三菱UFJキャピタル 未利用魚サブスクD2C「Fishlle!」へ出資

ECのミカタ編集部

未利用魚を活用したお魚サブスクD2C「Fishlle!」で水産業の明るい未来を目指す株式会社ベンナーズに出資

三菱UFJキャピタル株式会社(以下:三菱UFJキャピタル)は、同社が運営するファンド(三菱UFJキャピタル8号投資事業有限責任組合)より、株式会社ベンナーズ(以下:ベンナーズ)に対し、第三者割当増資による出資を実行したことを公表した。

未利用魚を使用したサブスクサービスを展開

未利用魚を使用したサブスクサービスを展開

ベンナーズは「日本の食と漁業を守る」をビジョンに掲げ、「水産業界に関わる、全ての人を豊かにする」をミッションとし、現在は未利用魚サブスクD2C「Fishlle!」を中心に事業展開。未利用魚と呼ばれる、形が悪いものや、傷が付いているものなど、出荷する十分な水揚げ量がない等の理由で価値が付かずに市場へ出回ることなく廃棄されてしまっている魚を使用した冷凍ミールパックを月額4,200円から提供している。

世界の大半地域における水揚げ量の30~40%が未利用魚と言われており、日本の漁獲量で換算した場合、年間およそ100万トンの魚が廃棄されている可能性がある。

使用している魚は天然国産で着色料や保存料は無添加であり、下味のみを付けて瞬間凍結しているため、調理過程において様々なアレンジが可能だ。「Fishlle!」を利用することで、手軽に美味しいお魚を食べながら社会貢献にも繋がるだろう。

水産資源の確保は重要課題

今回の出資実行について、三菱UFJキャピタルは以下のようにコメントしている。

「日本近海には約3,800種の魚がいると言われていますが、実際に食卓でよく食べられるのはその数%以下だそうです。一方で、水揚げされている魚のうち30~40%が様々な理由で市場に出回らない未利用魚というもったいない状況があります。また、世界では人口増加や食文化の変化により食用魚介類の総消費量が最近50年間で5倍に増加しており(一人当たり消費量は2倍)、魚介類消費量の4割を輸入に頼る日本においても水産資源の確保はとても重要な課題です。だからと言って、美味しくないものを無理に食べても長続きはしないと思います。美味しさ・手軽さと社会貢献を両立しようという井口さんの思いに共感し、出資を決定致しました。今回の出資を機に、MUFGが有するネットワークを駆使してベンナーズ社を支援して参ります」

日本は世界でも有数の水産物消費国である。日本食を代表する寿司や刺し身はもちろん、ウナギやサンマなどは季節の風物詩だと言えるだろう。しかしながら国内漁獲量は年々減少の一途を辿っており、三菱UFJキャピタルが述べているように国内消費の約4割を輸入に頼っている状況だ。

「Fishlle!」が提供する未利用魚の使用は、持続可能な漁業と水産資源の管理に直結する上、消費者としてもこれまで知ることのできなかった海の恵みを味わえることになるはずだ。今回の出資を元に「Fishlle!」がどのように展開していくのか、その動向に注目すべきと言えるだろう。

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