経営管理ツールとは?導入するメリットやツール選定のポイントを解説

ECのミカタ編集部

経営管理ツールとは?導入するメリットやツール選定のポイントを解説

経営資源の情報を統合的に把握し、経営目標に応じた調整や施策を行う「経営管理」。予算や計画と実績を比較し、課題の分析や対策を考えるためには、経営管理ツールを利用すると効果的だ。

今回は、経営管理の目的やプロセス、経営管理ツールを導入するメリットを紹介する。ツール選定のポイントも紹介しているので、今後の経営体制を考える際の参考としてほしい。

目次

●経営管理とは
●経営管理ツールを利用するメリット
●経営管理ツールを選ぶ際のポイント
●まとめ

経営管理とは

「経営管理」とは、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」といった経営資源の配分調整や統括を行うこと。まずは、経営管理の目的やプロセスを見ていこう。

経営管理の目的


経営管理の目的は、経営資源を管理することで、企業の目標や予算を達成することだ。また、現状やビジョン、戦略を適宜従業員と共有し、ベクトルを合わせるためでもある。

経営管理のプロセス


経営管理は、具体的には以下のPDCAサイクルを回すことを意味する。

・Plan:事業計画や戦略の立案
・Do:各部門における運用、活動
・Check:目標の達成度や進捗状況の把握
・Act:改善

企業の経営資源は有限であるため、計画通りに事業が進んでいない場合は、原因を早期に特定し、軌道修正を図らなければならない。そのために、計画的・効率的な管理を行う必要があるという訳だ。

経営管理ツールとは


経営管理ツールとは、経営資源の情報を一元管理するためのツールのこと。経営管理ツールにはさまざまな種類があるが、ERP(統合基幹業務システム)を指すことも多い。

ECサイト運営においては、以下の内容を統合管理することが一般的だ。
・労務・給与管理
・人事管理
・生産管理
・販売管理
・財務・予算管理


経営管理ツールを利用するメリット

経営管理ツールを活用することで、自社にはどのような効果があるのだろうか。経営管理ツール導入のメリットを、4つ紹介する。

情報を一元管理できる


経営管理ツールの大きなメリットは、情報の一元管理が可能になることだ。業務や作業ごとにファイルの形式や情報の管理方法が異なると、システム同士の連携がとれず、データの収集や整合性の確認に時間がかかるという課題が生じてしまう。一元管理によって、シームレスな作業とヒューマンエラーの防止などの効果が期待できる。

業務効率が向上する


業務効率が向上することも、経営管理ツールを利用するメリットだ。データ収集を自動化したり、情報の再入力の手間を削減したりすることができるため、作業時間の大幅な削減につながるだろう。それにより、コストの削減やコア業務への注力も可能となる。

経営状況を可視化できる


経営管理ツールは複数の業務分野の情報を横断的に処理することができるため、リアルタイムで経営状況を可視化できることもメリットだ。経営判断の材料となるデータをグラフやメーターなどで表示させることができるので、予算と進捗実績に基づいた予測の精度が上がるとも言える。それにより、市場の変化や競合他社の動向で日々移り変わるビジネスシーンに、スピード感を持ちつつ柔軟に対応できるだろう。

属人化が解消される


経営管理では各業務領域において専門的な知識や経験が求められることも多く、独自のツールや専門的なシステムで情報の管理をしている企業では、業務が属人化されてしまうケースもある。経営管理ツールは専門知識不要で使いこなせる、わかりやすい設計になっていることが多いため、属人化の解消の効果もあるだろう。


経営管理ツールを選ぶ際のポイント

経営管理ツールを効果的に活用するためには、事前のツール選定が重要だ。最後に、経営管理ツールを選ぶ際のポイントを紹介する。

料金、トライアルの有無


経営管理ツールにはインストール型のソフトウェアやクラウド型サービスなどがあり、その料金体系もさまざまだ。そのため、複数のサービス会社から見積りをとった上で、コストパフォーマンスの高いツールを選定する必要がある。

無料トライアルを実施しているツールもあるため、トライアルを通して実際の操作感や自社との相性をチェックするとよいだろう。

必要な項目が網羅されているか、カスタマイズの可否


一元管理をしたいと考えている情報を網羅できるかも、ツール選定のポイントとなる。必要な情報の統合が行えないと、各業務の進捗や経営状況をリアルタイムで可視化できないため、注意が必要だ。

また、取り扱い商品や掲載サイトが多岐に渡る場合はデータ収集や計算が複雑化する可能性もあるため、項目やデータの算出方法を自由カスタマイズできるかどうかも確認しておきたい。

複数の予算パターンやシミュレーション作成が可能か


予算の達成状況は、企業内外の要因により大きく変動する。そのため、想定される要因ごとに影響する数値変化を予測し、ケース別にシミュレーションを行えると便利だ。

多言語への対応


自社のECサイトが海外展開をしている場合や、今後グローバル進出を視野に入れている場合は、多言語や他通貨に対応しているツールを選択する必要がある。英語だけでなく、拠点や取引のある国の言語や通貨に対応しているかも確認しよう。

サポート体制が整っているか


情報を既存のシステムから全て移行して一元管理するためには、要件の定義や設定、データの移行や整合性の確認など、手間や時間が発生する。不明点やトラブルがあった際に、相談できる体制が整っていると、安心できるだろう。マニュアル作成やセミナーなどのサポートを提供している会社もあるため、導入時のサポートの有無だけでなく、サポート方法や対応範囲を確認することも重要だ。


まとめ

ECサイト運営の根幹を担う「経営管理」では、情報を一元化できる経営管理ツールを活用することで「業務効率の向上」「経営状況の可視化」「属人化の解消」といった効果が期待できる。シームレスな作業を実現し安定した事業運営を行うためにも、自社の経営管理体制を見直し、ツールの導入を検討してみてはいかがだろうか。


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