【ラクスル×ワタミ】OMO実証実験、ポスティング前の認知獲得でチラシの反響が約2.8倍に向上
ラクスル株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長CEO:松本恭攝)と、ワタミ株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役会長 兼 社長:渡邉美樹)はチラシのポスティングに関するOMOマーケティングの実証実験において、ポスティング前に認知を獲得しておくことで効果が向上する傾向を見出したと発表した。
両社は、これまで効果の可視化が難しかったポスティングチラシによるオフライン販促の効果をオンラインで取得する方法を通し、引き続きOMOマーケティングの成功パターンを検証していくとしている。
ポスティング効果を可視化する実証実験を実施
店舗運営を行う企業では、現場の販促宣伝活動を支援し売上拡大に貢献したい一方で、オフライン販促による成功パターンがないため、運営側から店舗へ情報提供ができていない実態がある。また、チラシポスティングにおいては、「Web広告等と比較した場合、効果が見えづらくCPAが合わない」「どのエリアにどのように予算投下をすることで売上に寄与するかが不明瞭」といった課題がある。
こうした課題を解決し、ポスティングの効果を可視化し商圏の傾向を見つけるため、オフライン販促物の成果をオンラインで可視化するOMOマーケティングの実証実験を2021年12月より2社共同で開始した。
今回の実験では、「まだ認知が低い新業態の店舗がポスティングにて来店促進を行う場合、認知がある状態とない状態ではポスティングの効果に差が出るのでは」という仮説を立て、認知メディアであるシネアドとポスティングを掛け合わせた実証実験を行った。ポスティングしたチラシは前回同様QRコードを掲載し、チラシからどれくらいWebに誘導できたか効果を計測している。
OMOマーケティング実証実験の内容
具体的には、居酒屋の「和民」のリブランディング業態である「焼肉の和民」にてポスティングの実証実験を実施。来店してもらうためのプロモーション活動として、下記2パターンでチラシを配布した場合のQRコード読取率に差があるかを検証した。
【配布期間】2022/05/06~2022/5/20
【配布場所】①店舗近隣映画館(関東):2022/05/06~2022/05/08 ②店舗沿線エリア(関東):2022/05/06~2022/05/20
【配 布 数】 ①:7,500部 ②:25,050部
チラシ読取率の比較
その結果、チラシ読取率は「映画館配布(1.08%)」が「沿線エリア配布(0.38%)」の約2.8倍以上となった。読取内容はメニューが最も多いことは共通しているが、予約フォームへのアクセスは映画館配布が沿線エリアの倍以上にのぼった。
このことから、事前に認知させることにより、来店への意欲が高まることが判明している。
読取タイミングの比較
映画館配布では、チラシ配布日にQRコードからアクセスした人が圧倒的に多かったが、沿線エリア配布では、定期的にアクセスしていることが判明。外出先で受け取るチラシは配布後即時的にアクセスが見込め、自宅で受け取るチラシは手元に置いておき、好きなタイミングでアクセスする傾向にある。
これらの結果から、店舗オープンや限定キャンペーンなどのタイミングでは、店舗近隣での手配りが即時的な来店促進につなげる施策として有効だと考えられる。
また、自宅で受け取るチラシは好きなタイミングで見てもらうことができるため、イートインのみの店舗よりも、テイクアウトやデリバリーなどのメニューとして保管しておいてもらえる内容のほうが効果的かもしれない。
従来、ポスティングチラシのようなオフライン販促は効果の可視化が難しかったが、QRコード等を掲載し、オフラインからオンラインに誘導することで、効果の可視化が可能となっている。こうした取り組みの結果、新たなマーケティングの知見が蓄積されていくことに期待したい。