オプティム 月額500円の電子書籍読み放題サービス

15社90誌でスタート


矢野経済研究所によると、2014年度の電子書籍市場規模は1,050億円の見込で、2017年度には1,910億円に拡大すると予測している。コミック分野で伸ばしてきた市場に小説、文学などの読み物分野が徐々に電子化され拡大を後押しするという。
そんな中、株式会社オプティムが月額500円で15社90誌のバックナンバーをタブレット端末で読める定額読み放題サービスを11月中に始めると日本経済新聞が報じている。

同社は10月22日に東証マザーズに上場「世界初のサービスにこだわりたい」とし、佐賀県内の公立高校で使用されている学習用タブレット端末に同社のソフトウェアが利用されるなど、パソコンやスマートフォンの安全対策や遠隔操作などの技術力に強みを持つ。

昨年末にはウイルス対策ソフトや年賀状作成ソフト、辞書ソフトなど80種類以上のパソコンソフトが月額500円で利用可能な「パソコンソフト使い放題 powered by OPTiM」サービスを開始しており、今回発表された「タブレット使い放題」という新サービスは、タブレット向けの新たなワンコイン定額サービスとなりそうだ。

増える定額サービス


近年様々な定額サービスが登場している。huluを始めとした動画の見放題サービス、Music Unlimitedなど音楽聞き放題サービス、漫画や絵本の読み放題サービスまである。そんな中、NTTドコモが6月から開始している「dマガジン」の存在も見逃せない。月額400円で79誌の人気雑誌の閲覧、100ページまでの記事クリッピング機能、キャリア関係なくサービスへの加入が可能とインパクトのあるサービスだ。
「dマガジン」の月額400円という価格は衝撃的であったが、今回の「タブレット使い放題」の月額500円も十分なインパクトだ。iOSやAndroid搭載のタブレット端末に専用アプリケーションを導入することで、最新号の1つ前から1年程度前までのバックナンバーを閲覧することができるということに加え、雑誌、書籍、漫画という幅広いラインナップにも期待が持てる。

サービス終了に伴う閲覧規制、競合サービスの多さやコンテンツ未充足など電子書籍にはまだまだ課題はあるが、低価格で魅力的なサービスが続々と登場しており、今まで以上に気軽に利用できる環境になっている。市場の盛り上がり予想とは逆にタブレット市場は縮小傾向にある、ある一定まで普及しきったことが大きな要因と考えられている。
キラーコンテンツ不足とも言われる中、米Amazonは月額9.99ドルで電子書籍60万冊以上が読み放題となる「キンドルアンリミテッド」を7月からスタートさせている。数十〜数百冊レベルの国内サービスと比べるとまさに桁違いだが、だからこそ国内電子書籍のポテンシャルも感じずにはいられない。



-編集部-