ソフトバンクの続く投資快進撃 インドIT2社へ一兆円投資計画
拡大するインドEC市場 投資をバネにさらなる飛躍見せるか
ソフトバンクは28日、インドのECサイト最大手のスナップディールおよび、スマートフォンなどからタクシーを予約できるタクシー配車プラットフォームを構築するオラなど2社に、総額で約900億円を出資しそれぞれ筆頭株主になることで合意したと発表した。EC市場など今後成長の期待高まる分野で出資による事業推進をはかり、株式市場で7兆円超の含み益を得た阿里巴巴に続き、成長事業バックアップのための出資である。
スナップディールは会社設立から4年で利用者の数が250万人を超え加盟店舗も5万店を超えるという急成長を遂げた。ソフトバンクの増資は情報システムや物流面の強化などに充てると予測される。
また、オラも会社設立より3年の新興企業で、19都市で35,000台を配備するタクシー配車プラットフォームを構築している。こちらも成長著しい若手企業である。ソフトバンクからの出資はネット関連サービスの連携などに充てるとみられている。
発表に先行するかたちで、ソフトバンク代表の孫正義氏はインドのプラサド通信IT相と対談した。その際、向こう数年でインドに約1兆円を投資する計画である旨表明し、インドはソフトバンクにとってプライオリティが最上位であると述べたという。
ソフトバンクは、他にもモバイルコマース企業と数億ドルの出資の交渉中という噂もある。
投資事業に力注ぐソフトバンク 阿里巴巴上場の旨味再来目指す
以前よりほぼ確実な噂とされつつも正式リリースにはいたっていなかった今回の投資劇であるが、いよいよ具体的な額の発表までが発表された。孫正義氏はニューデリーで行われたNHKのインタビュー内で、「今後10年間、インドは我々にとって最も興奮できるマーケットだと思う」といった意向をコメントし、インド国民からも非常に高い支持率を得ているとされている。
インドの新興企業にとって、ソフトバンクからの出資が受けられるチャンスが高まる期間がしばらく続くとみて間違いはないだろう。ソフトバンクの、伸びる企業の目の付け所はさすがである。次はどんな企業への投資が行われるのか、続報が待ち遠しい。