フューチャーショップ、2022年2Q流通額は昨対比105%の446億円
株式会社フューチャーショップ(本社:大阪市北区、代表取締役:星野 裕子、以下「フューチャーショップ」または「同社」)は、同社が運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズの2022年7月〜9月(2022年度2Q)流通額などについてまとめ、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。
2年以上継続利用店舗の成長率は、121.25%
同社は、まず2年以上継続利用されている店舗に限定し、流通額を調査した。結果、成長率は昨対比121.25%となった。リアル回帰が進み、実店舗での購入機会も増える一方、futureshopシリーズを2年以上継続して利用されている店舗は+21.25%と、全体と比較し自社ECサイトの流通額が増加している。
母数となった店舗を調査対象に、10店舗以上ある業種別に限定して上位をまとめた結果、各店舗のEC担当者が様々な施策を実施したり、マスメディアに取り上げられたりなど、ECサイト利用者の購買意識の変化だけで説明がつくものではないとした上で、全体として外出機会創出やイベントに関係する業界のEC利用が進んでいた。
昨対比2倍となった「ギフト」はイベント景品関連が好調。「花・ガーデン・DIY」もプロ向けアイテムを取り扱う店舗が上位に目立つ結果とった。そして、「バッグ・小物・ブランド雑貨」「ジュエリー・腕時計」「レディースファッション」など、外出機会増加に伴いアパレル・ファッションECの利用も増加している。リアル回帰が進み、百貨店でも衣料品購入が増加する中、実店舗とECの相乗効果が進み、実店舗で気になったアイテムを検討の結果ECで購入するなど、相互作用が強まったものと分析している。
EC利用状況
下記の項目について、期間中の生活者のEC利用状況を調査した。調査対象は、2021年・2022年7月〜9月、各月の注文件数が100件以上の店舗の中から500店舗を無作為に抽出している。なお、前回までのプレスリリースで行った同調査とは異なる店舗構成だ。
◆注文件数の変化
対象店舗の注文件数は昨対比105%前後だった。9月の注文件数が調査期間中の他月と比較し、鈍化を見せている。これについては、2022年9月は3連休が2回続くカレンダーとなっており、外出機会が増加し、リアル回帰を受けたものと分析している。
◆購入単価の変化
継続して両デバイスとも上昇。一貫して購入単価は上昇傾向となっている。
◆新規顧客利用状況
新たに会員登録した顧客の利用を新規利用とみなし、各店舗の平均増加率を月ごとに調査した。期間平均は新規顧客の利用が111.55%だった。昨年までの爆発的な新規利用増加期間から新規利用が減少することもなく、継続して増加している。
決済手段の変化
利用された決済方法を「クレジットカード」「ID・QR決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay、PayPay、d払いなどのキャリア決済)」「現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)」の3つに分けている。
今回の調査でも「クレジットカード利用」はほぼ変化なく、「現金・その他利用」が「ID・QR利用」に移行している流れは変わっていない。また各店舗別では、「現金・その他利用」を受け付けていない(クレジットカードやID・QR決済のみ受け付けている)店舗も散見される。
また決済方法を3つとも提供している店舗に限定して(n=348)調査した結果、今回の調査対象店舗では、ID・QR利用がクレジットカード利用を全ての月で上回る結果となった。店舗ジャンル別に調査すると、「食品・スイーツ」はクレジットカード利用が最多、その他の店舗ジャンルではID・QR利用が最多という結果だった。
サマリー
このようにフューチャーショップは、同社が運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズの2022年7月〜9月(2022年度2Q)の流通額についてまとめ、その結果、446億円となり、昨対比104.77%となった。リアル回帰が進んで外出機会が増加する中、アパレルECの利用が回復していた。
新型コロナウイルスによる感染拡大の影響が国内外で長引く中、ECへのニーズが一気に高まったが、ワクチン接種の浸透や、ハイブリット免疫を持つ人が増える中で、行動制限も緩和傾向にある(少なくとも日本国内では第7波でも政府や自治体による行動制限は出されなかった)。
日本でも外国人観光客の受け入れが解禁されるなど、徐々に日常が戻りつつある中で、消費者における「リアルへの回帰」が読み取れるが、フューチャーショップの流通額からもEC市場の堅調な成長がうかがえる結果となったようだ。