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Amazonのショッピングカートボックス獲得とは?獲得率を上げる方法は?
Amazon出品で重要なショッピングカートボックス獲得。「あまり理解できていない」という方も意外と多いです。Amazonのショッピングカートボックスは、一般的な「ショッピングカート」とは異なる意味をもちます。今回は、Amazonのショッピングカートボックス獲得の意味や、獲得率をあげる方法を紹介します。
Amazonのショッピングカートボックス獲得はどういう意味?
「Amazonでショッピングカートボックスを獲得する」というと、どのようなことを指すのでしょうか。
Amazonのショッピングカートボックスとは
通常、「ECサイトのショッピングカート」と聞くと、ユーザーが購入予定の商品を一時的に保管しておくためのカゴや、カート機能を想像することが多いでしょう。
しかしAmazonにおけるショッピングカートボックスは、商品ページの「カートに入れる」ボタンの下部に表示される出品者名のことを指します。
ショッピングカートボックス獲得(カートを取る)とは?
Amazonでは、1つの商品に対して1ページしか表示されないシステムを採用しているため、複数の出品者が同じ商品ページに出品することになります。
そのため、商品購入の入り口となる「カートに入れる」付近のショッピングカートボックスに店舗名を表示させることが重要です。その店舗名を表示させることを指して、「ショッピングカートボックスを獲得する」「カートを取る」と表現します。
ショッピングカートボックス獲得率(取得率)の考え方
Amazonでは複数の出品者から同一商品が出品されることも多く、ショッピングカートボックスの獲得は簡単ではありません。
ショッピングカートボックスが獲得できなければユーザーの目に触れる機会が減り、売上が伸びにくくなります。そのためショッピングカートボックスを獲得できるかどうかは、Amazon出品の成功を左右するといっても過言ではないでしょう。
ショッピングカートボックスの獲得率は出品者によってさまざまです。たとえば、「価格の競争力がある・FBA配送を利用している・高評価率が高い」など、パフォーマンス評価が良い場合は95%を超えることもあります。逆に、獲得率が低いと5%程度ということもあるでしょう。
ただしショッピングカートボックスの獲得率が低くても、取扱商品や即日配送、低価格などの条件があれば「こちらからもご購入いただけます」の出品者欄から購入にいたることもあります。
Amazonのショッピングカートボックス獲得状況の確認方法
Amazonでショッピングカートが獲得できているかを確認する方法は2つあります。1つ目はAmazonでの出品管理をおこなうセラーセントラルで、ビジネスレポートを確認する方法。もう1つは出品中の商品ページで直接確認する方法です。
以下では、それぞれの確認方法を詳しく紹介します。
セラーセントラルで確認する方法
セラーセントラルにログインしたら、以下の順に進めていきます。
- レポート
- ビジネスレポート
- 詳細ページ売上・トラフィック
上記まで進めると「おすすめ商品(ショッピングカートボックス)の割合」が表示され、ショッピングカートボックス獲得率を確認できます。表示されない場合は、「列の表示/非表示」の「おすすめ商品(ショッピングカートボックス)の割合」にチェックが入っているかを確認してみましょう。
もしチェックが入ってなければ非表示となるため、チェックを入れてもう再確認してみてください。
商品ページで確認する方法
商品ページでは「カートに入れる」ボタンの下にある、「販売元」欄に出品者名が表示されているかどうかで確認できます。カートを獲得できていれば登録している出品者名が表示されますが、「新品(◯)件の出品」と値段が記載されている場合は獲得できていません。
なお、「販売元」は商品の出品者のことで、出荷までおこなう場合は「発売元」として表示されます。FBA(フルフィルメント by Amazon)を利用して出荷する場合は、「出荷元」欄にAmazonと記載されます。
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Amazonのショッピングカートボックス獲得の条件・基準
Amazonでショッピングカートボックスを獲得するには、いくつかのパフォーマンス要件を満たす必要があります。Amazon Seller Centralで公式に定められている条件や基準は、以下のとおりです。
- 出品形態
- パフォーマンス指標
- 注文数
これらは最低限の条件として定められていますが、すべてを満たしていても必ず獲得できるわけではありません。あくまでも各項目内での評価を高めることが重要であり、改善すべきポイントがあれば可能な限り対策する必要があります。
Amazonのショッピングカートボックス獲得率を上げる方法
Amazonではショッピングカートボックスの獲得が売上に直結するため、以下の6つのポイントをおさえてショッピングカートボックス獲得率アップを目指しましょう。
小口出品から大口出品に設定する
もし現在、小口出品を選択しているのであれば、大口出品に変更しましょう。そもそも小口出品はショッピングカートボックス獲得の対象外のため、カートを取ることができません。
大口出品は小口出品に比べて費用がかかりますが、ショッピングカートボックス獲得率が高まる以外にもさまざまなメリットがあります。ショッピングカートボックス獲得を目指して売上を伸ばしたい場合は、必ず大口出品に設定しておきましょう。
なお、大口出品と小口出品の費用の違いは以下のとおりです。
大口出品 | 4,900円/月+販売手数料 (カテゴリごとに異なる) |
小口出品 | 100円/商品+販売手数料 (カテゴリごとに異なる) |
なるべく安い価格で販売する
Amazonでの販売価格もショッピングカートボックス獲得に影響する要素のひとつ。ここでポイントとなるのが、モール内で競争力のある価格になっているかどうかです。とくに、他社よりも安く、最安値で出品している場合はショッピングカートボックスの獲得率が高い傾向にあります。もしほかの出品者にカートを奪われた場合、販売価格を見直してみるとよいかもしれません。
なお、Amazon以外で出品している商品価格も対象になるといわれています。楽天市場やYahoo!ショッピング、自社ECサイトでの価格設定に気をつけて、価格競争に巻き込まれない程度の価格を設定しましょう。
ポイント付与をする
商品価格そのものを下げるのではなく、ポイントを付与する方法もあります。ポイント付与分は出品者の売上から引かれますが、ショッピングカートボックス獲得率アップに効果が期待できます。Amazonポイントは1ポイント1円で利用できるため、リピーター獲得にも有効。
なお、Amazonポイントを付与するには設定が必要となります。セラーセントラルの「在庫」から「在庫管理」に進み、「Amazonポイント」欄から設定しましょう。ただし、ポイント付与率が高すぎると利益が少なくなる可能性もあります。
一般的なポイント付与率0.5〜1.0%程度を参考に、利益を守ったうえでのポイント設定を検討してみてください。
注文から発送までの期間を短くする
注文から発送までの期間を「リードタイム」といいます。オンラインショッピングを利用するユーザーは、注文後、商品が到着するまで待たなければなりません。そのため、商品の到着にかかる日数や時間は、ユーザーにとって重要なポイントとなります。
ユーザー目線で考えると注文から発送までが遅い出品者よりも、迅速に対応してくれる出品者のほうが印象がよいのはいうまでもないでしょう。リードタイムに改善の余地がある出品者は、できるだけ早い発送を徹底するとショッピングカートボックス獲得につながりやすくなります。
なお、フルフィルメントby Amazon(FBA)を利用している出品者は、Amazonによる出荷やカスタマーサービスの対象となるためショッピングカートボックス獲得率が高まると公表されています。
店舗パフォーマンスを向上させる
Amazonでのショッピングカートボックス獲得条件の1つ「パフォーマンス指標」は、注文不良率・キャンセル率・出荷遅延率の3つの要素から判断されます。なかでも、注文不良率は顧客満足度を数値化したもので、出品者への評価に直結します。評価のよい出品者はカートが獲得しやすくなるうえにユーザーからの信頼度も高まり、売上アップが目指せるでしょう。
なお、梱包や発送方法、カスタマーサービス、商品のコンディションなど、出品者の対応はすべてユーザーからの評価に影響します。セラーセントラルの「パフォーマンス」内の「アカウント健全性」にて現状を確認しつつ、より達成度を高めていきましょう。
商品情報を最適化する
商品タイトル、説明、画像の品質など、商品情報が詳細で高品質であることも影響します。商品情報を最適化することにより、顧客が購入を決断しやすくなり、全体的なパフォーマンスが向上します。
販売実績を増やす
Amazonのショッピングカートボックス獲得には、これまでの販売実績も大きく影響します。たとえば、販売実績のないAと販売実績のあるBでは、販売実績のあるBのほうがカートの獲得率が高くなると考えられます。ただし、Amazonに出品し始めた頃は販売実績がない状態となり、カートの獲得も難しいでしょう。
販売実績を増やす方法としては、以下の3つが有効です。
- 商品価格を安くする
- 売れやすい商品を出品する
- ニッチ商品を出品する
価格設定はもちろん、出品商品も見直したいところです。世の中の動きによってユーザーの需要は変わるため、そのときどきで売れやすい商品を出品するのもよいかもしれません。逆に、常に一定数の顧客が見込めるニッチ商品を出品するのもよいでしょう。大きな市場のなかでも年齢層やニーズ、好みを絞って差別化することで、特定のターゲット層から購入されやすくなります。
対策していてもAmazonのショッピングカートボックスを獲得できないのはなぜ?
前章で解説した対策をしても、ショッピングカートボックスに表示されないこともあります。その場合は、以下のような点が原因かもしれません。
- 競合の存在
- アルゴリズム
どれだけ対策していても、競合との価格やパフォーマンス競争によって獲得できないこともあります。競合がFBAを利用していると在庫管理や配送において有利なので、その影響もありえます。
また、Amazonのショッピングカートボックス獲得におけるアルゴリズムは定期的に変動するといわれ、その影響を受けている可能性もあります。
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【FAQ】Amazonショッピングカートボックス獲得に関するよくある質問
ショッピングカートボックス獲得について、Amazonが開示している情報は多くありません。そのため、さまざまな疑問を抱いている方も多いでしょう。以下では、Amazonショッピングカートボックス獲得に関して、よくある疑問について紹介します。
新規出品でショッピングカートボックス獲得は難しい?
Amazonでの出品歴が浅ければ、ショッピングカートボックス獲得率が0ということもあるでしょう。競合もさまざまな対策をしてカートの獲得を狙っているため、上記で紹介したような対策をとるしか方法はありません。新規出品者の場合は、販売実績や高評価をコツコツ積み上げつつ、FBAの利用なども検討してみてください。
Amazonがショッピングカートボックスを独占している
このケースは、特にAmazon自身が出品者である場合や独自ブランドの商品を扱っている場合に見られます。ほかの出品者が価格設定、在庫管理、顧客サービスの質、そして供給の安定性などでAmazonと競うのは難しいことが多いです。
ショッピングカートボックスの相乗り対策は?
「相乗り」とは、すでにショッピングカートボックス取得者がいるところに、ほかの人が出品を行うことを指します。
この場合は、どの出品者が選ばれるかはAmazonにより判断されます。そのため、基本的には前述したような対策を行って競争優位に立たなくてはなりません。
また、扱う商品によっては商標権などで販売の権利を保護する方法や、ブランド登録を活用する方法もあります。
Amazonコンサルに委託してショッピングカートボックス獲得率を改善するのもおすすめ
Amazon出品において、ショッピングカートボックスの獲得は売上を大きく左右する要素です。たとえ同じ商品を出品していても、カートが獲得できれば売上アップに期待できますし、獲得できなければ売上が落ちる可能性が高まります。
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