導入1年半で会員取引先数4.6倍! Bカート×キャムマックスで業務効率化&売上アップ
天然由来成分を配合したナチュラルスキンケアブランド「LIRIO」を展開する株式会社BAROLO GLOBALは、2023年12月、BtoB ECプラットフォーム「Bカート」と株式会社キャムが提供するクラウドERP「キャムマックス」を同時に導入し、1年半で会員数を4.6倍に急増させた。BAROLO GLOBALの七尾順子氏とキャムの馬場美喜氏に、システム導入前の課題感や導入の経緯、成果・効果、今後の展望などについて話を聞いた。
社員3人、アナログな受注処理に手間と時間
――まずは両社の事業内容や提供サービスについて教えてください。
株式会社BAROLO GLOBAL セールス/プロジェクトコーディネーター 七尾順子氏(以下、BAROLO七尾) 当社は1996年創業の化粧品会社です。自社ブランド「LIRIO」では、スキンケアグッズをはじめボディケア・ヘアケア製品を取り扱っており、サロンや小売店向けに販売しています。また、ホテルアメニティなどを企画・製造するOEM事業も展開しています。
自社ナチュラルスキンケアブランド「LIRIO」の製品
株式会社キャム マーケティング部門 マネージャー 馬場美喜氏(以下、キャム馬場) 当社はノンカスタマイズで利用できる中小企業向けクラウドERP「キャムマックス」を提供しています。Bカートをはじめ各種カートシステムやWMS、POSなどと標準連携しているシステムで、月額利用料は7万円(税抜・公開日現在)から。受発注から会計までをシームレスに管理し、実店舗・EC・卸のオムニチャネル化を支援しています。
――BAROLO様はシステムの導入前、どのような課題を抱えていらしたのですか。
BAROLO七尾 当社は正社員が3人しかおらず、営業担当の私が受発注などのバックオフィス業務を兼務しています。当時はメールやLINE、電話などで受けた取引先からの注文をExcelで管理していたため、受注処理に手間と時間がかかっていました。売掛金の管理や在庫確認も不十分で、人的ミスも頻発していましたね。受注情報の一元管理ができていない状態だったので、お客様にご迷惑をおかけすることも少なくありませんでした。
――日常業務にも悪影響が出ていたということですね。
BAROLO七尾 そうですね。本来私は営業職なので、一件でも多くのお客様のもとに伺いたいのが本心ですが、午前中は受発注処理 に追われてしまい、本来の業務に集中できないことが多くなりました。そこで、手間のかかる受注処理を自動化するため、Bカートとそれに自動連携するERP「キャムマックス」を一気に導入することにしました。実は、前職時代からBカートとキャムマックスの存在は知っていたものの、システムの都合上使うことができなかったんです。それもあり、今回2つのシステムを同時に導入できたことは個人的にも非常にうれしく思います。
的確なアドバイスでシステム導入をサポート
――BtoB専用のカートシステムやERPの導入で、苦労した点や困ったことはありましたか。
BAROLO七尾 結論から言えば、Bカートもキャムマックスもカスタマーサポートが充実していたので、特段困ることはあまり無かったように思います。私はシステムについて全くの素人でWeb周りにも詳しくありませんが、質問や問い合わせに対して的確に、そして迅速にご回答いただけたので、導入に関するストレスはありませんでした。
キャム馬場 キャムマックスの主要ユーザーである中小企業様は、情報システム関連の部署がなかったり、専任の担当者がいなかったりすることが多いです。そのため、システム導入時は当社のフィールドセールスがお客様にご納得いただけるよう徹底的にサポートし、契約後はサポート部門が業務を引き継ぐようにしています。
支援にあたっては、Webの知識が乏しい方でも内容が理解できるよう、専門的な言葉やIT業界特有の言い回しは使わず、利用者に寄り添ったサポートを心がけています。最近ではオンライン上で操作マニュアルを確認したり、ユーザー同士で意見交換できたりする会員制のコミュニティサイトを立ち上げるなど、顧客支援に注力しています。
――Bカートの導入で発注方法が変わる取引先もあったかと思います。運用後の反発などはなかったのでしょうか。
BAROLO七尾 ネガティブな声はありませんでした。普段から使い慣れているECサイトの操作感に近いことやクレジットカードが使用できるようになったことなど、むしろ利便性が向上し、好意的に捉えてくださる取引先が多かったとように思います。
また、メールやLINEだと自社に必要なアイテムしか注文されませんが、Bカートに切り替えてからはビジュアル面でも商品の魅力を訴求できるようになり、アップセル/クロスセルが実現できるようになりました。
システム導入後は15社だった取引先が、4.6倍の約70社に
――システム導入から1年半が経過しましたが、当初の課題は解決できましたか。
BAROLO七尾 課題はおおむね解消できたと思います。先ほどお伝えしたとおり、Bカートの導入は当社と取引先の双方に大きなメリットをもたらしました。Bカートで受注した情報は即時にキャムマックスに自動で連携され、定時になったらWMS(倉庫管理システム)にも指示が飛んで商品が出荷される、という自動化の流れもできました。
また、キャムマックスを導入したことで売上や在庫状況、財務会計などが一元管理できるようになりました。商品別・得意先別に各種データがリアルタイムで確認できるようにもなり、クラウド環境で利用できるため、外出先や自宅からでもアクセスできる点も大きなメリットです。
――具体的な成果があれば教えてください。
BAROLO七尾 システム導入前は15社だった取引先が、4.6倍の約70社に増えました。併せて、自社ブランドの売上も昨対110%で推移しています。理由としては、受発注処理が自動化され、営業活動にフォーカスできる時間が増えたことが挙げられますね。また、顧客データや売上データを分析し、施策に活かせるようになったこともプラスに働いたと感じました。
株式会社BAROLO GLOBAL セールス/プロジェクトコーディネーター 七尾順子氏
――大きな導入効果が出ていますが、キャム様から見てBAROLO様の成功のポイントはどこにあると思われますか。
キャム馬場 BAROLO様は当初から自社の課題をしっかりと把握され、その課題を解決するためにはどのツールを導入し、どう運用していくべきかという明確なビジョンをお持ちでした。システムに任せるところはシステムに任せ、業務効率化を徹底する――。お問い合わせをいただいたときから現在に至るまで、そのビジョンが一切ブレていないのは素晴らしいことだと思います。
BAROLO七尾 ありがとうございます。当社がBカートやキャムマックスを導入したのは、まだ取引先やアイテム数が少ない時でした。システム導入にはデータ移行や既存取引先への周知・協力依頼などが必要なので、もし業務の自動化を検討するのであれば、事業規模が小さくても早い段階で踏み切ることをおすすめします。
――最後に、今後の展望や目標・計画などがあれば教えてください。
キャム馬場 キャムマックスはITが得意でないお客様でもノンストレスで操作できるよう、UIの改善を進めます。OMSやBIツール、会計システムなど外部システムとのAPI連携も強化し、継続的に利便性を高めて参ります。
また、今後はERPとして豊富な機能を持つキャムマックスの機能の一部をスピンアウトし、値頃感のあるもう少しお手頃な価格帯で提供する新サービスをリリースしたいとも考えています。
株式会社キャム マーケティング部門 マネージャー 馬場美喜氏
BAROLO七尾 現状、Bカートに関してはサイトの稼働を最優先させたため、商品ページの作り込みが不十分な状態です。今後は見せ方を工夫したり、特集ページを作ったりすることで、より商品の魅力が伝わるようにサイトをカスタマイズしていきたいと思います。
キャムマックスについても、まだまだその豊富な機能を使いこなせていないのが実情です。改めて自社の課題や問題点を洗い出し、それらがキャムマックスで解決できないか可能性を探ろうと思います。自動化できる業務はどんどん自動化し、業務改善を進めていきたいと思います。