【調査リリース】YouTube利用動向調査 20代〜30代の約3割が休日に3時間以上利用
インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、以下「ヴァリューズ」)は、国内の20歳以上の男女3,384人を対象に、YouTubeの利用に関する消費者アンケート調査を実施した。
調査・分析概要
◆対象者:全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)
◆対象人数:3,384人
◆期間:2022年8月17日~8 月24日
※アンケート調査は性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計をおこなっている。
※チャンネルごとの閲覧数はPCからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※チャンネルのカテゴリは、ヴァリューズが独自に定義。
YouTube利用率は約9割 男性は高頻度で視聴する傾向に
回答者全体にYouTubeの利用頻度について調査した結果、利用がある人の割合は男性90.4%、女性86.6%となった。
性年代別では、「ほぼ毎日」利用が全てのグループにおいて最も多く、特に男性20・30代では毎日視聴者の割合が約6割と高くなる。
一方で、「ほぼ毎日」利用を同じ年代で男女で比較すると、いずれの年代も女性の方が割合が低く、女性は40代以外の全ての年代で「全く利用していない」が3位にランクインした。
このように利用率、利用頻度ともに、男性の方が高い結果となった。
20代~30代の約3割が休日に3時間以上利用
平日は、20・30代以外の全ての年代で、50%以上が1時間未満の視聴におさまっている。
一方で、20・30代は1時間以上3時間未満のボリュームが顕著に多い結果となった。
休日では、全体的に1時間以上の利用割合が増加したものの、40代以上は依然として、1時間未満が半数以上となっている。
一方で、20・30代の3時間以上視聴の割合は休日になって大きく伸びており、YouTubeが生活に定着している様子がうかがえるだろう。
若い女性におけるチャンネル登録理由は“推し活”か
チャンネル登録の理由に関しては、以下のような内容が上位となっている。
▷「自分の趣味に合った動画が多いと感じたとき」
▷「興味のある動画を効率的に見たいとき」
一方で「友人・知人・家族に勧められたとき」という口コミ起点や、「チャンネル登録者数が多かったとき」といった理由はランキング下位という結果であることから、「自分」を主語にしたチャンネル選びが起こっていると言えるかもしれない。
また男女における回答率の差に注目すると、男性は「~と感じた」「なんとなく」といった印象ベースな理由が多い傾向にある。
一方、女性は「繰り返し見たい」「応援したい」など、目的意識・熱量ともに高いことがうかがえる。
このことから女性は「推し活」的な理由によってチャンネル登録に至るということが考えられるだろう。
特に、20・30代女性の42%が「チャンネルを応援したいとき・チャンネルのファンになったとき」と回答しており、若い女性でより特徴的であることが分かるかもしれない。
男女を通じて最も視聴が多いジャンルは音楽関連
男性は「専門知識 / 経験談系」という学び系の動画、女性は「ペット / 動物系」の動画をそれぞれ異性に比べてよく見ていることが分かる。
年代別で見ると、「ゲーム実況」「VTuber系」が20・30代で顕著に多く、「作業 / 睡眠用BGM系」も若いほど視聴が多くなっている。
これらのジャンルは1動画の時間が長い傾向にあり、若年層の利用時間が長いことの理由でもあるだろう。
男性はニュース、女性はバラエティ豊かなチャンネル
こちらはPC上で視聴回数が多いYouTubeチャンネルのランキングを、性年代別に作成したものである。
男性に注目すると、オレンジ色の「ニュース関連」カテゴリのチャンネルが全ての年代において目立つが、20~40代男性では共通して「THE FIRST TAKE」がランクインしている。
一方で50代以上の男性はニュース系のチャンネル数が多いことに加え、テレビ朝日公式や大谷翔平のライブパフォーマンスを投稿するチャンネル、政治経済系などの視聴も多く、テレビからの移行がうかがえるだろう。
女性は年代ごとにバラエティが豊かとなっている。
20〜30代女性はゲーム実況、お笑い系のほか、VTuberグループ「にじさんじ」と、同グループに所属するVTuberのチャンネルが複数ランクイン。
これらのVTuberはゲーム実況動画の投稿も多いことから、その文脈で見ている人が多いことや、推し活的な要素が強いことが考えられるだろう。
続く30代女性はさらに多様なゲーム実況チャンネル、40代女性は俳優・大食い・整体・料理系など幅広いチャンネル、50代女性はジャニーズチャンネルなど、多様な嗜好性がうかがえる結果となった。
好きなエンタメを視聴することと、流し見視聴
各媒体・SNSの利用者を対象に、媒体ごとの利用目的をアンケート調査した結果、他媒体と比べYouTubeの回答率が最も高かったのは「好きなエンタメを見るため・関連情報を得るため」という目的であった。
加えて、「ながら見」「知らない事柄を調べるため」といった要素も高めに出ていることも分かる。
エンタメについても、音楽は特に「流れていくもの」という立ち位置が強く、「とりあえず流しておく」「とりあえず検索して調べる」ためにYouTubeがよく使われており、これらはショート動画に代替されにくいテーマとも言えるかもしれない。
一方で、「トレンド・口コミ情報を知る」という目的に対しては、サイトやTwitter、InstagramといったSNSの方が使われやすいことが分かるだろう。
「ながら見」コンテンツは代替されにくい傾向にある
YouTube内での行動について、約2割が「YouTube Shortsを見る」と回答し、さらに「倍速再生をする」は若い世代ほど回答割合が多くなっていた。
これらのことから、若年層は同じコンテンツに集中し続けることに対して負荷を感じやすく、今後さらにTikTokを含めたショート系の動画に移行していく可能性が考えられるだろう。
一方、前述の視聴動画ジャンルの分析では、若い世代ほどゲーム実況や作業系BGMといったショート動画に代替されにくいジャンルをよく見ていることが明らかになっており、こうしたテーマの動画がYouTubeにおける若者向けの勝ちパターンとなっているだろう。
YouTubeに影響された行動については、「動画内で紹介されていた商品を購入した」が約2割となっており、一方でプロモーション目的で作成された動画からは購買につながりにくいことが分かる。
また、女性は「動画がきっかけで人やキャラクター、商品などのファンになった」、男性は「動画で学んだ内容を学業やビジネスに活かした」が異性に比べて高く出ており、「男性は学び系の動画をよく視聴し、女性は推し活的な要素が強い」ことと一致する結果となった。
サマリー
◆YouTube利用率は約9割、男性が高頻度で視聴
◆若年層のヘビー利用が顕著、20代~30代の約3割が休日に3時間以上利用
◆特に若い女性で、"推し活”的なチャンネル登録理由が特徴的
◆男性は学び系の動画を、若者はゲーム実況・BGM系をよく視聴
◆YouTubeで「好きなエンタメを見る」「とりあえず流しておく・ググる」
◆若者はショート動画への移行可能性も、代替されにくいのは"ながら見”コンテンツ
今後若年層向けの訴求において、ネット広告は欠かせないものとなるだろう。
今回の調査結果は、そのような広告を検討する際に参考になるかもしれない。