【2023最新】メール配信システムを徹底比較!選ぶポイントからメリット・デメリットまで

ECのミカタ編集部

メールマガジンの配信など、メールを用いた顧客とのコミュニケーションは、顧客のロイヤリティを高めるのに役立つマーケティング手法です。その効果を活かすために、ぜひメール配信専用のシステムを用いて業務を効率化しましょう。この記事ではメール配信システムの導入を検討する方へ向けて、配信システムを使うことで得られる効果や、選定する際のポイント、おすすめのサービスなどを紹介します。

メール配信システムとは

メール配信システムとは、会員やクライアント宛てのメールを一斉に送信するシステムです。メール配信システムは、メールの配信業務において発生しやすいリスクやミスを回避しつつ、メールマーケティングの効果を高める機能が備わっています。

たとえば、通常のメールソフトで多数のメールを配信する際は、「全件を配信し終わるまでに時間がかかる」や「誤送信が発生する」、「メールが相手に届かず原因もわからない」といったことが起こりえます。ですが、専用システムを使ったメール配信なら、より確実かつ短時間でターゲットへの送信が可能です。

また、メールがどれくらい開封され、本文のリンクが何回クリックされたか?など施策の効果をはかるためのデータも簡単に取得できます。メール配信システムは、メールマガジンなど多量なメールの一斉配信を行う企業にとって、業務効率化のため必須のシステムといってもよいでしょう。

メール配信システムの導入目的

せっかくメールマーケティングを行うのであれば、施策の効果を最大限得たいものです。メール配信システムを導入すると、以下にあげるようなメリットを期待できます。

メールの到達率を高めたい


多くのメール配信システムには、メールの到達率を改善できる機能が備えられています。どんなに内容のよいメールでも、まずは相手に届かないのであれば意味がありません。

メールの到達率とは、送信した全件のメールのうち、宛先のメールボックスに届いた件数の割合をあらわします。受信ボックスではなくメールボックスに届いた数なので、迷惑メールに振り分けられた件数も含めたものです。“到達”していないメールは、迷惑メールボックスにすら届いてない状態となります。

一斉配信で送られたメールは、受信側のサーバーからスパムメールと判断される確率が高いため、到達しないケースがよく発生します。迷惑メールにも振り分けられずにブロックされてしまうわけですから、メールが送った相手の目に入ることはありません。

メール配信システムには、受信側によるメール規制を避けるための「メールリレー」サービスや、エラーになってしまう原因を解明する機能が備わっているため、スパムメール判定を回避して到達率を改善できるのです。

メルマガの効果測定を行いたい


マーケティング施策とは、常にPDCAを回しながら改善を図っていくものです。ただし、行ったD(施策の実施)に対するC(チェック)を行いたくとも、必要なデータが入手できない限りは内容の良し悪しを判断できません。

メールマガジンの効果を測るKPIには、メールの開封率や本文に記載したURLのクリック率などが用いられます。ところが、一般的なメーラーでは、送付したメールが受信側でどれくらい読まれているかなどのデータを確認できないことがほとんどです。

一方メール配信システムとなると、多くのサービスにおいて開封率やURLクリック率などの数値を取得できるようになっています。さらに、ABテストのような分析機能を備えたサービスもあり、より効果の高いメール配信を実現できます。

大量のメールを遅延無く配信したい


大量の顧客に、リアルタイムな情報を届けたい場合にもおすすめです。通常の一斉送信メールでは、システムの処理に時間がかかり、なかなか大量の宛先に対して短時間で送信を終えられません。

メール配信システムの中には大量配信に適した独自のシステムを備えているものがあり、何十万件ものメールをスムーズに処理して配信を完了できるものもあります。

オンラインショップのタイムセールや商品遅延の告知、企業の重大なリリース情報など、なるべくタイムラグなくメール配信をしたいなら、こうした機能の備わったシステムが必要となるはずです。

デザイン性の高いメルマガを配信したい


ユーザー、あるいはクライアントのメールボックスには、日々多数のメールが届いています。顧客がその一通一通に最後まで目を通している可能性は、ほぼゼロといってもよいでしょう。

数多のメールがひしめく中では、シンプルなテキストのみのメールよりも、デザイン性のあるメールのほうが興味を惹きつけられる可能性が高いです。とくに画面の小さなモバイル端末からは長い文章を読みにくいため、テキストのみだと余計に読み飛ばされてしまうおそれがあります。

一般的に、人がメールマガジンやサイトページを閲覧する際、先を読み進めるかどうかの判断はページを開いてから3秒の間に行われるとされています。

既存システムや顧客データと連携させたい


メールマーケティングは、顧客ごとのデータや利用履歴と紐づけることでより大きな効果を発揮します。顧客の属性・購入金額に応じてメールの内容を変えれば、一人ひとりの顧客に対してより訴求力を高められると期待できるのです。

逆に考えれば、すでにある程度の顧客データベースを所有しているのであれば、その情報をメールマーケティングに活かさない手はありません。

API連携機能のある配信システムを導入すれば、既存のシステムやデータベースをもとにしたメール配信が可能になります。

主要なメール配信システムでできること

さまざまな企業がメール配信システムを提供していますが、大体のサービスには以下にあげる機能が備えられています。

ターゲット配信


保有する配信先リストの中で、特定の属性をもつユーザー(ターゲット)にのみメールを送る。

オプトアウト


メール本文に設置された配信停止希望のリンクから、ユーザー自身が簡単にメール配信設定の管理をできる。

エラーアドレス分析


配信したメールがエラーになった場合、原因を分析する。

テスト配信


実際のユーザーにメールを配信する前に、任意のアドレス宛てにテスト配信ができる。

テンプレート保存


よく使用するメールの型(テンプレート)を保存し、使用する際は呼び出してメール作成の手間を低減する。

配信スケジュール予約


作成したメールが、任意の未来日に配信されるようスケジュールの予約ができる。

ステップメール配信


ユーザーによる会員登録や購入などのアクションを起点とし、経過した日数や時間に応じて内容が異なる複数のメールを自動配信できる。

HTMLメール作成エディタ


通常、実装するのにHTMLやCSSが必要となる装飾つきのメールを、ボタンなどの操作で感覚的に作成できる。

レスポンシブデザイン対応


受信デバイスにあわせて、崩れなくメールを表示させる。

差し込み文書


配信ユーザーごとに、データベースにある氏名や会社名などの情報を広い、メールの件名や本文へ差し込んで表示させる。

組み替えメッセージ


ユーザーの属性によって、配信するメールの内容を変更できる。

メール承認(ワークフロー)


メールの誤配信を防ぐ目的で、送信前に管理職など特定の人間からの承認を義務化できる。

開封率・クリック率測定


配信したメールがユーザーから開封された割合や、開封されたメールのうち本文記載のURLがユーザーにクリックされた割合がわかる。

メール配信システムのメリット・デメリット

メール配信システムの導入は、メールマーケティング業務の効率化に非常に役立ちます。ただし、利用するうえではいくつ注意しておきたい点もあります。

メール配信システムのメリット


メール配信システムには、大量のメール配信を効率化できるさまざまなメリットがあります。

一般的によく知られているのは、以下です。

・件数の多い配信でも高速でメールを送付できる
・メルマガ作成の手間を削減する
・メールの到達率がアップする

そのほか、セキュリティ対策の効果や、施策の効果測定をしやすくなる点もシステム導入のメリットとなるでしょう。メール配信用のシステムを使うことは、配信作業の中で想定されるリスクやコストを低減し、施策の実施効果の最大化に役立つと期待できます。

メール配信システムのデメリット


メール配信システムを導入する際は、デメリット面も把握した上で、対策まで含めて検討することをおすすめします。

まず、システムを利用したからといって、必ずしもターゲットユーザーにメールを読まれやすくなるとは言い切れない点です。配信用アドレスがユーザー側で迷惑メールとして認定されてしまうと、以降の配信メールは未読のまま迷惑メールフォルダに振り分けられ、そのまま削除されるおそれもあります。

迷惑メールへの振り分けを防ぐためには、以下の対策をしましょう。
・配信リストの最適化(ユーザー属性と自社の提供する情報がマッチしているか、無効なアドレスの登録が多くないか)
・メール容量の確認(容量が大きすぎると迷惑メールに判定されやすくなるため)
・添付画像やファイルは必要なぶんのみに厳選する

また、HTMLでメール本文を装飾できるシステムも多いですが、ユーザーの受信側の環境によっては画像が非表示になったり、文字化けしたりする可能性もあります。装飾されたメールを送りたいのであれば、表示の崩れを避けるため、宛先の環境に応じてメールの種類を出しわけられる機能のあるシステムがおすすめです。

そのほか、機能面が充実しているシステムであるほど、設定を困難に感じるといった側面もあります。複雑な設定作業に自信がない場合は、最低限の機能のみついたシンプルなシステムを探すか、サポートサービスの充実度を考慮してプロバイダを選択しましょう。

メール配信システムを選ぶ際のポイント

数あるメール配信システムの中から最適な選択肢を見極めるために、重要となるポイントを紹介していきます。

自社に適切な提供形態か


メール配信システムには大きく分けて、クラウド型とオンプレミス型の2種類の提供形態があります。

クラウド型は、ネット上のクラウドサービスに契約して機能を利用するタイプのサービスです。自社でサーバーやソフトのインストールはしないため、構築にかかる時間と手間は少なく、申し込み後すぐに使用できるケースが多いです。

オンプレミス型サービスの場合、自社でサーバーやソフトの導入をします。ただ、だからといって必ず複雑な構築作業が必要なわけではなく、購入したソフトをPCにインストールすれば使用できるサービスもあります。

一般的に、低コストを重視するのであればクラウド型がおすすめです。導入費用を抑えやすく、また求められるサーバーやシステム構築の知識レベルも高くありませんので、規模を問わず広く利用されています。

一方で、セキュリティの要件が厳しい企業の場合は、従来オンプレミス型で導入するケースが多い傾向でした。が、近年はクラウド型サービスのセキュリティ対策も改善されてきているため、クラウド型の人気がさらに高まっています。

メール配信の処理能力はどうか


メール配信システムにおいていちばん大切な機能は、ターゲットとなるユーザーに正しくメールを配信できることです。システムによって機能の充実度や料金形態が異なるため、一概に比較するのが難しいかもしれませんが、悩んだ際は基本である配信の処理能力に着目してみてください。

大量の宛先への配信が想定されるのであれば、なるべく短時間に送付できる件数の多いシステムを選ぶのがよいでしょう。逆に、配信数の上限がある程度わかっているのであれば、処理能力がそこまで高くなくとも料金の安いシステムにした方が、コストパフォーマンスに優れている場合もあります。

自社の必要とする効果測定が行えるか


開封率やクリック率の測定を備えたシステムは多いですが、どれほど細かなデータまで確認できるかはものによって異なります。

単純に配信した全体の件数のなかで開封された割合のみわかるより、開封された時間やユーザーの属性といったデータまで取得できたほうが、より細かな分析が可能です。メールマーケティングの精度をより高めていきたいのであれば、効果測定機能の充実したシステムを選ぶのがよいでしょう。

導入済みのシステムと連携できるか


CRMシステムなど、既存のシステムやデータベースをメール配信システムと連携させると、実施できるマーケティング施策の幅が大きく広がります。

たとえば、小売店舗が会員に対してメルマガを配信したい場合で考えてみましょう。メール配信システムに、既存の顧客データや店舗での販売データを紐づけると、会員の購入金額ランクに応じたクーポンの発行や、顧客の好みに応じた商品案内などもできるかもしれません。全会員に一律で同じ内容のメールを送るより、高い訴求効果を見込めます。

せっかく保有しているデータがあるなら、メール配信にもぜひ活かしたいところ。チャネルを横断したメールマーケティングの想定があるなら、連携機能は必須であるとも考えられます。

料金体系は適切か


はじめてメール配信システムを導入する際は、相場の目安もつけにくいと思います。少ない選択肢から選ぼうとするのではなく、広く相場を調べて、問い合わせ時には複数社から相見積もりをとるとよいでしょう。情報収集の手間はかかりますが、その後に続いてくるコストを考えれば踏んでおきたい工程です。

また、その際は提供されるサービス内容の違いにもよく目を向けるようにしてください。プロバイダによっては、単価をつりあげるためにあえて機能を充実させている場合があります。

あれもこれも、とできることの多いサービスは一見魅力的ですが、実は本当に必要な機能はほんの一握りだったりします。自社の要件を最低限満たせるのであれば、ミニマムでなるべく費用負担の少ないサービスを選ぶのがおすすめです。

料金と想定売上から費用対効果を確認


料金の観点からでいえば、想定売上と照らし合わせて費用対効果を確認しておくことも大切です。欲しいと思う機能であっても、実は売上にそれほど影響せず、かえってコストが高くつくことも考えられます。

また、配信する件数も多ければ多いほど、売上が高くなるとは限りません。配信数によって異なる料金プランを提示しているサービスもありますので、配信によって得られる効果をあらかじめ想定しておくと、ムダな出費を抑えられるでしょう。

サポート体制は充実しているか


過去、類似したシステムの導入経験がないのであれば、サポート体制の充実度も比較項目に入れておくとよいでしょう。

安価なサービスの場合、低コストをかなえるためにサポートサービスも最低限に絞られている可能性もあります。万が一のトラブルの際にも、すぐに相談できる窓口のあるほうが安心です。

また、システム面でのバックアップだけでなく、メール文章のライティング代行や校閲など、施策効果を高めるためのコンサルティングサービスを提供している企業もあります。

【比較】メール配信システム5選

実際のメール配信システムの中から、人気が高くおすすめのサービスを5つ選定しました。それぞれの特徴を記載していきます。

配配メール


https://www.hai2mail.jp/

配配メールは、メール配信に加えて効果測定機能を備えており、メールマーケティングの改善に活用できるサービスです。実際に配配メールを導入した企業においては、配信システムを利用してメール営業をはじめたところ1年でアポ数が4.5倍に、また作業時間の約70%削減につながったという実績も公開されています。

基本的なメール配信システムの機能を網羅しているほか、サポート体制がしっかりしている点も魅力のひとつ。営業・マーケティングに精通したカスタマーサクセスチームが、導入のレクチャーや運用改善の提案をしてくれます。また、ユーザー間のコミュニティも活発で、セミナーやワークショップ、交流会などのイベントが実施されているのも特徴です。

料金はサービス内容の充実度によって4つのプランにわかれており、月額1万円~導入できます。配信能力は、1時間あたり100万通です。

Will Mail


https://willcloud.jp/
導入のしやすさから初心者の方におすすめなのが、Will Mailです。マウス操作のみで感覚的にHTMLメールを作成できるエディター機能があり、配信結果データはグラフやヒートマップで表示されるため効果測定や比較分析もしやすくなっています。PC画面から、スマホ表示に完全対応したメールを作れるという点も安心です。

料金は、月毎で配信数に応じてプラン選択できるようになっています。最安プランで月額4,000円~、初期費用は無料で、コスト的にも初期ハードルの低いサービスです。

14日間の無料トライアルも提供されているので、「まずはメール配信システムがどのようなものか使用してみたい」という方は、手はじめにWill Mailを試してみるのもよいでしょう。

Cuenote FC


https://www.cuenote.jp/fc/
Cuenote FCは、短時間での大量配信を得意とするシステムです。1時間あたり1,000万通の配信能力を持っており、月間70億通という配信実績は、国内ではトップクラスの数値となっています。

配信実績が多いからこそ、これまでの配信履歴のデータも豊富で、迷惑メールやスパムメール判定を受けてエラーになるリスクを避けた到達率の高さという強みももっています。提供形態はクラウド型とオンプレミス型、どちらも選択が可能です。

クラウド型の契約では、配信リストのアドレス2,000件までは初期費用3万円、5,000件以上は5万円、無制限の場合20万円~となっています。月額費用は5,000円~で、アドレス数に応じて金額が異なります。オンプレミス型の料金プランは要問合せです。

Account Engagement (旧Pardot)


https://successjp.salesforce.com/accountengagement/beginner-guide
Account Engagementは、BtoB特化型のマーケティングオートメーションツールで、CRMプラットフォームの大手であるセールスフォースから提供されています。Sales Cloudを導入済みで、toBの顧客にメールアプローチをしたい企業におすすめです。

Account Engagementの特徴は、Sales Cloudとの一貫した施策管理により、営業活動との密な連携が可能になる点です。受注確度の高い見込み顧客をより分け、リードを育成するための分析機能が豊富に備わっており、営業チームの顧客へのアプローチや商談を効果的にバックアップします。

料金形態はGrowth・Plus・Advanced・Premiumの4つに分けられており、月額15万円~となっています。

ブラストメール


https://blastmail.jp/
ブラストメールは、18,000社以上の導入実績をもつサービスです。情報のセキュリティ管理に厳しい大手企業や官公庁にも広く利用されています。

サービスの特徴は、メール配信に必要最低限な機能に絞られている点です。メール配信をはじめて行う人でも簡単に扱えるよう、メール作成から配信の設定完了までマニュアルなしで操作可能につくられています。

シンプルに厳選された機能ながら、HTMメールの作成・差し込み文書への対応・ターゲット配信といった配信内容の最適化もでき、効果測定ツールも備わっています。さらに、API連携も無料で利用可能です。

料金プランは3種類で、最安のLightプランは初期費用1万円、月額3,000円~導入が可能です。ただし、備わっている機能が最低限であること、5万件以上の大規模配信には対応していません。送付アドレス数が5万件を超える場合は初期費用5万円、月額3万円~のProプランが用意されています。

まとめ

メール配信システムについて、導入のメリットや選定のポイントなどを紹介してきました。メール配信を効率化するためのサービスは多数あるので、いずれを選んでよいか迷ってしまうかもしれません。

自社がメール配信によって得たい効果は何で、そのためにはどのような機能が必要なのかを整理すれば、導入したいシステムの要件が明らかになってくるはずです。この記事を参考に、どんなシステムが自社に適しているか比較検討をしてみてください。


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