ECサイトで効果倍増の「セール対策」。事前準備や意識したいポイント

ECのミカタ編集部

ECサイトを運営していくにあたり、セールを開催して「売上をアップしたい」「新規の顧客を獲得したい」と考える担当者もいるだろう。一方で、どのようなセール対策が必要なのか知見がないという人も少なくない。

今回は、セール開催時に対策を行う重要性とともに、セール開催手順や手法について紹介する。セール対策として意識したいポイントも紹介するので、セールを取り入れる際の参考にしてもらいたい。

目次

●セール開催時に対策を行う重要性
●セールを開催する手順
●セール開催の手法
●セール対策として意識したいポイント
●まとめ

セール開催時に対策を行う重要性

ECサイトのセールを開催する上で忘れてはならないのが「セール対策」だ。まずは、セール対策の意義や対策によって得られる効果を確認しておこう。

セール対策の意義


「セール対策」とは、セールの効果を最大化するために状況に応じてとる手段や策略のこと。計画的に戦略を立ててセール対策を実施することで、売上の向上が期待できる。一方で、対策を考えず集客のためだけにセールを実施すると、値引き待ちの顧客ばかりとなり利益率の低い営業に陥る可能性も出てくる。効果的なセールを実施してサイト運営を成功させるためには、ターゲットに合わせた対策を考えることが非常に重要と言えるのだ。

セール対策によって得られる効果


有効なセール対策によって得られる効果は以下の2つだ。

1つ目は「ユーザーの購買意欲が高まり売上がアップすること」が挙げられる。例えば、商品の購入を迷っている消費者がいる場合、セールによって購入意欲を高めることができる。有効なセール対策を行うことで、消費者心理をくすぐり、売上を伸ばすことができるのだ。

2つ目は「リピーターの獲得」と言える。前述のように消費者のなかには、より商品をお得に購入したいといった心理がある。そのため、上手にセール対策を打ち出すことで、「このショップは、他のサイトより安く購入できる」と認知され、リピーター客を生み出せることも期待できる。


セールを開催する手順

セール開催時は、セールでの効果を最大化するために事前の準備が重要と言える。セールを開催する際の手順を確認しておこう。

ターゲットの選定


セールを実施する場合、誰に向けたセールなのか「ターゲット」を明確にしておこう。既存顧客または新規顧客獲得といったターゲット層の違いにより、セール内容も変える必要があるからだ。ターゲットが決まったら、どのようなことに興味をもっているのかを調査した上でセール内容を検討していこう。

日程や内容の決定


セールの日程も、ターゲットとなるユーザー層にあわせてアクセスしやすい日時を選ぶのがおすすめだ。内容についても、既存顧客に向けた場合はメルマガ会員限定セールを、若年層の新規顧客増加が狙いの場合はSNS連動セールを実施するというように、ターゲットに合わせたアピール方法を検討したい。


セール開催の手法

ECサイトで活用できるセールの手法は、大きく分けて4つある。「値引きセール」「タイムセール」「イベントや行事ごとのセール」「ポイント還元やクーポン発行」についてそれぞれ確認していこう。

値引きセール


「値引きセール」とは、一定の値引きパーセンテージを設定し、元の値段に対して値引きを行う手法だ。売れ行きが悪い商品や、売れ残っているため処分したいといった商品などを対象に実施するケースもある。

タイムセール


「タイムセール」とは、時間や曜日を定めて、ショップ全体の商品を値下げする手法のことだ。カートに入ったまま決済までに至らない状態を指す「カゴ落ち」に有効なセールと言える。値下げ期間があとわずかであることを伝えることで、購入を促すことが可能だ。

イベントや行事ごとのセール


「イベントや行事ごとのセール」とは、季節や行事ごとに合わせて商品の値下げを行う手法だ。一般的には、新春セールやサマーセール、クリスマスセールなど、イベントなどに紐づけられるため開催のチャンスが多い。「今だけ」「3日間のみ」といったキーワードによって、期間限定感を出すことで、購買行動に移る消費者を増やす効果が期待できる。

ポイント還元やクーポン発行


セールの手法として、「ポイント還元」や「クーポン発行」もある。ポイント還元とは、商品の購入金額に対して、普段よりも多めにポイントを付与すること。またクーポン発行は、事前に割引クーポンを配布したり、購入時に次回使えるクーポンを発行したりすることを指す。どちらも、次回の買い物を誘導する手法と言えるだろう。

なお、楽天やAmazonといったECサイトのプラットフォームに出品している場合、運営モール自体のセールイベントに付随して、セールを実施するケースもある。


セール対策として意識したいポイント

セールを開催すると、ひとつの商品の利益率は低下するため、売上数を伸ばすことが成功の重要な要素となる。売上向上に向けたセール対策のポイントを見ておこう。

開催のタイミングを意識する


セールを実施する場合には、開催のタイミングを意識しておきたい。正月やクリスマスといった、世間的な大きなイベントがある時は狙い目と言える。また、3・4月といった進学や就職といったお祝いの季節や、7・12月のボーナスの入る時期も、消費者の購入意欲が高まる時期だと考えられるだろう。

なお、セール開催の頻度が多いと、特別感が薄れ購買意欲を損ねる可能性が高い。セールの開催頻度は3、4カ月に1度にするなど、多く開催しすぎないように注意したい。

赤字にならないよう注意する


セールで値引きをする場合、仕入れ値よりも低い値段にならないように注意しよう。商品価格だけでなく、クーポン活用時やポイント還元の比率もしっかり計算した上で赤字にならないような値段設定をしてもらいたい。また、ノベルティをつける際には、追加でかかる費用を確認し、きちんと採算が取れるか確認しておくことが必要だ。

大々的な宣伝を行う


自社サイトのセールにより多くの人を呼び込めるよう、大々的なセール告知を行うことも重要と言える。事前にメルマガやSNS、ブログ、店舗内、バナーなどによって、幅広く告知を行おう。最近ではSNSでさまざまな情報を発信する時代となっている。TwitterやInstagramなどのアカウントを作り、拡散することも有効だ。1カ月前、遅くとも2週間前から告知を始めると効果が期待できるだろう。

画面設計を分かりやすくする


セール開催時は、多くの消費者がサイトを訪問するため、画面設定を分かりやすくすることも意識したいポイントだ。「商品をカートに入れてから決済までの導線が分かりづらい」「工程が多くて煩わしい」といった場合、消費者の購買意欲を損ねてしまう可能性がある。最悪の場合、購入に至らず離脱してしまうことも考えられるだろう。消費者がサイト内で戸惑うことがないよう、導線の分かりやすいサイト構成になっているのか再度確認してもらいたい。

なお、セール開催時はアクセス数の増加でサーバー環境がダウンしてしまう可能性もあるため、セール開催前にサーバー環境のテストも実施しておこう。サーバーダウンを防ぐために、テスト環境下において負荷テストや性能テストの導入を行い、トラブルを回避できるような対策を検討していくことも重要だ。


まとめ 

ECサイトの集客や売上向上のカギとなる「セール対策」。セールの開催にあたっては、消費者心理をうまく利用した工夫を検討することが大切だ。セールのターゲットに合わせたセール実施方法を検証しながら、自社サイト商品の訴求力を高められるようなセール対策を取り入れてみてはいかがだろうか。


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