食べチョクが熊本市と事業連携、物流拠点設置で生産者の出荷作業負荷を軽減
日本最大の産直通販サイト「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデン(本社:東京都港区、代表取締役社長:秋元里奈)は、2022年8月25日に熊本県熊本市と事業連携協定を締結したと発表した。
熊本市内に生産者が集荷・出荷できる物流拠点を設置し、生産者の出荷作業の負荷を軽減することで、生産者が今まで以上に生産に集中できる環境の構築を目指す。
本取り組みは、熊本および、熊本市の農産物・果物の生産販売や農業経営コンサルなどを行う株式会社味咲と連携して行われる。取り組み詳細は今後協議の上決定するという。
熊本市内に物流拠点を試験的に設置
ビビッドガーデンは、熊本市および生産者の農業経営のコンサルや柑橘を中心商品とする農作物を生産・販売する株式会社味咲と連携し、2022年10月頃を目処に熊本市内に物流拠点を試験的に設置する。
これにより、生産者は自身で食材を梱包したり発送したりする必要がなくなり、熊本市内の集荷拠点にコンテナなどでまとめて出荷するだけで、購入者に商品を届けることができるようになる。取り組み詳細は今後協議の上決定する。
同社は今後、味咲との連携を強化し、熊本県の生産者の物流課題を解決するとともに、販路拡大のサポートを行っていくという。
背景に発送時の生産者への作業負荷
オンライン直販は「価格を生産者が決めることができる」「自分の農園名でリピーターを作れる」といったメリットがある一方で「生産者自身で商品を梱包して発送する手間がかかる」という課題がある。
熊本市は、2020年産の農業産出額が全国市町村で9位を誇る農水畜産物の生産が盛んな地域だが、発送時の作業負荷が販路を拡大する上でのハードルになっていた。
生産者の発送時の手間をできる限り削減することで、今まで以上に生産者が生産に集中できる環境の構築するために、本取り組みの実施に至ったという。
連携協定の内容
・熊本市内への物流(集荷・出荷)拠点の設置
・物流(集荷・出荷)拠点を活用した生産者への簡易な出荷方法の提供
・食べチョクを通じた生産者の販路拡大をサポート
熊本市の大西一史市長は、「熊本市は、清らかな地下水をはじめ、豊かな自然環境に育まれた豊富で高品質な農産物を産出する全国でも有数の農業都市です。日本最大の産直EC『食べチョク』を通して、熊本の魅力ある農水産物を全国に向けて発信し、一人でも多くの皆様にお届けできれば幸いです」とコメントしている。
全国の生産者にとって、オンライン直販は今後ますます欠かせないチャネルとなっていくと予想される一方で、発送件数が多くなるとそれだけ作業負荷も増えてしまうという課題がある。
集客・販売だけでなく、物流面でも生産者を支援することで、食べチョクが一次産業で果たす役割はますます大きなものとなっていきそうだ。熊本市との取り組みが軌道に乗れば、今後同種の取り組みが全国各地で加速するのではないだろうか。