顧客と売上を増やせるツーステップマーケティングとは? 初心者にもわかりやすく解説

ECのミカタ編集部

顧客と売上を増やせるツーステップマーケティングとは? 初心者にもわかりやすく解説

ツーステップマーケティングとは、新規顧客が商品のサンプルや試供品を試した後に本購入へ繋げるマーケティング手法を指します。
特に近年需要が高まっているサブスクリプションサービスを展開しているECサイトはこのツーステップマーケティングを取り入れることで新規顧客をさらに獲得できる可能性が高くなります。
この記事では、ツーステップマーケティングとは何なのか?どのように取り入れることができるのか?マーケティング初心者の方へ向けてわかりやすく解説していきます。

ツーステップマーケティングとは

ツーステップマーケティングとは、新規顧客にまず商品のサンプルや試供品を試してもらってから、本商品への購入に繋げるマーケティング手法のことです。「お試し」してから「購入する」という、2つのステップを踏むことからこの名称となっています。
・スーパーやデパートでの試食販売
・動画配信サブスクリプションの2週間お試し期間
・学習塾の無料体験授業
これらはすべてツーステップマーケティングの例となります。お店やインターネットで何かを購入する際によく目にするのではないでしょうか。続いて、もう一つの手法であるワンステップマーケティングと比較してみましょう。

ワンステップマーケティングとの違い


一方、ワンステップマーケティングとは、ユーザーに自分が欲しいと思った商品を直接購入してもらうという最も基本的なマーケティング手法です。ツーステップマーケティングとの違いは、「お試し」が無いという点です。いきなり本商品を販売するので売上に繋がりやすいというメリットはありますが、近年の特定商取引法(特商法)などの取り締まりから、ワンステップマーケティングによる顧客獲得は厳しくなっているのが現状です。特商法の改定によって記事広告の出稿が難しくなり、必要事項の表示が必須になったため、商品の性質が分かりにくい状態で、記事広告をフックにいきなり定期購入を契約させるといったワンステップマーケティングが通用しなくなりました。そのため、今注目が集まっているのがツーステップマーケティングなのです。

ツーステップマーケティングのメリットとデメリット

ツーステップマーケティングのメリット


購入のハードルを下げられる
お試しというワンクッションがあることで、ユーザーは商品を購入しやすくなります。ECでは店頭販売と違ってユーザーは商品を直接確認することができません。しかし、試供品を提供したり、無料お試し期間などを設けることで、ユーザーは「無料なら試してみようかな」と気軽に手に取ってくれる可能性が上がるのです。さらに、お試しがあることを前提とした販促を行うことで、元々商品に関心がなかった層にもアプローチできると言えるでしょう。

ユーザーの心理にアプローチできる
ツーステップマーケティングは、ユーザーの「単純接触効果(ザイオンス効果)」と「保有効果」を期待することができます。単純接触効果とは、複数回接触していくうちにポジティブな印象を持つようになることです。ツーステップマーケティングはワンステップマーケティングよりも接触回数が多いため、商品やブランドに対して好印象を抱いてもらえる可能性があります。また、保有効果とは自分が保有しているものに対して高い価値があると感じ、手放すことに抵抗を感じることです。これらの心理的効果があるのとないのとでは、ユーザーが商品を購入する確率は変わってくるでしょう。

LTV(顧客生涯価値)の向上
LTV(Life Time Value)とは「顧客生涯価値」と言われるもので、顧客が一定期間に企業にもたらす利益(売上や利益)のことを指します。ツーステップマーケティングは、ワンステップマーケティングに比べてLTVが高い傾向にあり、ECの売上アップに貢献してくれます。これは、ユーザーが実際に商品を使って価値を感じてから購入しているので、リピート率やサブスクリプション(定期)コースの購入率が高いためだと言えるでしょう。

CPO(販売コスト)を抑えられる
CPO(Cost Per Order)とは、商品の注文1件ごとにかかる費用を指します。新規顧客は、既存の顧客よりもCPOが高いのですが、ツーステップマーケティングでは、新規顧客からリピーターに移行する割合が高いため、自然とコストを抑制できるのです。

ツーステップマーケティングのデメリット


時間やコストがかかる
ツーステップマーケティングでは、ユーザーが商品購入に至るまでに「試供品の提供や無料期間」を挟むため、必然的に時間やコストがかかってしまいます。新規顧客を獲得したとしても、利益とコストのバランスを取れなければデメリットになってしまいます。

向いていない商品がある
マーケティングとしては有効な方法であっても、商材によっては用いることができません。例えば、単価が低い商品であれば、元々購入のハードルは低いため2段階にする必要性は無いでしょう。さらに安くすることも難しいです。ツーステップマーケティングを用いる時には、「その商材に適しているか」を考慮する必要があります。

ツーステップマーケティングに向いている商品

ここでは、ツーステップマーケティングに適した商品の事例を紹介します。自社の商品にも適用できるか考えてみましょう。

実際に使用して判断してほしい商品


体験が必要な商品はツーステップマーケティングに向いていると言えます。例えば、化粧品や健康食品といった、実際に使用しなければ価値や使用感がわからない商品です。これらの商品をECで販売する場合は、安全性も重要となってくるため、試供品の提供でまずは試してもらうことは有効と言えるでしょう。

高額な商品


高額な商品に対するユーザーの最初のハードルを下げることで、見込みユーザーとの接触機会を作ることができます。いきなり高い商品の購入を促すよりも、割引でお試ししてからの方が本商品の購入率は高く、コストを回収しやすいのです。サブスクリプションコースがある高額サプリメントなどがこの例にあたります。

新商品や新体験のサービス


ユーザーにとって、新発売の商品やサブスクリプションサービスはハードルが高いと言えます。したがって、説明するよりもまずは使ってもらうことで、商品やサービスについての理解を深めてもらうことができるのです。

まとめ

本記事では、ツーステップマーケティングの内容からメリット、活用事例について説明してきました。ツーステップマーケティングとは、新規顧客に対して本購入を促す前に、試供品や無料期間などを使って段階を踏んでアプローチする方法です。直接的に接客することができないECサイトとの相性は良く、上手く活用すれば売上を大きく伸ばすことができるでしょう。身近なマーケティング方法で効果も高いので、メリット・デメリットを十分に把握した上で、ぜひ導入してみてはいかがでしょうか。


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