パナソニックHS、荷物が受け取れる一体型ポストで実証実験

ECのミカタ編集部

パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社(以下、パナソニック ハウジングソリューションズ)は、国土交通省主催の「非接触・非対面型輸配送モデル創出実証事業」に参画し、実証実験を行った。

宅配ボックスと小包ポストを一体化

パナソニック ハウジングソリューションズは、今回、国土交通省主催の「非接触・非対面型輸配送モデル創出実証事業」に参画し、2021年12月6日(月)~19日(日)に実証実験を行った。その結果、宅配ボックスと小包ポストを併用した実証実験で対面での受け取り率や再配達率が減少することが分かったとしている。

同社の「Tecera Frame」は、小包ポスト「Pakemo」と宅配ボックスを設置できる機能門柱だ。フリマアプリなどの大型郵便物がポストに入らないために対面での受け取りや再配達の発生、あるいは、すでに宅配ボックスに大型郵便物が配達されており、本来受け取りたかった宅配物が受け取れないといった問題を解決する。

物流と宅配に立ちはだかる課題

◆物流業界の課題

物流業界における人手不足は深刻な社会問題となっており、さらに2024年からトラックドライバーの時間外労働規制が適用され、今後は物流費高騰、荷物の配達が滞るなどの問題が発生する可能性がある。

◆宅配物受け取りに関する課題

宅配物の再配達率は減少していたが、コロナ禍でEC(電子商取引)利用が急増していることなどが影響し、2020年10月頃から再び増加傾向にある。また、パナソニック ハウジングソリューションズ宅配ボックスユーザーへのアンケート調査では宅配ボックスに欲しい機能として、荷物を複数個受け取りたいと答える人が87%いることから、1日に2個以上の配達が増えていることが考えられ、宅配ボックスがあっても使用中で預けられず再配達になる事象が発生していると推測している。

実証事業の結果

実証事業の結果

先述のような課題を背景に1期(既存ポストのみ)と2期(宅配ボックスとPakemoを設置)に分け、「対面受け取り率」「再配達率」を比較検証実証実験が行われた。宅配ボックスと小包ポスト「Pakemo」の設置前と設置後で比較をすると、対面での受け取り率は、68.4%から17.9%に減少、再配達率も6.3%から2%に減少したそうだ。

その中で、1期は夜間(18時~)の配達が25%を占めていたが、2期では8%に減少しており、配達時間帯の平準化にもつながる可能性があると推測している。この結果より、宅配ボックスや小包ポスト「Pakemo」の設置がトラックドライバーの時間外労働規制の課題解決の1つになると同社は考察している。

その他、小包ポスト「Pakemo」で受け取れる「受領印不要の厚みのある配送物」に絞って比較すると、対面受け取り率は17%から0%に、再配達率は2.7%から0%に減少した。

今回、宅配ボックスに加えて小包ポスト「Pakemo」も併用したことで、宅配ボックスが使用中でも複数個の荷物を同時に受け取ることができたため、対面での受け取りおよび再配達率減少の効果がより高かったとしている。この結果からもECにおける再配達問題を解決する新たなソリューションとして各方面から注目を集めることになりそうだ。

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