「Shopify Editions Winter‘23」を発表 100以上のアップデートをリリース

ECのミカタ編集部

Shopify Japan 株式会社(本社:東京都渋谷区、カントリーマネージャー:太原真、以下「Shopify Japan」または「同社」)は、「Shopify Editions Winter‘23」を発表した。

未来に向けたビジネス基盤を構築

世界最大級のコマースプラットフォーム、Shopify(ショッピファイ)の日本法人であるShopify Japanは、「Shopify Editions Winter‘23」を発表。今回のEditions では、100種類以上の新製品や機能追加がリリースされた。

Shopifyでは、2022年から事業者や、開発者、パートナーがコマースにおける最先端のデジタル体験を実現していく上で欠かせない、Shopifyの最新製品や機能アップデートを目的に、年2回発表する「Shopify Editions」というプログラムを開始している。

今回、発表されたEditions Winter‘23では、「Built to Last」をテーマとし、「あらゆる環境やビジネス状況が急速に変化し続ける中でも事業者が成長し続けられる、未来を見据えたビジネス基盤を構築するためのアップデートを提供する」としている。グローバルでリリースされる数多くの新機能や製品の中で、国内事業者のビジネスに関連する、ハイライトすべき新機能について以降で紹介する。

主な新機能①:コンバージョンを促進

主な新機能①:コンバージョンを促進

◆Shopify Checkoutの機能追加でコンバージョン率を高め、カスタマイズをより柔軟かつ簡易化

▷チェックアウトページを1ページに表示

カート離脱(カゴ落ち)の多くがチェックアウト画面で起きているという調査結果がある。このことから、コンバージョンを促進するためには、顧客がチェックアウトをいかに合理的に進められるかが重要だ。これまでShopifyのチェックアウト画面は、数ページで表示されていたが、今年後半から、1ページにまとめた表示に切り替わる。顧客が記入するフィールドを減らし、チェックアウト画面をシンプル化することでページのロード時間を減らし、チェックアウト時の顧客のストレスを軽減する。

▷チェックアウトのカスタマイズをより柔軟かつ簡易化

Shopify Checkoutのカスタマイズを行うためのアプリとして、事業者向けにCheckout Editorを、そして開発者向けにCheckout Extensionsが、それぞれ追加された。従来、チェックアウトをアップデートやカスタマイズする際に、コード編集のスキルが必要だった。新たに追加されたCheckout Editorにより、事業者はシンプルにドラッグ&ドロップのみで、例えばチェックアウトページを自社ブランドのルック&フィールへ変更する、あるいはチェックアウトページにロイヤリティプログラムを追加するといったことがより簡単かつスピーディに行うことができるようになった。また、Shopifyの機能がアップグレードされても、事業者がカスタマイズしたチェックアウトにそれらのアップグレードした機能が影響なく反映することができる。

さらに今回、開発者向けにチェックアウトアプリの開発を推進するCheckout Extensionsで、UIコンポーネント・ライブラリやUI拡張およびブランディング APIやその他の機能を提供されている。これにより、開発者はカスタマイズしたチェックアウトアプリをさらに柔軟に開発することができるようになった。それらのアプリはShopifyアプリストアにて提供することができ、事業者はそのアプリを活用して独自性のあるチェックアウトページを作成することができる。

主な新機能②:「Shop」アプリに新機能を追加

主な新機能②:「Shop」アプリに新機能を追加

◆モバイルコマースを強化

「Shop」アプリは、2020年からグローバルで提供を開始している。Shopifyでは、D2C(Direct to Consumer)ビジネスを推進するなかで、個人や中小規模の事業者のように市場でまだ広く認知されていないブランド、あるいはそのブランド商品を顧客に発見してもらいやすくするための販売チャネルの一つとして「Shop」アプリを開発、誰もが簡単にモバイルコマースに事業展開するためのサービスとして提供。顧客は「Shop」アプリのストアで商品を購入すると、配送状況をモバイル上で確認することが可能だ。

2022年から「Shop」アプリ上での取引は2倍以上に増加しており、なかでもShopifyの上位100社の事業者は、アプリ内で再購入までにかかる時間が、自社が展開するオンラインストアでの場合と比較して6倍以上短縮しているという。そこでShopifyでは、事業者がShopアプリをより効果的かつ効率的なモバイルコマース戦略として活用できるように、新機能を追加した。「Shopify Editions Winter‘23」でリリースされた国内で利用可能な新機能は次の通りだ。

▷「Shop」アプリで展開するストアのカスタマイズ:「Shop」アプリ内でブランドの存在感を高める

「Shop」アプリで展開するストアを最適化することで、顧客が商品をカートに追加する確率が最大15%高まることが明らかになっている。そこでShopifyは、事業者がゼロからシステムを新たに構築しなくても、ブランドの独自性を保持しながら「Shop」アプリ内でモバイルコマースを実現できるよう支援するとのことだ。今回、新たに商品のラインアップや売れ筋商品の表示、口コミ、ブランディングといった機能を提供することで、「Shop」アプリで展開するストアをカスタマイズし、アプリ内で顧客エンゲージメントを向上することができるとしている。

▷「Shop」アプリにサインインする機能をオンラインストアに追加:オンラインストアに「Shop」アプリのサインイン機能を追加できるようになったことでコンバージョンを促進、1億人を超える「Shop」アプリユーザー獲得の機会を創出

事業者は「Shop」アプリにサインイン機能を追加できるようになり、買い物体験の初期段階で確度の高い顧客を特定しやすくする。また「Shop」アプリやShop Payにより買い物体験を整流化することで、結果的にコンバージョン率を8%向上させるとしている。

▷そのほかのコンバージョンを促進することに貢献するShopアプリの新機能

[パスキー]
「Shop」アプリユーザーがApple や Android 端末で「Shop」アプリ にサインインする際、顔認証や指紋認証といった生体認証キーで、簡単にサインインすることを可能にする。

[お気に入り機能]
「Shop」アプリ上で気に入ったストアをお気に入り登録する機能を追加したことで、顧客との関係をより強固なものにする。

主な新機能③:B2Bコマースのデジタル体験を向上

主な新機能③:B2Bコマースのデジタル体験を向上

Shopifyは昨年6月のEditionsで企業間取引(B2B)コマースソリューションを発表して以来、何十種類もの機能を追加してきた。Shopifyは、世界有数のD2Cコマースソリューションを提供してきたことで培った実績と知識をB2Bビジネスに活用し、継続的に機能を強化していくことで、B2Bコマースのデジタル体験を向上するとしている。

今回、追加された事業者向けの機能には、販売商品数量の条件設定や、事業者と顧客との受発注のやり取りを効率化するための機能などがあり、また開発者向けには、卸売事業で必要となる受注書や配送指定、B2Bコマース向けのロイヤリティプログラムをカスタマイズして構築するためのAPIが提供される。

EC事業者の成長に欠かせない機能を提供

EC事業者の成長に欠かせない機能を提供

公表に際して同社では次のように述べている

「コマースビジネスは常に進化を続けていますが、いつの時代も変わらないのは、最先端を極める者が成功するということです。そこでShopifyでは、事業者の継続的な成長に必要な、将来を見据えたビジネス基盤を構築するための機能を提供していくことはもちろん、常にShopify事業者が最先端であり続けることで、他の事業者より不公平なまでに優位に立てるよう支援していきます」

Shopifyのブロックチェーン技術で、未来の顧客ロイヤリティを高めていくために、Shopifyでは Editions Summer '22 でトークンゲートコマースを発表している。これにより、事業者は NFT を有効化して、NFTホルダーだけが楽しめる体験や商品にアクセスさせることができるようになった。

今回のEditionsでは、前回のEditionsでは米国で一部事業者に提供していたNFTトークンの配布機能を日本でも提供していくとのことだ。また、開発者向けにNFTのロイヤリティを高めるためのAPIやコンポーネントを提供することで、Shopifyのプラットフォーム上で次世代のロイヤリティ体験を手軽かつ迅速に構築することができるとしており、2023年のShopifyにおける正統な進化が、高らかに示されたと言えそうだ。

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