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【比較】ECカートシステムのおすすめは?機能や実装方法の違いを交えて紹介
外部から提供されるカートシステムを利用してECサイトを構築する場合、そのシステムの選定は重要です。
しかしカートシステムは多様で、それぞれの特徴を把握しづらいため、EC業界に不慣れな方は選定に困ることも少なくありません。
そこで本記事では、各カートシステムの特徴や違いについて解説します。ぜひ、カートシステム選びの参考にしてくださいね。
※この記事では、2024年1月時点の情報を掲載しています。
ECサイトのカートシステム(カート機能)とは?
まずは、カートシステムの仕組みや提供事業者について紹介します。
カートシステムの仕組み
カートシステム(カート機能)とは、ECサイトの決済に関わる諸々の機能のことです。
自社のECサイトへの組み込み方法はサービスによって違いますが、導入することでそれらの機能をすぐに利用できるようになるため、開発や運用のコストを大幅に削減できます。
「カート」の名前の通り、ユーザーが欲しい商品を一時的に保管する「買い物カゴ」と「決済」が基本機能ですが、ポイントの付与や割引の適用など、さまざまな付随機能を持っています。
また、ECサイトならほぼ間違いなく使用する、以下のような機能も近年はカートシステムの一部として提供されています。
- 販促管理機能
- 受注管理機能
- 顧客管理機能
このように、「カートシステムを導入すればすぐにショップを運営できる」と言っても過言ではないほど、カートシステムはECサイトの根幹を担っています。
「カート事業者」とは
ECサイトの構築や運営に必要なカートシステムを提供する事業者を指して、「カート事業者」と呼びます。
カートシステムは一度導入すると、すぐに変更することはほとんどありません。そのため、システムの機能やコストだけでなく、提供事業者について確認することも大切です。
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ECサイトのカートシステムの分類
ここでは、ECサイトのカ-トシステムを以下の3つに分類して紹介します。
- ASP型
- パッケージ型
- オープンソース型
ASPカート
ASPカートは、クラウド上にある、開発済みのサービスを利用できるシステムです。
専門知識がなくても導入でき、自社でサーバーを用意する必要がないので、サイトの構築には比較的短期間で済みます。
また、ASPカートには有料と無料のものがありますが、いずれも低コストで導入できる点もメリットです。
しかし、既存で提供されているサービスのみ利用できるため、ECサイトとしての独自性を求める企業には不向きです。
パッケージカート
パッケージカートは、ECサイトや通販サイトに必要な主要機能を備えたパッケージを自社サイトに組み込むことで利用するシステムです。
自社サイトに組み込むシステムなので、サイト構築の自由度は高くなります。
しかし、開発コストがかかる点や、システムの運用には多少の専門知識が必要なことを考慮すると、個人や小規模事業者には不向きなことも場合もあるでしょう。
オープンソースカート
オープンソースカートは、無料公開されているソースコードの基本機能をもとに、自由にECサイトのカスタマイズやデザインができるカートシステムです。
オリジナルのECサイトを開発・運用できるため、コストを抑えつつ独自性の高いカートシステムを導入したい事業者に向いています。
しかし、提供元のカード事業者があるわけではないため、セキュリティ対策や不具合対応は自社で行う必要があります。
参考:自社でカート機能を実装するという選択について
上記で紹介したカートシステムを利用せずに、フルスタックで独自のカート機能を実装することも可能です。
独自に開発するメリットは完全オリジナルの独自性の高いECサイトの構築が可能な点です。
しかし、独自に開発・導入するには多くの費用がかかります。専門知識を持った人材の確保も必要です。また、運営にはメンテナンス・アップデートなどの定期的な保守費用が必要なため、難易度の高い選択といえます。
外部からECサイトのカートシステムは見分けられる?
利用サービスによりますが、多くの場合、一般の利用者がECサイトのカートシステムを外部から見分けることができません。
あくまで機能の提供がメインで、仮に提供事業者のロゴなどが出力される場合も、設定を変更することで非表示にすることができます。
ただし、技術的な専門性を持つ人が調査すれば、ソースコードなどを参照して見分けられることもあります。
【無料】ECサイトのカートシステムを比較、おすすめはどれ?
カートシステムの概要をふまえ、具体的なサービスや企業の紹介をしていきます。
まずは、導入費用が無料のカートシステムです。(別途、決済手数料などは発生します。)
パッケージカートやオープンソースカートは有料のものが多いため、ここでは無料のASPカートを紹介します。
無料ASPカート2選
BASE
スタンダードプランなら初期費用・月額費用が無料です。
デザインプレートが有料カートシステム並みに豊富なので、低コストで簡単に、おしゃれなECサイトを作ることができます。
出典:BASE
STORES
フリープランなら初期費用・月額費用が無料です。別途、決済手数料などは発生しますが、構築費用はかかりません。
手数料が安い点や機能が豊富にある点や、アイテム登録数に制限がない点が特徴です。
出典:STORES
イージーマイショップ
初期費用・月額利用料が無料の無料版が用意されています。
無料版ではデータ記録容量が200MBであったり、再販リクエスト受付機能やお問い合わせ管理ができないなど、機能が制限されています。
その一方で、開店代行サービスなど独自のサポートを実施しているので、手間をかけずにカートシステムを利用したい人には向いています。
出典:イージーマイショップ
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【有料】ECサイトのカートシステムを比較、おすすめはどれ?
有料であれば、無料では提供されない多くの機能が使えます。また、幅広いサポートを受けることができるサービスもあります。
それでは、導入が有料のカートシステムを紹介します。
ASPカート2選
Shopify
Shopifyは月額33ドルから始められるASPカートです。
Shopifyの最大の特徴は、越境ECに強いことです。海外に向けて販売活動を行いたいECサイト事業者にはおすすめのASPカートです。
とくに言語・通貨・決済の機能は越境EC事業者が重宝します。たとえば、約130種類もの現地通貨にShopifyが為替レートを自動計算して、為替手数料を含んだ値段をECサイト上に反映してくれます。
それ以外の特徴としては以下の点が挙げられます。
- カスタマイズ性の高さ
- アプリ連携が豊富
- サーバー強度
- 豊富なプラン体系
- ストア分析
- SEOに強い
出典:Shopify
makeshop
makeshopは、2つのプラン展開がされており、初期費用10,000円、月額費用10,000円から利用できます。
makeshopでは、170以上のテンプレートに加えて、HTMLやCSSを使って最大10.000文字のカスタムページの作成が可能です。
また、運用や集客を一か所で行うことができ、電話・メール・デザイン掲示板などのさまざまなサポート体制も整っています。
出典:makeshop
パッケージカート2選
EC‐ORENGE
EC‐ORENGEは、カスタマイズ性と自由度の高い開発が強みです。大量アクセス・大量受注にも対応できる安定したインフラ環境の構築ができるため、大規模サイトにも向いています。
また、ECサイトと実店舗の情報を一元化し、ユーザーのニーズに幅広く応えられる「オムニチャネル構築」も可能です。
出典:EC‐ORENGE
ebisumart
ebisumartは、豊富な機能やオプションでカスタマイズの必要がなく、スピーディーにECサイトを構築できます。
また、既存ECサイトからの引継ぎ連携や新規システムとの連携もできるほか、マーケットプレイス型とモール型の両方に対応しており、オムニチャネルにも対応しています。
出典:ebisumart
オープンソースカート2選
EC‐CUBE
EC‐CUBEは国産のオープンソース型として最大手であり、追加ダウンロード可能なプラグインも豊富に用意されています。
主に用意されているプラグインは次の6つです。
- 機能カスタマイズプラグイン
- 集客プラグイン
- 顧客管理・販促プラグイン
- 物流・在庫管理プラグイン
- セキュリティプラグイン
- その他プラグイン
また、APIで外部システムとの連携が容易で、外部システムからEC‐CUBEのデータ(注文データ・商品データ・在庫データなど)を参照・更新が可能です。
出典:EC‐CUBE
Adobe Commerce
Adobe Commerceは柔軟性と拡張性の高いカートシステムで、BtoB・BtoC問わず、さまざまな事業者が利用可能です。
それ以外の特徴としては、4.000以上の拡張機能が用意されており、ECサイトを徹底的にカスタマイズしたいECサイト事業者向けのオープンソース型カートシステムです。
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ECサイトのカートシステムを選ぶときのポイント
ここでは、カートシステムの選定で重要視したいポイントをいくつかご紹介します。
大手(シェアが大きいシステム)か特化型カートシステムか
カートシステムの選定において、大手(シェアが大きいシステム)を重視する方も多いでしょう。
しかし、大手だからといって自社に合ったカートシステムを提供しているとは限りません。ECサイトは業種などによって必要な機能が違うので、特定の分野に特化したカートシステムのほうが優れたパフォーマンスを発揮する可能性もあります。
大手にはサポートの充実や安心感などがありますが、自社の方針に合うカートシステムを選ぶことが重要です。
自社の業態
カートシステムを選ぶ際に重要なポイントの1つが、自社の業態がBtoB(顧客が企業)なのか、BtoC(顧客が個人)なのかです。
対象とする顧客によって、カートシステムに求める機能が変わってくるため、業態をふまえてカートシステムを選ぶ必要があります。
自社が目指す事業規模
自社が目指す事業規模に合わせてカートシステムを選ぶこともポイントです。
たとえば、大規模サイトを目指している場合、無料ASPでは機能面でもブランディング面でも不十分な可能性があります。
また、将来的に移管するつもりの方は、互換性やAPI連携の有無なども確認しておくとよいでしょう。
ECのミカタで、専門の制作会社が見つかる
実際にECサイトに導入するカートシステムを選ぶとなると、やはり迷ってしまうこともあるでしょう。
そんな時は「ECのミカタ」のマッチングサービスがおすすめです。専属のコンシェルジュがニーズに合った制作会社を複数リストアップし、ご紹介します。
コンシェルジュへの相談や情報収集・委託先の紹介まで、完全無料で利用できます。
お問い合わせ方法には、チャットでの相談や電話・専用フォームが用意されていますので、お気軽にご相談くださいね。