ロボティクスとは?注目される背景や各業界における活用例を紹介

ECのミカタ編集部

ロボティクスとは?注目される背景や各業界における活用例を紹介

ロボットの構想や設計、制作、運用などを行う「ロボット工学」のことを意味するロボティクス。現在、ロボットへのAI活用や、労働力不足の対応策としてロボティクスが注目されている。今回の記事では、ロボティクスの概要や注目される背景の詳細とともに、活用される分野や業界を紹介する。

目次

●ロボティクスとは
●ロボティクス関連業界の現状と今後
●ロボットが活用される分野は
●まとめ

ロボティクスとは

ロボティクスとは、ロボットの構想・設計・制作・運用などを行う「ロボット工学」のことだ。ロボットを設計するための「機械工学」や電気回路を制作する「電気電子工学」といった、総合的な研究を行う学問分野を指す。また、ロボットに関した産業全般を指す場合もある。

ロボットの構想から設計、制作、運用までには、機械工学や電気電子工学などさまざまな分野の工学が必要であり、現在も常に研究や改良が繰り返されている。また、自律的に複雑な作業を行うロボットには、AI(人工知能)の技術も必要となる。AIを用いたロボットは、IoTがネットワークを介して「データ収集」を行い、AIで「処理」して動作を行う。こうした技術の進化に伴い、AIやIoTとロボティクスの発展は、第4次産業革命と呼ばれるほど、生産効率が飛躍的に向上するのではないかと期待されている。


ロボティクスが注目される背景

昨今、日本では少子高齢化からくる人手不足や、労働力確保のための人件費高騰が問題視されている。このような課題に対し、人手不足や人件費高騰の解消に向けた具体的な対応策として、近年ロボティクスの注目度は非常に高まっている。

また、ロボティクスの活躍範囲拡大や各国の政策的バックアップなどを受け、ロボットの汎用化や量産化は加速傾向にある。このように、ロボティクスの構想や制作といった事業を行う関連企業群は、「ロボティクス関連業界」と呼ばれている。かつてロボットの活用は生産性向上目的だったが、昨今はロボットを介した社会とのネットワーク創出や、遠隔コミュニケーションが可能となった。さまざまなシーンで活用できることから、同業界の株価は世界株式の平均値を上回って推移しており、今後しばらくの間注目が続くと予想されている。


ロボットが活用される分野・業界は

家庭用ロボット掃除機など、身近なところでも活躍するロボティクス。現在は、対人接触を回避したり、消毒作業の追加による業務負担を軽減したりと、感染症対策に関しても需要は高い。

一方で、業務効率を高めるためのロボットの導入は、業界や職種、作業に合った選択が重要だ。AI自身が答えを導き出して作業を行う「AI搭載のロボット」や、人間がプログラムすることによって反復型作業をこなす「RPA」を導入するのか、人間が作業を行う方がよいのか、ロボットを活用するには適切な判断が必要となる。

そこで、ロボットを活用している分野や業界を紹介しよう。

産業ロボット


産業ロボットは、「簡単な反復作業」や「人間には負担や危険を伴う作業」を自動化しており、製造業や建設業などの産業分野で活躍している。

製造業
製造業では、製造ラインのさまざまな工程でロボット活用による自動化が実現している。製造現場では、労働者に肉体的負担がかかる場合や危険が伴う場合もあり、負担による作業ミスのリスクもある。そこで、ロボットの導入により搬送や組み立て、検査などを自動化。これにより、24時間体制の稼働や人件費削減、人手不足解消につながっている。さらに、人的ミスの減少による安定した製品製造にも効果が見込める。

農業
農業では、人手不足や農業者の高齢化による後継者不在が課題だ。そこで、現在企業や大学では農業収穫ロボットの開発が進んでいる。熟れたものを選択して収穫するAI搭載型ロボットで、事前にAIが画像データから分析して成熟度を判断する仕組みだ。これまで人間が担ってきた収穫をロボットが行うことで、収穫期の人件費・負担の削減や、効率的な収穫につながる。実用化が始まったばかりの農業用ロボットだが、完全自動化を視野に入れ、現在も研究や開発が進んでいる。


サービスロボット


サービスロボットは、「会話」や「物の運搬」など人間に対してサービスを提供しており、サービス業での普及が進んでいる。

飲食業
飲食業では、ロボットによる調理や呼び込み、配膳が実現している。中でも、調理を行うロボットは、進化を遂げている。これまで、人間と協働するロボットは、物をつかんで別の場所に移動させる「ピック&プレイス」と呼ばれる動きが基本だった。しかし、力加減やアームの動かし方などを人間に近づけた、調理工程をこなすロボットが登場。従業員はロボットが調理をする間ほかの調理や接客にあたれるなど、混雑時には特に効果的だ。人件費削減や業務効率化にもつながるだろう。

物流業界
物流業界では、倉庫内での自動ピッキングや、自動搬送ロボットなどの活用が進んでいる。例えば、自動ピッキングでは、人間に代わって倉庫内から指定商品を見つけ出し、ピッキングしたものを梱包場所に運ぶことができる。物流業界では慢性的な人手不足に悩む企業も多く、ピッキング作業による工数やミスは、負担増の原因となる。AI搭載ロボットがピッキング作業を行うことで、ミスなく迅速に作業を行える。また、倉庫内に配置していた人材のリソースをロボットにあてることで、より重要度の高い業務に人材を配置することも可能だ。


特殊ロボット


特殊ロボットは、人間の代わりとなるだけでなく、人間の力に加えて特殊な機能を持つロボットのことだ。現在は、宇宙や原子力発電所などでも活躍している。

運送業
重量がある商品の運搬を行う運送業では、労働者の肉体的負担がつきものだ。近年、装着して使用するロボットである「パワーアシストスーツ」が登場し、活用が始まっている。パワーアシストスーツは、内蔵センサーによって腰への負担を軽減する機能や、人工筋肉を駆動源とした動作アシスト機能により、普段以上の力を発揮できる仕組みだ。性別や個人の筋力差にかかわらず重量物を運べるため、求める人材の幅も広がり、一定の労働力確保につながる。また、農業や介護などといった分野でも、作物や人を運ぶ・動かす手法として活用が期待されているロボットだ。

宇宙産業
宇宙産業では、AI搭載のロボットが導入されている。同ロボットは、シャフトの組み立てやパネルの結合、ネジ締めなど、従来人間が行ってきた技術を獲得している。のみならず、ビニール製パウチのチャックを動かしたり、ゴムホースを取り付けたりと、人間が行う場合の力加減とほぼ変わらない力で作業を行える技術を持つという。機械学習を用いた自律型ロボットで、モノの認知・状況判断をしながら動くため、宇宙で作業を行う人間のリスクやコストを減らすことに効果的だろう。


まとめ

ロボティクスは、企業の人手不足解消や人件費削減に向けて注目が集まる技術だ。今後もますます発展し、あらゆるシーンで活躍することが見込まれている。ロボットによる作業と人的作業の効率や正確性を踏まえ、自社業界または作業プロセスにおいて、ロボティクスの導入を検討してみてはいかがだろうか。


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