EC特化型クラウドWMS「Sun Logi」がAIロボットと連携

ECのミカタ編集部

サンシーア社(以下「サンシーア」または「同社」)は、同社ののEC特化クラウド型WMS「Sun Logi」が、AIロボット(Quicktron社)とのAPI連携を開始したことを公表した。

日本国内での展開を加速

EC特化クラウド型WMS「Sun Logi(サンロジ)」が、AIロボット(Quicktron社)とのAPI連携を開始した。両社は日本国内においてシェアを獲得していく戦略が一致し、業務提携に至ったとのことだ。同社は今後、日本国内における展開を加速させていくとしている。

物流AIロボット大手のQuicktron社が、日本進出を開始して2年となるが、サンロジも同時期にサービスを開始。WMSにおいてオムニソーターなどの物流AI機器との連携を強めてきたサンロジが、今回、新たにAIロボット(Quicktron)のAGVとAPI連携の機能を実装し、サービスを開始したことになる。

出荷ミスやピッキングミスをゼロへ

出荷ミスやピッキングミスをゼロへ

Quicktron社は、国内に対応したWMSを持っておらず、今回のサンロジ連携によって、日本の物流業界に対しAIロボット導入の足掛かりにしたいとの意図があるようだ。それと同時にサンロジは、先んじて対応することで、先行者利益である業界内のシェア率を高めたいなど両社の狙いが一致し、業務提携及び今回のAPI開発へとつながったものとみられる。

Quicktronとの連携では、自動搬送ロボット(AGV)との連携からサービスを開始している。AGVがQuicktronの代表的なの製品であり、効率化を進める上での有効だと判断したのがその理由のようだ。

提供されるソリューションでは、サンロジ側で各ショッピングモールやカートシステムと受注を連携し、その注文内容にマッチングした商品を梱包する作業台などに「自動的」にAGVが搬送する仕様となっている。同社は、出荷ミスやピッキングミスなどによる「手戻り」をなくすことができ、出荷にかかる人件の削減と出荷量の増加に寄与するとしている。

進むEC物流での自動化

公表に際して同社では次のように述べている。

「コロナの影響により、日本における物流環境は大きく変化しています。ECの売上増加、メディカル物流、慢性的な人員不足など物流量は増えるが、手が足りず出荷作業に支障が出るケースも現場レベルでは起こっています。効率化を図ることが急務だが、システムによる効率化だけでは追いつかなくなっているのが現状です。特にBtoCの配送には手間がかかり、人の手を介すことが多いので、人材の確保は事業主にとって、最大の課題となっています。

アジアの隣国中国ではECの市場規模は世界1位で世界全体の52%(経産省、令和3年調べ)と約半分を占めています。もちろん人口が最も多い国であるのだから、世界1位は解らなくもないですが、52%と高い市場規模が物流業界の効率化やDX化を推し進める要因になっているのは間違いありません。まさしく物流のDX化においても世界1位と言って過言ではないと思います。

そんな中国から多くの物流機器のメーカーが世界へ進出しています。Quicktron(クイックトロン)もその一つです。同社は中国国内において、3本の指に入る物流機器メーカーで、今現在日本でのマーケティングに力を入れています。信頼性の高い機器は世界でも多くの大手企業が導入しています。サンロジにおいても日本でのマーケティングはもちろんですが、海外メーカーとも柔軟に対応し、WMSとしては後発な為、これから伸びていく市場にいち早く対応していくことで、シェアを伸ばしています」

ECの生命線とも言える物流の現場では、今回の両者による連携に見るようにロボティクスやデジタルソリューションを活用した急速な自動化が進んでいる。WMSと搬送ロボットによってバックヤードと物流が抱える人手不足などの課題に対応し、あわせて業務効率化にも寄与することで、日本国内のEC基盤そのものの底上げにもつながることになりそうだ。

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