EC・通販事業者に聞いた、立ち上げ&事業拡大時の“壁”とは?【東通メディア調査】

ECのミカタ編集部

通販システム開発やコールセンター運営、メディアプランニング、クリエイティブ制作等やリピート通販のバックオフィス業務をサポートする「F-Base(エフベース)」を提供している株式会社東通メディア(本社:東京都中央区、代表取締役社長:赤池文孝)は、通販事業(年商30億円以上)の立ち上げに携わったことがある人102名に対し、通販立ち上げ・拡大における「壁」調査を実施し、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

調査概要

[調査概要]
通販立ち上げ・拡大における「壁」調査

[調査方法]
IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査

[調査期間]
2022年7月19日〜同年7月21日

[有効回答]
通販事業(年商30億円以上)の立ち上げに携わったことがある人102名

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない。

立ち上げを行った通販事業の年商、「50億円以上」が60.8%で最多

立ち上げを行った通販事業の年商、「50億円以上」が60.8%で最多

「Q1.あなたが立ち上げを行った通販事業の年商を教えてください。」(n=102)と質問したところ、「50億円以上」が60.8%、「40億〜50億円未満」が18.6%、「30億〜40億円未満」が18.6%という回答となった。

次に「Q2.通販の立ち上げの際に、どのような「壁」に直面したかを教えてください。(複数回答)」(n=102)と質問したところ、「どのような商品が売れるのかわからない」が52.0%、「どのような販路で展開したらよいかわからない」が50.0%、「自社にあったカートシステムがわからない」が45.1%という回答となった。

さらにQ2で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q3.Q2で回答した以外に、通販の立ち上げの際に直面した「壁」があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=99)と質問したところ、「専門的な知識のある人材の不足」や「在庫管理」など51の回答が得られた。

<自由回答・一部抜粋>
・38歳:専門的な知識のある人材の不足。
・54歳:在庫管理。
・59歳:販売価格戦略(どういう価格で売るのか)、どうやって宣伝していくのか。
・49歳:新商品開発。
・59歳:資金調達にも苦労した。
・58歳:顧客ニーズが絞り込めない。
・31歳:顧客満足度。
・53歳:経営層の理解を得ることに苦労した。

年商5億円を目指す際の「壁」、「LTVの低さ」が52.9%で最多

年商5億円を目指す際の「壁」、「LTVの低さ」が52.9%で最多

「Q4.通販事業で年商5億円を目指す上で、直面した「壁」を教えてください。(複数回答)」(n=102)と質問したところ、「新規顧客は獲得できるがLTVが低い」が52.9%、「新規顧客が思うように獲得できない」が50.0%、「コスト(販管費)が掛かりすぎている」が48.0%という回答となった。

次にQ1で「30億円以上」と回答した方に、「Q6.通販事業で年商30億円を目指す上で、直面した「壁」を教えてください。(複数回答)」(n=100)と質問したところ、「新規顧客が思うように獲得できない」が46.0%、「新規顧客は獲得できるがLTVが低い」が45.0%、「コスト(販管費)が掛かりすぎている」が44.0%という回答となった。

さらに「Q8.通販立ち上げした経験を踏まえて、もし今後通販立ち上げを行うとしたら、どのようなことを意識したいと思いますか。(自由回答)」(n=102)と質問したところ、「市場規模とターゲットの整合性」や「専門の人材やツールの導入」など53の回答を得ることができた。

<自由回答・一部抜粋>
・53歳:市場規模とターゲットの整合性。
・38歳:専門の人材やツールの導入。
・27歳:SNSのフル活用。
・59歳:アプリ化し購入導線を減らす。音声での購入を実現する。
・48歳:似た商品との差別化。
・59歳:事前の調査はより綿密に。
・59歳:サイトも物流も低コスト運営をすること。
・57歳:ホームページの見やすさ、商品のわかりやすさの精度をあげること。

半数以上からCRMに関するサポートを求める声

半数以上からCRMに関するサポートを求める声

Q2~Q7で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q9.通販立ち上げ~事業拡大の中で「壁」にぶつかった際に、どのようなサポートを必要としていましたか。(複数回答)」(n=100)と質問したところ、「顧客育成(CRM)」が51.0%、「顧客管理システムの改善」が49.0%、「顧客対応(コールセンター等)」が49.0%という回答となった。

またQ9で「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q10.Q9で回答した以外に、通販立ち上げ~事業拡大の中で「壁」にぶつかった際に、必要としていたサポートがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=99)と質問したところ、「客観的な意見」や「立ち上げサポート」など49の回答を得ることができた。

<自由回答・一部抜粋>
・42歳:客観的な意見。
・40歳:立ち上げサポート。
・38歳:専門の人材の不足に対するサポート。
・44歳:補償対応があれば、ありがたい。
・43歳:人材育成と確保。
・48歳:似た商品との差別化。

サマリー

公表に際して同社では次のように述べている。

「今回は、通販事業(年商30億円以上)の立ち上げに携わったことがある人102名に対し、通販立ち上げ・拡大における『壁』調査を実施いたしました。立ち上げを行った通販事業の年商は、6割以上が『50億円以上』であることが分かりました。通販の立ち上げの際には、半数以上が『売れる商品』や『最適な販路展開』が分からないという壁に直面した経験を持ち、他にも『在庫管理』や『専門的な知識のある人材の不足』などの課題を抱えていた担当者もいたようです。通販の立ち上げや各フェーズにおける事業拡大を行う上で、さまざまな『壁』があったと想定し、フェーズごとにどのようなことが『壁』となっているのかを伺いました。まず、年商5~10億円を目指す際の『壁』として、『LTVの低さ』に悩む担当者が最も多い結果となりました。

一方で、年商30億円を目指す際には、『新規顧客獲得』が最多の『壁』として挙がりました。なお、年商50億円を目指す際には、『新規顧客獲得』よりも『顧客対応が煩雑になり運用がまとまらない』が悩みとして多い結果となりました。また、通販立ち上げ~事業拡大の中で『壁』にぶつかった際に、半数以上から『顧客育成(CRM)』に関するサポートを必要としていたと回答しており、通販立ち上げした経験を踏まえ、今後通販立ち上げを行う際には『市場規模とターゲットの整合性』や『専門の人材やツールの導入』などを意識する声が挙がりました」

コロナ禍を経てEC事業の立ち上げに踏み切った事業者は多く、今もなお需要の高まりから新たに通販事業に参入する動きは顕著だと言える。そうした中で今回の調査では、通販の立ち上げや、その後の事業展開において悩みが尽きない実態が明らかとなった。

また幸いにして立ち上げに成功した場合でも、年商が上がるほど専門知識を必要とする担当者が多い実態、そして年商のフェーズ毎に抱える悩みも異なることが浮き彫りとなったと言えそうだ。

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