創出することが重要だ。さまざまな情報間を行き来したり、「複数のアイデアから発想を得る」「アイデア同士を組み合わせる」などをしたりすることで、よりアイデアがブラッシュアップされていくだろう。

③:ターゲット、コンセプトの決定


アイデアが揃ったところで、「5W2H」を基準に、ターゲットやコンセプトをより具体的にしていこう。既に同じようなコンセプトの商品が存在している場合には、「なぜ他社のこの商品が売れているか」「ブラッシュアップできる点はあるか」を考え、新しい価値や付加価値を生み出すことが必要だ。似たような商品がない場合は、「なぜ他社はこのような製品を開発していないのか」という観点を持つことで、リスク回避や商品の課題解決が望めるだろう。

・Who:誰が
・When:いつ
・Where:どこで
・What:何を
・Why:なぜ
・How to:どのように
・How much:いくらで

それらをもとに以下の項目についても思案し、より「商品」としての具体性をイメージすることも大切だ。イメージできない項目があれば、いま一度情報を整理したり、専門機関に相談したりすることも検討しよう。

・商品名
・材料
・大きさや容量
・価格
・パッケージデザイン

④:企画立案、プレゼンテーション


商品の具体像が定まったら、社内で判断してもらうための「企画書」を作成し、プレゼンテーションを行う。客観的な判断材料として、企画書には以下の内容を記載しよう。

・現状分析:市場の動向や自社の現状など
・企画の目的:着目した点、企画の意図
・商品概要:ターゲットやコンセプト、デザインの方向性
・収支計画:必要となる経費(開発費、材料費、人件費、流通コストなど)と費用回収の見込み
・展開スケジュール:製造に必要な期間、販売計画など

販売戦略についても言及することで、「コスト的に実現可能な商品か」「中長期的な売上が見込めるか」を判断することができるだろう。

⑤:商品開発、製造


企画が通ったら、商品開発に進み、試作品を製作する。製品そのものだけでなく、ラベルや外箱のデザインなど、実際に商品を販売する際に必要なものは全て作成しなければならないことに注意が必要だ。試作品が完成したら、デザインや使用感における改善点を洗い出し、よりよい商品として販売できるようブラッシュアップしていこう。テスト販売やモニター募集を行い、感想を反映するのもよいだろう。

最終的な商品の仕様が確定すれば、製造工程に入る。製造期間中は、販売先や販路の確保、ECサイト掲載に向けた準備などを行おう。

⑥:プロモーション、市場投入


商品が完成し、市場に投入する前後に重要となるのが、プロモーションだ。商品の存在を知ってもらわなければ、売上につなげることは難しいだろう。プロモーションには以下のツールがある。

・グラフィック系印刷物
・編集系印刷物
・映像系ツール
・車内広告、新聞折込
・インターネットネット、SNS系ツール
・POP広告
・プロモーションイベント

プロモーションの手法や実施するエリアは、ターゲット層や商品コンセプトに応じて設定しよう。複数のツールを使い分けたり、併用したりすることも効果的だ。顧客が共感性や愛着を持つことが重要であり、新規性や独自性を謳ったり、付加価値をアピールしたりするなど、他社との差別化を図ることもポイントと言える。


商品企画を成功させるポイント

最後に、商品企画を成功に導くためのポイントを紹介する。

ターゲットの選定と商品コンセプトが最大の鍵


商品企画で要となるのは、ターゲットの選定と商品コンセプトだ。一部の社員の声を重視したり、技術者の個人的なこだわりが反映されたりした商品では、市場にニーズがなく、顧客の心を掴んで売上につなげることは難しい。きちんと市場調査をした上で、「顧客のために貢献できること」「価値創出のために活かせる自社技術」を模索していくことが大切だ。

また、一貫したコンセプトが言語化、明確化されると、「販売戦略が立てやすくなる」「ステークホルダーからの理解を得やすくなる」という効果があるだけでなく、チームのモチベーションや推進力の向上も期待できるだろう。

外注先の選定も重要


スムーズに商品企画を進めるためには、工場や広告会社などの外注先の選定も大切だ。工場に試作や製造を依頼する際は、事前に得意分野や実績、品質管理・製造管理の体制をしっかり把握しておきたい。また、化粧品やサプリメントの製造を依頼する場合は、GMP(医薬品製造適性基準)認定を受けているかどうかも確認しておこう。

商品開発はスピード感も重要となるため、競合他社にスピードで負けることのないよう、納期やスケジュール感もおさえておくとよいだろう。

全体構想の把握と効果検証を


多くの商品は、試行錯誤と回線を繰り返した上で市場に登場する。重要なのは、企画の全体像とその延長線を想定しながら進めることだ。そうすることで、抜け漏れやミスを防ぐことができるだろう。

また、売上が伸びなかった場合には、さまざまな角度から検証をする必要がある。「商品そのものが顧客のニーズにフィットしていない」「商品の概要がわかりにくいデザインだった」「プロモーションがうまく機能しなかった」など、多様なケースが想定されるため、アンケートや口コミ、プロモーションツールからの流入数などを参考に、必ず効果検証を行おう。


まとめ

商品企画は顧客のニーズと自社の強みをいかにマッチさせられるかが鍵となるため、ターゲット選定とコンセプト設定がとても重要だ。「想定していた売上に届かない」「事業を継続することが難しい」といった事態にならないよう、企画段階でのブラッシュアップとリリース後の効果検証をきちんと行おう。

EC専門の委託先選定はECのミカタへ

EC専門の委託先選定はECのミカタへ

ECのミカタが運営するマッチングサービスです。ECサイトに特化したメディアを運営する専門コンシェルジュが、丁寧なヒアリングを行った上で、最適な企業をご紹介します。

そのため業務の知識が全くなくても、マッチ度の高いパートナーさんと出会うことが可能です。希望する会社が決定すれば、最短1営業日で企業との商談のセッティングを行います。商談日や商談方法だけでなく、断りの依頼も全てコンシェルジュに任せることができるため、じっくり選定に時間をかけることが可能です。

ECのミカタに委託先を相談する


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事