eBayが「越境EC実態調査」を実施、セラーが課題に感じているポイントは?

ECのミカタ編集部

イーベイ・ジャパン株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長:岡田雅之、以下イーベイ・ジャパン)は、eBayを通じ越境ECビジネスを展開している日本セラー(販売者)を対象に、越境ECに関する実態調査を実施し、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

▶調査期間:2022年11月16日~11月30日

▶調査対象:871名(イーベイ・ジャパンの越境EC支援サービスを利用している法人、個人事業主、個人)

▶調査方法:インターネット調査

セラー歴1年未満の約8割が副業または兼業

セラー歴1年未満の約8割が副業または兼業

eBayセラーとしての業務形態は、全体では「個人事業主:兼業」(25.9%)が最も高く、「個人:副業(他に本業あり)」(22.3%)、「個人事業主:本業」(22.2%)と続いた。セラー歴別で見ると、「1年未満」のセラーは約8割が副業・兼業でビジネスを展開しているのに対し、「10年以上」のベテランセラーでは法人化や本業の割合が増え、個人で副業(兼業)としてeBayを始めた人が経験を積むに従って、個人事業主~法人化と業態を変化させている傾向にあった。

また、英語力についての質問に対しては、全体の63.4%が「基礎英語レベル」またはそれ以下で、翻訳ツールなどを活用していると回答。「日常会話レベル」が21.9%で続いた。

さらに、やりがいや喜びを感じる時は「購入者に喜んでもらえた時」(77.3%)、「売り上げが伸びた時」(72.4%)、「海外の方とのコミュニケーションがうまくいった時」(55.1%)が上位となった。上位から読み取れるキーワードは売上だけでなく、バイヤー(購買者)とのコミュニケーションや、セラー自身の戦略や工夫がうまく販売につながった際に喜びを感じる傾向にあるようだ。

円安の影響、全体の6割以上が「良い」

円安の影響、全体の6割以上が「良い」

円安の影響に関する質問では、「良かったと感じる」が44.7%、「やや良かったと感じる」が21.6%と、全体の約65%が円安をポジティブに捉えており、自由回答でも「輸出ビジネスを盛り上げていく中で大きな追い風であると感じている」「ドル高で売り上げが上がって良かった!」というような意見が見られた。

ネガティブ寄りに捉えるセラーは全体では5%未満と少数だが、セラー歴が長いほど冷静に見ているのか10年以上の9%が「あまり良くなかった」「良くなかった」と感じており、「他のセラーも条件は同じなので特に良いとは思いません。また、大きく円高に戻ることもあるので現在のレートで計算していると大きな赤字になる可能性もある」という意見もあった。

今後の課題に感じているポイントは?

今後の課題に感じているポイントは?

「越境ECビジネス課題」の質問に対しては、全体では「国際送料」(56.3%)が最も高い結果となり、コロナ禍でクーリエ(国際宅配便)が発送手段のメインになったことや、円安の影響で送料も上がったことが影響しているようだ。以降は「出品商材のリサーチ方法」(50.5%)、「販売にかかる手数料」(41.8%)と続いた。

また、同質問もセラー歴別で見ると、1~2年程度では「出品商材のリサーチ方法」(61.9%)、10年以上では「発送手段」(43.3%)が他に比べ著しく高い結果となり、セラー歴に応じて課題も変化することが分かった。

サマリー

調査の結果、この1年内にeBay越境ECを始めたセラーの8割以上が副業または兼業で越境ECビジネスを展開しており、円安の影響は全体の6割以上がポジティブに感じていた。また今感じている課題の上位は「国際送料」「商材のリサーチ方法」「手数料」となった。

eBayを手軽な副業から始めて、翻訳ツールなどを活用し、バイヤーとのコミュニケーションを楽しみながらビジネスを拡大しており、将来的にはオーナーとして自立していくというセラー像も見てとれる結果となったようだ。また、新型コロナウイルスの影響や為替変動など予測できない状況にも、セラー歴に応じて臨機応変に対応している様子も浮き彫りとなったと言えそうだ。

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