最近注目を集めているチャットコマースとは?ECサイトでの導入事例やメリットを解説

ECのミカタ編集部

最近注目を集めているチャットコマースとは?ECサイトでの導入事例やメリットを解説

ECサイトを運営している方の中には、「取り入れたい」と思う人も多いであろうチャットコマース。本記事では、チャットコマースの特徴やメリット、実際に活用している企業の紹介まで詳しく解説していきます。チャットコマースは、ECサイトの課題を補える側面が多くあるのでぜひチェックしてみてくださいね。

チャットコマースとは

チャットコマースとは、LINEやFacebook Messangerなどのツールやチャットボットを用いて、ユーザーとコミュニケーションをとりながら商品を販売したり、問い合わせに対応する新しい販売形式のサービスです。「チャット」と「コマース」を組み合わせた造語で、英語ではConversational Commerceといい、「CC」と表記されることもあります。

*チャットボット:AIを活用した「自動会話プログラム」のことで、主にテキストでやりとりをする仕組み。

チャットコマースの特徴


チャットコマースは、EC上では難しかったユーザーとの1対1での会話が可能になるため、その場でユーザーの疑問を解決できたり、商品やサービスについてより詳しく知ってもらえるなどユーザーの顧客体験の向上につながりやすいという特徴があります。

さらにチャットボットを導入すれば、24時間のお問合せが可能となり、カスタマーサービスの負担を大きく減らすことも可能です。

チャットコマースの市場規模


チャットコマースはアメリカでは2016年、日本では2017年ごろから徐々に認知され始めており、今後もその市場規模は拡大していくと言われています。矢野経済研究所の対話型AIシステム市場に関する調査によると、2022年におけるチャットコマースの市場規模は132億円に到達することが予測されています。アパレルや飲食、運送など幅広い業界で導入されており、労働人口の減少や業務の効率化といった観点から見ても、これからもその勢いは伸びていくでしょう。

引用:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/1946

チャットコマースのメリット

チャットコマースを利用するメリットを、ECサイト事業者・ユーザーそれぞれに対して紹介していきます。

ECサイト事業者にとってのメリット


コストや手間を削減できる
チャッコマースを導入することで、カスタマーサービスの負担を軽減することができます。AIが問い合わせ対応を担うため、社員が全ての問い合わせを対応する必要がなくなります。AIで解決しきれなかった時のみ社員の対応が必要となるので、従来よりも人件費などのコストを大幅に削減することができるのです。

ユーザーの情報やニーズを取得できる
ユーザーとのチャットを重ねていくことで、ユーザーが知りたい内容や、購入につまづく情報が蓄積されていきます。それらのデータを元にユーザー理解を深めたり、サービスの向上を図ることも可能です。チャットコマースを活用すれば、顧客体験の改善を行いやすくなるのです。

ユーザーに合った提案ができる
チャットコマースは実店舗のような1対1の会話ができるため、それぞれにあったサービスを提供することができます。年齢や性別、居住地などのユーザー情報からおすすめ商品を提案したり、疑問を解決した上でサービスを提供することが可能なのでブランドに対する好感度や親近感を生み出すことが可能になります。

ユーザーにとってのメリット


気軽に問い合わせがしやすい
現在ではユーザーにとって、チャットによるコミュニケーションは生活の一部となっています。そのため、ユーザーはチャットコマースを抵抗なく使える上に、電話をかける手間も必要ないため、問い合わせに対するハードルが必然的に低くなります。ユーザーが普段使っているチャットツールを用いれば、そのツールの集客力を利用することもできるなど、チャットコマースはよりブランドとのコミュニケーションを取るきっかけにもなるのです。さらには、チャットであれば24時間いつでも問い合わせできてしまうことも利点と言えます。

チャットのみで用事が済む
チャットコマースには、チャットのみで商品を購入できるサービスもあります。わざわざ複数のサイトや画面を移動する必要がなくノンストップで決済までできれば、ユーザーのストレスを減らすことができます。また、購入意欲があるうちに決済まで至る可能性も高いので、EC事業者側にとってのメリットにもなりますね。

チャットコマースの活用事例

次にチャットコマースを活用した成功事例を見ていきましょう。

ヤマト運輸

ヤマト運輸では、チャットコマースの導入によって業務の効率化に成功しています。LINEのヤマト運輸公式アカウントでは、現在5000万人近くの登録者がおり(2022年10月)、下記の情報を公式LINE上で確認できるようになっています。

・配達予定日時の事前通知
・不在通知
・配達日時や場所の変更
・再配達依頼
・各種サービス料金や内容の確認

従来は電話やEメールでの個別対応でしたが、チャットの導入により再配達の削減や業務の大幅な効率化を成し遂げているようです。

H&M

世界的なファストファッションブランドであるH&Mの海外店舗では、オンラインで実店舗と同じような顧客体験ができるサービスを提供しています。チャットによって、H&M登録メンバーの好みをヒアリングし、好みやライフスタイルに合ったコーディネートを提案したり、アドバイスをしたりしています。

ピザハット

アメリカでは、2016年からFacebookメッセンジャーやTwitterといったユーザーに馴染みのあるツールを用いたチャットコマースを展開しています。商品の注文に加えて、Q&Aや最新情報のお知らせなども確認することができ、ユーザーがより気軽にピザを注文できるような工夫がなされています。

もう1つのトレンドもチェック!ライブコマースとは

チャットコマースと同様、近年注目を集めているライブコマースもご紹介します。チャットコマースよりは適する商品は限られてしまいますがライブコマースも新しいマーケティング方法としてチェックしておいて損はないでしょう。

ライブコマースとは、「ライブ配信」と「eコマース」を掛け合わせた造語であり、ライブ配信を通じてオンラインで商品を売ることができる新しい販売形式のことです。ライブコマースにおいて、視聴者はライブ配信をみながらリアルタイムで配信者に向けてコメントしたり、質問することができます。ECサイトでは難しい双方向のコミュニケーションが可能になるので、ライブコマースをうまく用いれば商品購入につながりやすいでしょう。アパレルやコスメ業界を中心に急成長しているライブコマースも商材によっては取り入れてみるのも良いかもしれません!

まとめ

いかがでしたか?
本記事では、好成長を遂げているチャットコマースについて解説してきました。チャットコマースは業務を大幅に効率化できたり、ブランドロイヤリティを創造できるなど多くのメリットがあります。また、ECでは困難であった実店舗のような顧客サービスを提供できる販売方式です。カスタマーサービスの負担を減らしたい、新たなマーケティング方法を試してみたいという方はぜひ、導入を検討してみてください!


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