Amazonの商品をローソンで注文受取 数千万品目の商品を気軽に購入へ
全都道府県チェーンコンビニの強み活かす展開か
株式会社ローソンは、EC大手Amazon Japan株式会社(以下Amazon)の商品をコンビニ実店舗で購入、受け取りができるサービスを開始する。2015春を目処にAmazonが取り扱っている数千万点の商品を、全国1万2千店のローソンで購入受け取り可能を目指す。まずは5日より、静岡県内のローソン約200店舗で実験的な導入を展開していく見通しと発表した。
受け取りだけでなく、実店舗でAmazonの注文ができる例は世界的にみても稀有な事例である。
ローソンが店頭で扱う商品は約3,000品目。今回のAmazonとの連携で、店頭の品揃えを大きく充実させることができる。
店頭端末「Loppi」内の「取り寄せサービス」画面からの操作で、オペレーターとの通話による注文を行う仕組み。ユーザー自身による商品検索以外にも、オペレーターに検索を依頼して探してもらうことも可能となる。注文が確定したら、プリントアウトされるレシートをレジまで持って行き会計を済ませれば注文は完了となる。商品は後日、注文店舗で受け取れる。
現金決済を可能にしたことにより、ネット操作に不慣れな高齢者や、クレジットカードを持てない未成年、個人情報漏れを危惧するユーザーなど、今まで取り込むことのできなかった層の開拓も狙いと思われる。また、ローソンは店舗数ではセブン-イレブンなどに優位を譲るが、全国都道府県でチェーン展開をしているという強みがある。Amazonが持つ全国物流網との相乗効果が、両社の狙いを実現する大きな後ろ盾となるだろう。
広がる店頭受け取りサービス
一方、ローソンのライバル企業でもあるセブン&アイ・ホールディングスは、グループ系列の百貨店やスーパー、専門店などが取り扱っている約300万品目の商品の、コンビニ(セブン-イレブン)店頭受け取りサービスを15年中にも展開する動きを見せている。他にも百貨店など各所にて、ネットで注文して店頭で受け取りをするという、いわゆるオムニチャネル化による購買行動が頻繁に見られるようになっている。実際、日常で利用するコンビニでも意識してレジ内に目をやれば、以前よりもAmazonなどのダンボールの量が目立つようになってきている。それだけ店頭受け取りの利用者数が増加しているということであろう。今回新しく始まる、店頭注文と現金決済可能化により、利用ユーザーはさらに増えていくことが予想される。
実験導入が好調に進み、全国展開が始まり近所のコンビニでも気軽に利用できるようになる日は、そう遠くはないだろう。