NEC世界初の機能「物体指紋」認証 応用した数多くの適用例など

流通トレーサビリティから真贋判定まで個体認識

NECは世界初、「物体指紋認証技術」を発表した。人間の目では判断が極めて困難な固有の物体指紋(紋様)を、スマートフォンやタブレット端末内蔵カメラで認識し、事前登録された紋様データと照合することで高精度の識別を可能にした技術だ。同社のかねてよりの強みであった指紋認証などの記述の応用と進化を進め開発にいたった。
この「物体指紋認証技術」を活用するサービスのために同社は、カメラ機能を搭載した安価な本用端末に取り付けるだけで同様の機能が試用できる専用アタッチメントも開発している。

この技術の適用例として同社は「流通トレーサビリティ」「真贋判定」「部品管理や保守作業管理」などを挙げている。
また、より消費者の生活に身近なサービス応用として、同機能及びNECが持つ独自の画像認識機能を活用した「GAZIRU-F(ガジル-エフ)」というアプリの開発にも成功した。
このアプリは、消費者が街で見かけたファッションで興味を持ったものを、スマホで撮影するだけで似たような商品を探し出せるというもの。色や柄の識別を細かく行い、短時間で検索できる特徴を持つ。32色を区別し6種類の柄を判別し、ECサイトに接続して購入することができる。

利用するにはまず、スマホで通りすがりの気に入ったファッションの人や雑誌のモデルなどを撮影する。その画像をNECのクラウドに送り、男女、アパレルの種類などいくつか選択をすると、データベースの中から近い商品を表示するという仕組みだ。
同社は、新しいカタチの販売手段としEC企業に採用を促しマネタリングを行う。現実とネットのさらなる融合を可能とし、直感的に趣味嗜好に近い商品をチェックできるので、消費者の「欲しい」をすぐに購買につなげることができる。我々の日常に溶け込めば、全く新しい購買行動として広まることも考えられる。

憧れのファッションへの近道を提供

従来であれば、街を歩いていて気に入った服を着ている人を見かけたり、雑誌やテレビのタレントの着ている服を見たりした際、まず記憶に留めておき実際に店まで足を運びチェックを行うのが当たり前であった。そうすることで、売り場店員から着こなしを聞いたり、ブランド名などの種類の知識も増え、「探す」ことが次回から少しラクになる。
現状では、お気に入りのファッションを発見したらネットで「探す」ことが一般化している。これだけでカナリの正確さと時間の短縮が可能となっている。
次の段階は、このNECのシステムがより高度に一般化し普及すれば、「探す」と「お気に入り発見」を同時に、しかもその場でリアルタイムで行えるようになる。ユーザーにとってもアパレル業者にとっても、中間の手間を大幅にカットできる素晴らしい展開である。

撮影される一般人の権利問題など、定着化にはクリアしなければいけない問題もあるだろうが、カメラによる物体認証技術の応用は様々な方面に活用され、模造品撲滅など我々消費者の生活における安全性も大幅に高まっていくだろう。