ネイティブ広告とは?特徴やメリットから出稿時の注意点まで徹底解説!
ネイティブ広告は、従来型の広告とは異なるアプローチが可能です。ユーザーからの共感を得やすく、潜在層にアプローチできる点は大きなメリットです。
しかし、出稿先の媒体とトンマナが合っていなかったり、一方的な訴求になってしまったりすると、ネイティブ広告のメリットを享受することはできません。そのため、クリエイティブやセールスライティングの作成にあたってはシビアな面もあります。一方でしっかりポイントをおさえて活用できれば、広告効果を高められるでしょう。
ネイティブ広告とは
ネイティブ広告とは、通常のコンテンツと同様のフォーマットで表示される広告です。ネイティブ広告は、メディアサイトやSNSにおいてよく用いられます。
以下では、ネイティブ広告の概要について解説します。
従来の広告との違い
従来、広告とコンテンツは明確に分けて表示するのが一般的でした。バナー広告やディスプレイ広告は、従来型の広告の代表例です。従来型の広告はユーザーが一見して広告であるとわかるのに対し、ネイティブ広告はコンテンツと同化します。
一目で広告とわかるデザインは、ユーザーから避けられやすく、クリック率やコンバージョン率が低くなる傾向にあります。一方、ネイティブ広告はユーザーに違和感を与えることなく、コンテンツの一部として訴求できる点が特徴です。
ステルスマーケティング(ステマ)との違い
ネイティブ広告は、コンテンツとフォーマットを合わせることによって広告らしい印象を与えないため、ステルスマーケティングと混同されます。しかし、ネイティブ広告とステルスマーケティングには厳密な違いがあります。
ステルスマーケティングとは、広告主から依頼を受けてプロモーションするにもかかわらず、あくまでも中立的な立場であると誤認させるような広告手法です。影響力をもつインフルエンサーやメディアサイトによるステルスマーケティングは、消費者に不利益を与える行為として問題視されています。
一方、ネイティブ広告は、広告の表示面はコンテンツと見分けがつきませんが、「PR」や「広告」などの表示によって広告であると明示されます。
ネイティブ広告の種類と費用感
ネイティブ広告は、媒体や表示形式によっていくつかの種類に分けられます。それぞれ特徴が異なるため、出稿を検討する際は比較してみるとよいでしょう。
以下では、ネイティブ広告の種類と費用感について紹介します。
インフィード型
インフィード型とは、もっとも一般的なネイティブ広告です。WebメディアやSNSにおいて通常のコンテンツと同じ形式で表示されます。Webメディアの場合は出稿するメディアサイトのユーザー層、SNSの場合は登録情報や行動履歴などをもとにターゲティングできます。
課金方式と費用相場は、以下のとおりです。
1.クリック課金:20〜70円/1クリック
2.インプレッション課金:400〜800円/1,000インプレッション
3.期間契約:想定クリック数×10〜50円
ペイドサーチ型
ペイドサーチ型とは、検索連動型広告です。主にGoogleやYahoo!の検索エンジン内に表示されるリスティング広告を指しています。ペイドサーチ型の広告は、特定のキーワードで検索したユーザーの検索結果画面に表示されます。
ペイドサーチ型の特徴は、ニーズをもった顕在層にアプローチできる点です。特定のキーワードで検索しているユーザーは、商品を探していたり、疑問をもっていたりと、なんらかのニーズをもっているため、コンバージョンに近い見込み顧客であるといえます。
課金方式と費用相場は、以下のとおりです。
1.クリック課金:50〜1,500円/1クリック
※クリック単価はキーワードによって大きく異なります。
レコメンドウィジェット型
レコメンドウィジェット型とは、Webサイト内のレコメンドウィジェットを広告枠として活用する方法です。レコメンドウィジェットは、ユーザーの読んだ記事や行動履歴をもとに、表示を出し分けられます。そのため、広告の内容に関心をもちやすいユーザーをターゲティングしやすい点が強みです。
課金方式と費用相場は、以下のとおりです。
1.クリック課金:20〜60円/1クリック
プロモートリスティング型
プロモートリスティング型とは、特定のプラットフォーム内における検索連動型広告です。たとえば、Amazonや食べログなどのサービス上でキーワード検索をすると、検索上位の商品や店舗と並んで、広告用の商品や店舗が表示されます。これらはプロモートリスティング型広告の代表例です。
課金方式と費用相場は、以下のとおりです。
1.クリック課金
2.期間契約:数万円〜150万円/1か月
※プラットフォームやキーワードによって大きく異なります。
インアド型
インアド型とは、通常の広告枠とは異なり、サイドバーに表示される広告です。メインとなるコンテンツとの関連性、ユーザーの行動履歴をもとにターゲティングできます。
メインコンテンツと同じように表示されるわけではありませんが、一般的な広告枠と異なる場所に配置されることからネイティブ広告の一種として分類されます。インアド型広告という名称はそれほどメジャーではありませんが、Googleのディスプレイネットワークなどもインアド型に近い形式といえるでしょう。
課金方式と費用相場は、以下のとおりです。
1.インプレッション課金:想定インプレッション数×0.5〜2.5円
カスタム型
カスタム型とは、上記のいずれにも属さない広告です。LINEのスポンサードスタンプをはじめ、既存コンテンツと同様の形式でスポンサードコンテンツを配信する方法がカスタム型にあたります。
メディアの多様化にともなって、カスタム型の広告手法は続々と増えています。今後もユーザーとメディアのタッチポイントが増えるとともに、さまざまなネイティブ広告が生まれるでしょう。
課金方式と費用相場は、以下のとおりです。
1.クリック課金:25〜70円/1クリック
2.インプレッション課金:400〜650円/1,000インプレッション
3.その他の課金方式
※カスタム型の広告には、クリックやインプレッション以外の部分で広告費用を算出するサービスもあります。
ネイティブ広告のメリット
ネイティブ広告に限らず、広告を出稿する際はメリットを活かすことが大切です。さまざまな広告手法があるなかで、なぜネイティブ広告を選ぶのかを明確にしておく必要があります。
ネイティブ広告の場合、主なメリットとしてあげられるのは以下の3点です。
1.自然な導線を敷ける
2.潜在層を開拓できる
3.露出の増加につながる
以下では、それぞれのポイントについて解説します。
ユーザーを自然に誘導できる
ネイティブ広告の最大のメリットは、自然な動線を設けられる点です。配信面における既存コンテンツと同様の広告を表示できるため、ユーザーに違和感を与えることなく、コンバージョンまでつなげられます。
また、ユーザーのニーズに沿ったコンテンツを提供できる点もネイティブ広告ならではの強みです。一般的なバナー広告やディスプレイ広告は、企業から消費者への一方的な訴求にすぎませんが、ネイティブ広告はユーザーが求めるコンテンツの形式で提供できます。
潜在層にアプローチできる
ネイティブ広告は、潜在層へのアプローチに適した広告手法です。たとえばメディアサイトに出稿する場合、恋愛情報メディアに婚活アプリの広告を掲載したり、育児情報メディアにベビーカーの広告を掲載したりすると、サービスに関連するニーズをもった潜在層にアプローチできます。
顕在層にアプローチする手法にはさまざまなものがありますが、潜在層を中心に訴求できる広告手法は、マス広告を除くとそれほど多くありません。マス広告に比べるとコストを抑えやすく、ターゲティングの精度も高いため、ネイティブ広告は非常にパフォーマンスのよい広告手法といえるでしょう。
拡散によって露出を増やしやすい
前述のとおり、ネイティブ広告では広告をコンテンツの一部として提供できます。そのため、広告をユーザーに拡散してもらえる可能性もあります。さまざまな広告手法のなかでも、シェアしてもらえる広告は少なく、広告費用以上の効果を得られるでしょう。
なお、拡散を狙って広告を作成する場合、ユーザーの興味をひきやすいコンテンツを企画することが重要です。
ネイティブ広告のデメリット
ネイティブ広告の場合、主なデメリットとしてあげられるのは以下の3点です。
1.コンテンツ作成に工数がかかる
2.広告としての即効性が薄い
3.ユーザーの反感につながるおそれがある
以下では、それぞれのポイントについて解説します。
コンテンツ作成に時間・手間がかかる
ネイティブ広告を出稿する際は、コンテンツ調の広告素材を用意しなければいけません。一般的なバナーや画像とは異なり、クリエイティブの作成に時間や手間がかかります。
また、出稿先の既存コンテンツにフォーマットを合わせなければならないため、クリエイティブの流用が難しい点も特徴です。画像のサイズやテキストなどを練り、専用素材として用意する必要があります。
効果が出るまでに時間がかかる
前述のとおり、ネイティブ広告は潜在層へのアピールを強みとする広告手法です。そのため、顕在層を対象とした広告に比べて、集客や売上などの効果が出るまでに時間がかかります。しかし、ネイティブ広告に限らず、潜在層を対象とする広告に共通するデメリットでもあります。
即効性を求めて広告を出稿する場合は、リスティング広告をはじめとするペイドサーチ型の手法を検討するとよいでしょう。
ユーザーに反感を与えるリスクがある
ネイティブ広告は、あえてコンテンツと似たフォーマットの広告を出稿する手法です。しかし、広告の内容によっては、既存コンテンツを見慣れているユーザーに違和感を与えてしまう可能性もあります。
既存コンテンツと同じように見えていても、内容がユーザーのニーズとずれていると、従来型のバナー広告などと同じく、ユーザーに反感を与えやすくなります。そのため、既存コンテンツを分析したうえで、どんな方向性で訴求するのが適切かを検討することが重要です。
ネイティブ広告の注意点
ネイティブ広告は、従来型の一方的な広告とは性質が大きく異なります。出稿先のメディアを訪れているユーザーに違和感を与えることなく、商材の魅力や訴求を伝えることがポイントです。そのためには、ネイティブ広告に最適化されたクリエイティブを利用すべきです。
具体的には、以下のような点に注意するとよいでしょう。
1.商品の訴求ばかりになっていないか
2.ユーザーの求める情報を記載しているか
3.出稿先のトンマナに沿っているか