D2C企業の約2割が「LTVが向上できていない」ことを経営課題と認識、取り組みたいのは「パーソナライズされたコミュニケーション」「ブランド世界観の統一」

ECのミカタ編集部

BXプラットフォームBOTCHANを提供する株式会社wevnalは、全国のD2C商品を販売する事業者のマーケティング担当者105名を対象に「自社ECサイトにおけるブランド体験設計に関する意識調査」を実施し、その結果を公表した。今回は、D2C事業者の担当者が日々現場でどのような課題を抱え、対策を講じているのかを解き明かす調査レポートの後編にあたる。

約2割が「LTVが向上できていない」ことを経営課題と認識

約2割が「LTVが向上できていない」ことを経営課題と認識

社内で経営課題になっていることを聞いたところ「LTVが上がらず、収益性向上につながらない」と回答した回答者は21.0%と、「社員の離職率が高い(20.0%)」「縦割り組織になっている(20.0%)」といった組織面の課題と同程度の問題となっている。

約8割が「LTV向上にブランド体験が重要」と回答

約8割が「LTV向上にブランド体験が重要」と回答

また、LTVを向上させるために、ブランドの世界観を顧客が感じることが重要だと考えているかと聞いたところ、「考えている(40.0%)」「やや考えている(38.1%)」と回答したのは合計で78.1%だった。

このことから、LTVが上がらないことが重要課題になっている企業が多く、対策としてブランド体験の向上を考える担当者が多いことがうかがえる。

今後実施したいのは「パーソナライズされたコミュニケーション」「ブランド世界観の統一」

今後実施したいのは「パーソナライズされたコミュニケーション」「ブランド世界観の統一」

LTV向上に向けて今後実施したい施策としては「パーソナライズされたコミュニケーション(28.6%)」が最も多く、2番目に多かったのは「ブランド世界観の統一(23.8%)」であった。

同社が以前実施したD2C商品購入頻度が高い消費者に聞いた「D2C商品の購入におけるブランド体験に関する意識調査」では、消費者の約半数が「ブランドが自分のことをわかってくれている」と感じたことで、商品を再度購入しているという結果が出ている。このことから、消費者も「パーソナライズされたコミュニケーション」を求めており、LTV向上に寄与しやすい施策だと考えられる。

マーケティング支援会社の複数社利用が課題に

マーケティング支援会社の複数社利用が課題に

広告運用やLPO、CRMなどのマーケティングに関わるマーケティング支援会社を利用している場合、何社を利用しているか聞いたところ、「2社(32.4%)」「3社(26.5%)」「4社以上(4.4%)」と複数社を利用していると回答したのは合計63.3%だった。

マーケティング支援会社を複数社利用する上で、費用面だけでなく管理コストがかかったり、業務間の連携が取れなくなったりとさまざまな課題につながっていることがわかった。

一気通貫でのブランド体験の向上を

最近のD2C業界では、集客よりも収益の向上を課題とし、とりわけLTVを重要視する企業が増えてきている。本調査結果からも、多くの企業がパーソナライズされたコミュニケーションや統一されたブランド世界観の発信によってLTVを向上させたいと考えていることがわかる。

消費者はD2Cブランドに対し「統一された世界観」や「自分のことをわかってくれているという感覚」を求めていることからも、部分最適ではなく、あらゆる顧客接点において統一されたブランドの世界観を発信していくことが重要といえるだろう。

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