GMOメイクショップが初の事業戦略説明会「EC普及率100%」を目指す

ECのミカタ編集部

(左から)常務取締役COOの古屋智久氏、代表取締役社長CEOの向畑憲良氏、事業推進部部長の石井貴氏

GMOメイクショップ株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表者:代表取締役社長CEO向畑憲良、以下、「GMOメイクショップ」または「同社」)は、2022年10月26日、千葉市の幕張会議室にて初の事業戦略説明会を開催した。代表取締役社長 CEOの向畑憲良氏、常務取締役COOの古屋智久氏、事業推進部部長の石井貴氏が、ECビジネスの歴史や同社の歩みを振り返りつつ、今後の事業展開、新MakeShopにかける思いを語った。

次の10年はもっと買いやすいECへ

2004年に向畑氏が創業し、翌年GMOグループへ参画した同社。ネットショップ構築サービス「MakeShop by GMO」は現在では国内11,000店舗以上で導入されており、“日本で一番売れるショッピングカートシステム” として多くのEC事業者に選ばれている。

秋葉原での創業時やGMO参画時のエピソードなど同社の歴史やECの黎明期から現在までを、向畑氏は「変化する時代とともにECの民主化が行われてきた」とECトレンドの変化と振り返った。購入される商材は、当初はニッチなもの、書籍、海外のCD、家電などだったが、今では米や水などの大衆的かつ日常的なものに変化。しかし向畑氏自身、「ECの買い物はまだまだ不便と思うことも多い」という。そこで「より良い買い物体験」「安全と信頼の買い物体験」「リアルとの融合」の3つをECの課題として挙げ、「次の10年はもっと買いやすいECへ、そしてあると便利なものからなくてはならないものへと変わる必要がある」と述べた。

20年から同社で2代目のプロダクトオーナーを務めている常務取締役 COOの古屋氏は、MakeShopの中長期的な展望について「to High to Wide 戦略」と題し説明。「ショップ様の課題を解決しながら、その店舗の成長に応じてパッケージ型、SI型のクラウドECでさらなる事業成長の提案をしていく『to High』と、ビジネス要件が膨らんでいくショップ様の業務をカバーするための『to Wide』の2つの戦略をとる」とし、MakeShopのリニューアル、GMOクラウドECの強化、APIの整備・拡充、オープンプラットフォーム化を実行していくとした。また、MAや出資を通じ、次世代を担うECの起業家を支援するほか、東名阪以外の地域のEC化率向上のため、向畑氏の出身地である香川県で地域活性化プログラムも進行させている。

リニューアルは「テセウスの船」方式で

同社は「MakeShop次世代EC開発プロジェクト」を20年に開始。このプロジェクトを取り仕切る事業推進部部長の石井氏は「お客様のECサイトを止めない」「お客様に移行作業を負担させない」を顧客との“約束事”だとする。またMakeShopのリニューアルは、元の船を徐々に新しい部品に変え、気づいたら新しい船になっていたというギリシャ神話「テセウスの船」方式で、25年まで段階的に行う予定だという。

総務省調査局が22年10月に公表した「家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について(二人以上の世帯)」によれば、22年8月現在の、ECの「ネットショッピング利用世帯の割合」は約53.1%とのこと。古屋氏はこのEC普及率を100%にすることを目指すという。「ECはまず安全・安心であるべき。ECの売上は拡大傾向だが、商品が届かないなどのトラブルも増えている。私どもの直接のクライアントであるショップ様の繁栄だけを追いかけることは消費者をおざなりにしてしまい、真に豊かな買い物体験にはつながらない」と古屋氏。

また「ECを今まで以上に便利で快適な体験へと変革させ、若者からお年寄りまですべての方がECを使える世界へと引き上げたい」(古屋氏)と抱負を語り、説明会を締めくくった。


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