倉庫保管料の相場はどれくらい?坪やパレット単位の単価を紹介

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倉庫保管料の相場はどれくらい?坪やパレット単位の単価を紹介

倉庫保管サービスを利用して本格的なEC事業拡大を検討している企業であれば、倉庫保管料の相場について知っておいたほうがよいでしょう。

この記事では、倉庫保管料をテーマに、料金体系で使用される単位ごとの相場や、期間の区切りで倉庫保管料金の計算をする「三期制」について解説していきます。

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倉庫保管料とは

まずは、物流倉庫に委託する際に発生する費用項目の1つ、倉庫保管料について解説します。

物流コストが占める「保管料」の割合

物流業務で発生する費用全般を「物流コスト」といいますが、物流コストは大きく以下の3要素に分けられます。

  • 輸送料
  • 保管料
  • 作業料

保管料は預ける在庫量によって変動するため、委託する倉庫保管サービスによって価格差が発生しやすいのが特徴です。日本ロジスティクスシステム協会の「2020年度 物流コスト調査報告書【概要版】」によると保管料の割合は15.7%という結果で、物流コストの約16%程度を占めています。

保管料は物流倉庫との契約内容によって変動するため、最適化することでコスト削減が期待できる部分です。保管料をできるだけ抑えたいのであれば、保管料が物流コストのどの程度を占めているのか知っておくとよいでしょう。

倉庫保管料は値上げしている?

ロシアによるウクライナ侵攻や円安の加速による光熱費高騰の影響は、倉庫保管料にもおよんでいます。

とくに冷却のために電力を多く使用する冷蔵冷凍倉庫では、光熱費高騰の影響を直に受けており、倉庫業者全体の約7割が10%程度の値上げに踏み切っているとの情報もあります。

また、Amazonのフルフィルメントサービス「FBA」でも、2023年4月から在庫保管手数料が改定されており、小型・標準サイズの商品や長期の保管手数料が引き上げとなっています。

このように、倉庫保管料は昨今の社会情勢によって変動しやすいので、倉庫選びは慎重に進める必要があるでしょう。

出典:
電力料金、11月時点で40~50%の上昇|物流の専門紙 カーゴニュース
【重要】 2023年Amazon.co.jp販売手数料とFBA手数料の改定について|Amazon

倉庫保管料の算出に用いられる単位

預ける商品の量や大きさ、期間によって保管料は変動します。ここでは、保管料を算出する際に用いられる単位についてそれぞれ解説していきます。

個建て

個建てとは、預ける商品の1個あたりに単価が設定されるもので、実際に倉庫に預けた商品の数で保管料を計算します。同じサイズの商品を取り扱う場合に使用される単位です。

坪建て

坪建てとは、1坪あたりに単価が設定されており、使用する坪数で保管料を計算します。

商品のサイズが大きくても、あくまで坪数が基準となります。

パレット建て

パレットとは、フォークリフトなどを用いて、輸送や保管のために荷物を載せる台のこと。

パレット建ては、使用するパレット1台あたりに単位が設定されており、保管料を算出する仕組みです。

重量建て

重量建てとは、商品の大きさに関係なく重さで保管料を算出する方法です。液体や穀物など、サイズよりも重量が大きくなるケースによく用いられ、1トンや1キロといった単位で計算されます。

容積建て

容積建ては、一般的にコンテナを使用した際によく用いられる保管料の計算方法です。「縦×横×高さ」の容積で計算され、「m(メートル)」や「㎥=立米(りゅうべい)」の単位が多く使用されます。

倉庫保管料の相場

ここでは、倉庫保管料の相場をみていきます。

坪単価の相場

坪単価における倉庫保管料の一般的な相場は、4,000円〜7,000円/坪です。エリアによって土地代は変わり、大都市圏の沿岸部の相場はとくに高くなっています。

出典:物流倉庫の平均費用と料金相場|早見表つき【2024年最新版】|PRONIアイミツ

パレット保管料の相場

パレット保管料は一般的に以下の計算式で算出されます。

基本保管料× パレット数×保管期間

常温保管の商品であれば、1パレットあたりの保管料の相場は約3,000円です。低温や冷凍冷蔵保存が必要な場合は、保管料が倍近くになることもあります。

また、一般的に1パレットは0.5坪で計算されることが多いので、坪単価の相場で保管料を換算すると、2,000円~3,500円/パレットといえます。

冷凍倉庫の保管料の相場

冷凍倉庫の保管料の相場は、坪単価で4,000円〜7,000円です。

ただし、冷蔵・冷凍商品など商品の保管に「温度管理」が必要な場合は、別途光熱費として金額が上乗せされる傾向にあります。

危険物倉庫の保管料の相場

保管料だけの費用項目で考えれば、危険物倉庫における保管料の相場も一般的な倉庫の保管料と同様に、坪単価で4,000円〜7,000円です。

しかし、引火・爆発・毒物などの危険物を扱う倉庫では、商品の扱いに細心の注意をはらう必要があるため、デバンニング料が高くなる傾向にあります。また、危険物取扱主任者などの専門スタッフを倉庫に配置する必要があるため、その分の人件費がかかるということもあり、一般的な倉庫よりもかかるコストが大きくなるでしょう。

倉庫保管料の計算方法

倉庫保管料の計算方法は、保管料を算出する単位によって異なります。

単位 計算式
個建て 「荷物1個あたりの単価」×「預けた個数」
坪貸し(坪建て) 「坪単価」×「使用した坪数」
パレット建て 「パレット単価」×「使用したパレット数」
重量建て 1tまたは1kgあたりの金額をもとに荷物の総重量で算出
容積建て コンテナなどの容積(縦×横×高さ)で算出

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倉庫保管の三期制とは?

倉庫保管の「三期制(さんきせい)」とは、自社が扱う商品の発送業務を外部に委託した場合に発生する、保管料の料金形態を指します。具体的には、1ヶ月を「1日〜10日」「11日〜20日」「21日〜月末」の3つの期間に区切り、それぞれの期で保管料を計算する仕組みです。

保管料には倉庫を利用する際の1tまたは1kgあたりのテナント料や在庫管理費用、入出庫料などが含まれ、倉庫の保管料の算出方法には、「個建て料金方式」と「坪貸し方式」の2種類があり、三期制とは「個建て料金方式」に用いられる算出方法です。

個建ての料金方式は以下の通り。

1期の保管料=「保管積数」×「 保管料単価」

具体的な三期制の計算方法については、後ほど詳しく解説します。

一期制・二期制との違い

「三期制」以外にも、1ヶ月を「1日〜15日」「16日〜末日」の2つに区切る料金形態で、主に冷蔵倉庫で用いられている「二期制」や、1ヶ月を細分化せず、月ごとに保管料を算出する「一期制」という算出方法が存在します。

これらも個建て料金方式による算出方法の1つです。多くの倉庫では、三期制または一期制の計算方法が用いられています。

三期制の計算方法

続いて、個建てにおける三期制の保管料の算出方法について解説します。

三期制の計算方式は以下の通りです。

1期の保管料=「保管積数(前期末の在庫数 + 今期の入庫数)」×「 保管料単価」

三期制では、日割り計算で保管料を算出することができないため、預けるタイミングに関わらず、1期分の保管料が全額発生します。無駄なコストをかけないために、保管のタイミングを確認しておきましょう。

それでは、具体的な計算例を交えてみていきます。

<保管内容>

1期ごとの保管単価が100円の場合

  • 1期の繰越在庫数は10、出庫数は5
  • 2期の入庫数は15
  • 3期の入庫数は20、出庫数は30

<保管料の計算式>

  • 1期:10×100 = 1,000円
  • 2期:20×100 = 2,000円
  • 3期:40×100 = 4,000円

保管料は、3期目の入庫前に出庫があった場合、倉庫に同時に存在する在庫数は最大20個となりますが、計算式では40として計算します。

三期制のメリット・デメリット

二期制や一期制という保管料の計算方法もある中、多くの倉庫で「三期制」が導入されるのはどうしてなのでしょう。続いて、三期制のメリット・デメリットについて解説していきます。

メリット

三期制のメリットは、変動する在庫量に応じて保管料を支払える点です。多くの場合、時期によって在庫の動きが異なるため、在庫が動いた分だけ料金が発生する「変動費」とすることができます。「坪建て」のように保管料が固定されていないため、在庫の入出庫が少ない期間は、保管料を抑えることが可能です。

デメリット

デメリットは、どのタイミングで入庫しても1期分の請求額になる点です。

例えば、1月9日に入庫を開始しても、1期分(1日~10日)の料金を支払わなくてはなりませんし、コスト削減のため、入庫を2期にずらせば、出庫が遅れることになります。

EC事業では、商品をいかに早くユーザーに届けるかが重要なので、配送に時間がかかれば機会損失も考えられます。

また、入出庫の頻度によって保管料が算出されるため、在庫が動く頻度が高ければ割高になってしまうケースもあります。

入出庫の頻度が高い場合は、入庫数や在庫数の影響を受けない「坪数×坪単価」の利用方法を検討してみることがおすすめです。

失敗しない物流倉庫選びのポイント

保管料をはじめ、無駄な物流コストをかけないためにも、物流会社の選定はとても重要です。

続いて、自社に合った物流会社を選ぶ際のポイントについて解説します。

保管料だけで選ばない

保管料の安さだけを基準に物流倉庫を選ぶのはリスクが高いといえます。

EC事業として保管を委託する場合は、単に「保管」だけでなく入荷や入庫、棚入れのような業務が含まれているからです。

  • 検品
  • セット組
  • ピッキング
  • 流通加工
  • 梱包
  • 棚卸

上記のように、さまざまな業務が必要となるため、物流コストのトータルバランスを考えたうえで、委託先を検討することがポイントです。

スピーディに受発注が行えるか

先述したように、EC事業は素早い対応と正確性が業務に必要不可欠です。そのため、入庫から出庫までの作業スピードが速く、ミスが少ない物流会社として定評のある事業者を選びましょう。

周囲の評判だけでなく実際に作業工程を見学し、預けたい商品と似た荷物を扱っているかを確認しておくと安心です。

在庫量の変動に対応できるか

在庫の動きによって柔軟に対応できる物流倉庫を選定することがポイントです。

在庫の増減に対応できない物流倉庫であれば、今後自社で取り扱う商品を拡大する際に、新たな保管倉庫を探さなくてはならない手間が増えます。

反対に閑散期に固定費として保管料を支払っていた場合でも、準固定費として対応させることも可能なので、在庫の変動に応じて柔軟に対応してくれる物流倉庫を選びましょう。

自社の希望にあった物流倉庫探しは「ECのミカタ」◎

物流コストを見直す際に、倉庫保管料に目を向けることは大切です。とはいえ、物流倉庫選びで確認すべきポイントはほかにもさまざまあり、扱う商材や量によっても自社に合う倉庫は異なるでしょう。

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