置き配とは。対応している配送会社や利用するメリット、ECで取り入れる際の注意点

ECのミカタ編集部

置き配とは。対応している配送会社や利用するメリット、ECで取り入れる際の注意点

置き配とは、購入者があらかじめ指定した場所に非対面で荷物を届けるサービスだ。感染症の流行により、ECサイトの需要が高まる中、置き配を取り入れ自社の利便性を高めたいと考える担当者もいるだろう。

今回は、置き配の概要に触れつつ、置き配を実施している配送会社やECモール、置き配のメリットを紹介する。置き配サービスの注意点についても記載しているので、自社で取り入れる際の参考としてほしい。

目次

●置き配とは
●置き配を実施している配送会社
●置き配を実施している主なECモール
●置き配のメリット
●置き配サービスの注意点
●まとめ


置き配とは

置き配とはどのようなことを指すのだろうか。概要とともに、置き配が注目される背景を確認しておこう。

概要


置き配とは、商品の配達を非対面で行う方法のことで、購入者があらかじめ指定した場所に荷物を届けるものだ。指定可能な場所は、配送会社や利用するECモール等によって異なる。一般的には、配送先住所内の宅配ボックスや置き配バック、玄関前などが多い。不在時だけでなく、在宅で手が離せないといったときも利用が可能なため、配送業者だけでなく購入者にとっても利便性が高く、多様なライフスタイルが一般的になった今、注目度が高まっている。

置き配が注目される背景


物流業界においては現在、EC市場の需要拡大とドライバー不足により、宅配会社の負担が増加している。実際、2019年10月に行われた国土交通省「宅配便再配達実態調査」によると、受取人不在による再配達は宅配便全体の15%を占めており、再配達が大きな課題となっている。国は、「EC事業者と宅配会社が連携し、消費者の利便性を図った上で、サプライチェーン全体の生産性向上に取り組むことが重要」としている。そこで、再配達削減に役立つ多様な受取方法のひとつとして、置き配が注目されているのだ。これらの動きを踏まえて、置き配を展開している配送業者やECサイトも増加している。

出典:置き配の現状と実施に向けたポイント/経済産業省・国土交通省

置き配を実施している配送業者

置き配に対応している配送業者は、年々増加傾向にある。代表的な3つの配送業者の取り組みについて紹介する。

日本郵便


日本郵便では、以下の条件を全て満たす場合、置き配サービスを実施している。

1.郵便ポストに入らない荷物
2.ゆうパックや国際郵便物
3.住所内の場所
4.外から見えない場所
5.雨などで汚損の可能性がない場所

また、書留郵便物やセキュリティゆうパックも、必要な条件を満たしていれば対応可能だ。

なお、日本郵便の置き配サービスを利用するためには、配達担当の郵便局において「指定場所配達に関する依頼書」の提出が必要となる。ただし、玄関のドアノブなどに固定して使う置き配バッグ「OKIPPA」を設置すれば、「指定場所配達に関する依頼書」の提出を省略することも可能だ。

佐川急便


佐川急便では、2020年5月より、置き配である「指定場所配送サービス」を開始している。

対象となる輸送サービスは以下の通りとなり、基本的に個別契約を締結した出荷元の荷物のみが対象だ。

1.飛脚宅配便
2.飛脚航空便
3.飛脚ジャストタイム便

配達時は、あらかじめ購入者が指定した場所に配達が完了した場合、セールスドライバーが配達状況の写真を撮影し通知するシステムとなる。

ヤマト運輸


ヤマト運輸においては、「事前に置き配を指定する」と「配達時に置き配を希望する(非対面)」2つの置き配サービスを展開している。

事前に置き配を希望する場合、個人向けにはEAZYというサービスを提供している。EAZYは連携したオンラインショップで購入した荷物が対象だ。

事前に置き配を指定する際の受取方法の設定は、以下の3つの方法がある。
1.お届け予定通知より設定
2.LINEより設定
3.オンラインショップで注文時に設定

指定場所は、玄関ドア前や宅配ボックス、車庫、車庫、ガスメーターボックス、自転車のかご、管理人預けが選択可能だ。荷物が届く直前まで、受取方法や場所の変更ができるといった特徴がある。


置き配を実施している主なECモール

置き配は、配送会社だけでなくECモール自体が施策として取り入れている場合もある。ECモールにおいて、どのように置き配を展開しているのか、Amazonと楽天を例に紹介する。

Amazon


Amazonの置き配サービスは、発送通知メールに「Amazonでお届け」と表示されている場合に利用が可能だ。サービス対象地域は特定の場所となり、対象エリアにおいては玄関への置き配が初期設定となっている。在宅でも不在であっても置き配となるため、置き配ではなく対面の配送を希望する場合は、設定を変更するシステムだ。
 
なお、Amazonでは置き配できちんと配達されたか不安な場合、希望者に写真で配達を確認できるサービスを行っている。また、配送状況画面では配達済みになっているにもかかわらず、実際には荷物が届いていないといったトラブルについて、Amazonならではの補償対応を導入している。

楽天


楽天の置き配サービスの利用条件は以下の通りとなる。

1.対象ショップでの注文
2.購入金額が1万円以下かつ医薬品を含まず、クレジットカード等の前払い注文
3.配送方法が宅配での受取。(ポスト投函の場合は対象外)

置き配を利用する場合には、楽天のウェブサイトで事前の申込みが必要だ。置き配に該当する注文時に置き配指定場所が表示されるため、希望する場所を2カ所指定する仕組みとなっている。


置き配のメリット

置き配は、購入者側・ECショップ運営側・配送会社側それぞれにメリットの大きい配送方法と言える。それぞれの立場におけるメリットを確認しておこう。

購入者のメリット


購入者にとって置き配のメリットは、不在時でも確実な受取が可能となるため、配達時の行動や時間に制限がなくなることだ。また、在宅時であっても、非対面を希望するときやすぐに玄関先に出られない場合でも荷物が受け取れることで、配達時の煩わしさがないといったメリットも得られる。

ECショップ運営側のメリット


ECショップとしては、購入時に配達方法に置き配が加わることでサイトの利便性が高くなり、購入先として選んでもらいやすくなるというメリットが期待できる。例えば、「仕事で夜遅くにしか家にいないため、受取が難しい」「配達による時間の制限が苦手」といった消費者に対して、置き配はサイト利用を促すきっかけにもつながるだろう。

配送会社側のメリット


配送会社においては、再配達の頻度が減少するため、ドライバーにとっての負担軽減が大きい。また、再配達が減ることで配送業務の効率化や労働力不足の解消、生産性向上も期待できる。


置き配サービスの注意点

置き配は、多方面においてメリットが大きい配送サービスではあるが、利用する場合の留意点も忘れてはならない。最後に、置き配サービスの注意点を確認しておこう。

盗難


置き配で最も注意すべき点は、盗難の可能性があることだ。

不在時に利用する場合は、見えない場所の設定や、宅配ボックス・施錠付き置き配バックといった設備の利用も検討したい。また、ECサイトや配送会社においては、写真付きの配送完了通知や配送時間事前通知といったサービスを取り入れることで、購入者側も盗難を回避しやすくなるだろう。

破損や汚損


指定する場所によっては、破損や汚損も注意しなければならない。例えば、「玄関前を指定していたら雨に濡れてしまった」「軽量の荷物だったため、自転車カゴに入れておいたら倒れて破損してしまった」といった事例もある。

指定する荷物の形状や重量によっては、適切な場所は異なるケースがあるだろう。破損や汚損が心配になる場合は、指定場所を十分考慮して設定してもらうことも大切だろう。

誤配


置き配は非対面の配送方法となるため誤配も気をつけたいポイントだ。対面であればリアルタイムで気づけたような「別の住所に配達してしまった」「他人の荷物が届いた」といったトラブルに、時間が経ってから気づくケースもある。

ECサイトにおいては、誤配のトラブルが発生した際にどのように対応したらよいのか、置き配の荷物に連絡先を記載するなどの工夫も大切だろう。


まとめ

置き配とは、購入者があらかじめ指定した宅配ボックスや玄関前などの場所に、非対面で荷物を届ける配達サービスのことだ。近年、ECサイトの需要拡大により置き配の注目度は高まっており、安心して利用できるようにさまざまな取り組みが実施されている。今後は、置き配を利用する消費者も増加すると見込まれいることから、ECサイトにおいては個々のライフスタイルに沿った置き配サービスを検討してみてはいかがだろうか。

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