【アリババ】今年もECセール「天猫618」で売上拡大を達成 新たな消費トレンドを公開

ECのミカタ編集部

アリババは、出店ブランドやマーチャントと協力した新たな消費トレンドについてレポートを公表した。今年の天猫618ショッピングフェスティバルのGMV(流通取引総額)を前年比で拡大させるなど、618で見られた中国での6つの消費トレンドについてまとめられている。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

アリババ618「6つのトレンド」

アリババ618「6つのトレンド」

◆トレンド1:中国の若い消費者のキャンプと釣り人気

中国の若い消費者の間で、釣りが新たな趣味として人気を集めている。2022年6月までの12カ月間で、1995年以降生まれの300万人もの消費者がタオバオとTmallで釣り具を購入した。今年の618第1弾(5月31日20時~6月3日23時59分)で、釣り具の売上は前年同期比で50%近く増加した。

高級ルアー釣り具は88VIP会員に好まれる商品で、このカテゴリーの多くのリールも飛ぶように売れた。日本の高級釣り具ブランドDAIWAの新製品2022 EXIST LTリールは5,000元(約10万円)以上しますが、発売と同時に売り切れた。

一方、釣りと一緒に楽しめるキャンプも若い消費者の間で人気となっている。618第1弾(5月31日20時~6月3日23時59分)で、Tmallではキャンプ関連商品の売上が前年同期比3倍になった。多くの消費者はテント、天蓋、折りたたみテーブル、折りたたみ椅子、防湿マット、キャンプカートなどキャンプ用品一式を購入した。また、防風コンロなどのアウトドア用キッチン器具や様々なアウトドア用家電も大人気となった。

◆トレンド2:スケートボードがマイナースポーツから成長性の高いアウトドアスポーツに成長

618第1弾(5月31日20時~6月3日23時59分)の期間中、Tmallのスケートボード関連の売上は前年同期比290%増となった。輸入スケートボードの需要も増加した。年初から6月中旬までの、越境ECプラットフォーム「Tmall Global」における輸入スケートボードの販売台数は前年同期比で100%以上の伸びを記録した。

◆トレンド3:男性用パーソナルケア商品の人気上昇

日焼け止めやスキンケアは、もはや女性だけのものではないようだ。618第1弾(5月31日20時~6月3日23時59分)期間中の男性のグルーミングとシェービング関連の売上は、前年同期比20倍以上だった。また、男性用のスタイリング剤、プライマー、ファンデーションも多くの消費者に支持されている。同期間中、男性用UVカットウェアの売上も大幅に増加し、取引件数は前年同期比50%増となり、アウトドアアパレルの中で最も人気のある商品となった。

◆トレンド4:ペット用スマートデバイスとペット用衣類の需要拡大

618第1弾(5月31日20時~6月3日23時59分)期間中、ペット用のスマートデバイスの売上が前年同期比150%近く増加しました。特に、スマートコンパニオンロボット、自動給餌器、猫用スマートトイレなどが人気だった。また、同期間中のペット用スマート・トイの売上は前年同期比約130倍、屋外用ペットトイの売上は前年同期比40%増だった。また、ペット用衣類も人気だ。同期間中、流行のペット用ベビーカーの売上は前年同期比80%増、猫や犬の夏服の検索ボリュームは前年同期比40%近く増、ペット用ヘルメットの検索ボリュームは前年同期比3倍以上となった。

◆トレンド5:カテゴリー横断的でマルチな使用用途を持つ商品の人気

消費者需要の多様化により、カテゴリー横断的でマルチな使用用途を持つ商品がより多く生み出され、マーチャントやブランドにとって新たな成長エンジンとなっている。新商品開発をサポートするTmallイノベーションセンター(TMIC)は様々なマーチャントと協力し、カテゴリー横断的でマルチな使用用途を持つ商品を生み出し、618期間中に市場投入した。一例として、リラクゼーショングッズを販売するグローバルメーカーBreoは、消費者のアイケア商品に対する需要の高まりに対応すべく、目のケアに加えて目の周りのスキンケアもできる商品をTMICと共同開発し、618期間中に発売した。

◆トレンド6:Tmallラグジュアリー・パビリオン(天猫奢品)で高級ブランドの新商品の販売が好調

今年の618には、LVMH、ケリング、シャネル、エルメス、リシュモンなど200以上の高級ブランドが参加し、合計2万点以上の新商品を発売した。特に、春夏シーズンの新商品に対する需要の高まりが顕著だった。先行予約販売初日(5月26日)には300点以上の新商品が販売された。今年は、イタリアのファッションブランド、マックスマーラが618に初参加し、2分間で100万元(約2,000万円)を超える売上を記録したほか、プラダの最初の1時間の売上は、前年同期比で100%以上の増加だった。

新たな消費トレンドが生まれた

アリババはブランドやマーチャントと協力し、天猫618ショッピングフェスティバルを成功裏に終了させたとしている。同社によれば今年の618には、26万を超えるブランドが参加した。

多くのブランドが好調な売上高を記録しており、特に人気商品に関しては、売上高が1億元(約20億円)超の商品が100点近く、1,000万元(約2億円)超の商品が2,300点近く、100万元(約2,000万円)超の商品が3万点以上になった。

また、この3年以内にTmallやTmall GlobalなどのアリババのECプラットフォームに参入した400以上の新ブランドの618期間中のGMV(流通取引総額)成長率は、前年比で100%を超えたという。

アリババグループの中国Eコマース事業のプレジデントである戴珊(ダイサン)氏は次のように述べている。「今年の618のGMVは、引き続き前年比で拡大することができました。618を成功に導いてくれたすべてのマーチャントのコミットメントに深く感謝しています」さらに「今回の618では、キャンプ、健康、レジャーなどの新たな消費トレンドが生まれ、関連した新ブランドや新商品が脚光を浴びました」と同市氏は述べている。

また厳しい事業環境に対応するため、タオバオ(淘宝)、Tmall(天猫)、ツァイニャオ・ネットワーク(菜鳥網絡)などのアリババグループの各事業は、それぞれのプラットフォーム上で大規模なマーチャント支援策を展開し、マーチャントから好評を博したとしている。

例えば、日本のコスメブランドBb LABORATORIES(以下、Bbラボ)はこの支援策により、フルフィルメントの課題が解決されたという。「香港や上海で新型コロナウイルスが流行した際、アリババグループのツァイニャオ・ネットワークがサプライチェーンの混乱を防いでくれたおかげで、消費者にタイムリーに商品を届けることができました」と、Bbラボの中国事業を行うGOLONG社マーケティング担当バイスプレジデント谷争氏は述べている。

このように今年の618でも多くの新たな消費トレンドが生まれ、ブランドやマーチャントにとって良い成長機会となったようだ。

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