リピート率とは?算出方法やECサイトでの改善方法を解説
顧客満足度や収益にも反映される「リピート率」。ECサイトでは、新規顧客を増やすよりもリピート客の方が費用対効果が大きいため、重要な指標です。本記事ではリピート率とはどういうものなのか、その算出方法や重要性、リピート率を向上させるための改善策をわかりやすく紹介していきます。この記事を読んでリピート率の基礎知識を抑え、売上増加施策を立てましょう。
リピート率とは
リピート率とは、「新規顧客のうち、再び購入してくれた顧客の割合」です。すべての顧客数の中に、どのくらいリピートした人がいるのかを確認することができます。リピート率が高いということは、新規顧客を「2回目の購入にうまくつなげられている」ということ。逆に、リピート率が低いということは1回の購入で終わってしまっていることを意味します。
リピーター率との違い
似ている言葉で「リピーター率」というものがありますが、ここでリピート率とリピーター率の違いを確認しましょう。リピーター率とは、「特定の期間に商品を購入した顧客のうち、再び購入してくれた顧客の割合」です。あくまで、一定期間中に増えたリピーターの割合を示すので、リピート率と違って高ければ必ずしも良いというものではありません。
リピート率が重要である理由
新規顧客よりリピーターの方が獲得しやすい
マーケティングの効率性に関して「1:5の法則」というものがあり、新規顧客を獲得するには、既存顧客の5倍のマーケティング費用がかかるという法則です。費用や手間を考えても、新規顧客よりリピーターを増やす方が効率的であるため、リピート率を重視する必要があるといえるでしょう。
顧客満足度の1つの指標になる
リピート率は、商品やサービスの満足度を知る目安になります。リピート購入をしてくれるということは、商品やサービス、あるいは企業に対して満足度や魅力を感じている可能性が高いからです。リピート率が下がっているときは、提供するサービスやコンテンツを工夫しなければなりません。
収益向上に大きく貢献する
2回目の購入があった顧客は継続的に商品を購入してくれる可能性が高くあります。企業の売上の80%は優良顧客によるものだという「80:20の法則」というものがあり、企業の収益を安定させるには、優良顧客を育てることが重要となっています。リピート率は、新規顧客の中からどれだけ優良顧客に引き上げられたかを判断する指標にもなりうるのです。
リピート率の算出方法
リピート率は以下の式で計算されます。
リピート率(%)=ある期間のリピート客数(人)÷累計新規顧客数(人)×100
例えば、累計新規顧客数が500人、その期間に再度購入した人が200人だとすると、200÷500×100=40となり、その期間におけるリピート率は40%となります。
また、リピーター率の算出方法は以下の通りです。
リピーター率(%)=ある期間のリピート客数(人)÷ある期間の新規顧客数(人)×100
ECサイトにおけるリピート率の目安
ECサイト全体での平均リピート率は、30〜40%と言われています。また業界ごとに見てみると、食品や生活用品が50%、旅行サービスが45%、アパレルが35%、家電が25%というデータが出ています。
引用:https://bodygram.com/ja/blog/blogs-RepeatRate
食品などの消耗品は定期的に買うものであり、旅行サービスは1度会員登録をすれば次回以降入力の手間が省けるという点からリピート率が高くなっています。対して、家電は日常的に購入するものではないために、リピート率が低めになっています。
リピート率が低い原因は?
次に自社のリピート率が低いときに考えられる原因を考えてみましょう。上記の目安より低い場合は、サービスやアフタフォローなどを改善する余地があるかもしれません。
商品やサービス自体の質の問題
初回に購入した時に、商品やサービス自体に不満があればリピートしたいとは思わなくなるでしょう。また商品に対してだけではなく、問い合わせの対応や接客態度にも原因がある可能性があります。お客様アンケートをとるなどして、どこの部分に満足度を感じていて、どこが足りていないのかということを見つけ、改善策を立てましょう。
他社に乗り換えてしまった
競合他社への乗り換えも、リピート率の低下につながる原因の一つです。他社への離脱を防ぐためには競合調査を怠らず、機能や価格、サービスで差をつけアピールをすることが大切です。短期で改善したい場合には、自社の製品のターゲット層を絞り込んでそこに販促活動を集中させるなどの手もあります。
リピーター獲得の対策が不足している
商品やサービスに不満がなくても、再度購入を促す工夫がなければリピート購入につながりません。再度購入意欲が湧くキャンペーンやPRを準備する必要があります。
リピート率を改善するためには
ここでは、リピート率を改善するための具体的な施策を紹介していきます。自社のどの部分を改善すべきなのか、ポイントを定めてPDCAを回していきましょう。
データ分析から施策を行う
リピート率を改善するためには、まずリピーターの顧客属性を見るようにしましょう。リピーターになりやすい層・離脱しやすい顧客の特徴を捉えることで、リピーターを増やすための施策が取りやすくなります。また、商品間でもリピート率が高い商品とそうでない商品を比べることによって、ユーザーのニーズが浮き彫りになるでしょう。
アフターフォローを充実させる
購入後の手厚いサポートやフォローは、リピート率の改善に効果的です。メルマガでの情報配信や、購入後の電話フォローなどいれることによって商品や会社にとって良いイメージを付けることもできます。
リピーター向けの特典を用意する
リピート購入に対してメリットを用意することで、再び購入しようという気持ちになることもあります。代表的なのは、ポイントやクーポンといった制度です。そのほかにも会員ランクを設けて優遇サービスを用意したり、リピーター限定の割引をおこなうことなども有効でしょう。
WEB広告やSNSを活用する
広告やSNSを活用してユーザーの目に情報が届く機会を増やすことで、休眠顧客(一定期間購入がない顧客)が生まれるのを防止したり、サイトや企業に愛着を持ってもらえる可能性が上がります。これといった理由がなくリピートしなかった顧客も、商品が多く目に入る機会があれば購入意欲が沸く可能性もあります。また、愛着を持てば、他社に乗り換えようという気持ちも少なくなるでしょう。さらに、SNSなどオウンドメディアでは自社の商品についての詳しい情報も載せられるというメリットもあります。
リピート率以外で見るべき指標
主にリピート率について解説を行ってきましたが、ECサイトのマーケティングにおいて他にも大切な指標があります。今回はその中から代表的な3つを紹介します。
トラフィックソース
トラフィックソースとは「到達経路」という意味で、どうやってECサイトに辿り着いたかを示すものです。Google検索(検索ワード)やSNS広告など、どの媒体からECサイトに到達したのかを把握することで、広告費の配分やマーケティング施策がより行いやすくなります。
滞在時間
滞在時間とは、サイトに訪れた人が「どのくらいサイトを見ていたか」という指標です。「サイトをみ始めた時間から離脱する最終ページまで」の時間を計測します。この滞在時間が長いほど、商品の購入可能性は上がり、逆に短ければ商品へ魅力を感じていなかったり、サイトが見づらいなど改善する余地があります。
直帰率
直帰率とは、「ある1つのページを1度見ただけで、そのサイトから離脱してしまった人の割合」です。直帰してしまったユーザーは、その1つのページを見ただけで「このサイト/商品は興味ないな」と思ってしまったことになります。直帰率が高い場合、なぜ他のページに導入できなかったのかを考える必要があります。
まとめ
いかがでしたか?これまで、リピート率の定義や算出方法、リピート率をアップさせる方法について解説してきました。リピート率は、顧客満足度や会社の収益に関わる重要な指標であることはおわかりいただけたと思います。リピート率を改善する施策はさまざまなので、根本的な原因を探って対策を打ち、リピート率を上げていきましょう!