futureshop、ライブコマース機能「Live cottage」を全てのEC事業者に提供開始

ECのミカタ編集部

株式会社フューチャーショップ(本社:大阪市北区、代表取締役:星野裕子、以下「フューチャーショップ」または「同社」)は、自社ECサイト内ライブコマース機能「Live cottage」の提供対象を、すべてのEC事業者に拡大することを公表した。

単独のライブコマースサービスとして販売

EC黎明期の2003年から20年、SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」を提供し続けてきたフューチャーショップ社は、これまで「futureshop」利用ユーザーのみに提供してきた自社ECサイト内ライブコマース機能「Live cottage(ライブコテージ)」の提供対象について、すべてのEC事業者に拡大することを公表した。

これにより「Live cottage」は、futureshopシリーズのオプションサービスとしてではなく、単独のライブコマースサービスとして販売されることになる。5月30日(火)から問い合わせ窓口を設け、サービス説明を開始し、サービス提供開始は6月下旬〜7月初旬を予定するとのことだ。同社は今回の施策について「日本の中小企業によるライブコマース活用を促進し、ライブコマース市場を活性化させていくことを意図した取り組み」だとしている。

同社は、サービス名「Live cottage(ライブコテージ)」に込めた想いとして次のように述べている。ライブ配信という「同じ時を過ごす体験」を通じて、既存顧客、特に「常連・ファン層」とのエンゲージメントを高めていき、長期的な関係性を醸成していくことが、中小EC事業者にとってのライブコマースの役割だと考えたとのことだ。

あたかもコテージのような小さな空間に顧客を招き、同じものが好きな人と同じ時間を共有しているような心地の良い体験、「心がつながる体験」が生まれることを願って、「Live cottage(ライブコテージ)」と名付けたとしている。

中小EC事業者にとっての使いやすさを追及

中小EC事業者にとっての使いやすさを追及

現在、同様の自社ライブコマースソリューションを提供しているサービスの料金体系は、月額数万円〜10万円以上の価格帯に加え、配信量に応じた従量課金体系や売上手数料が発生する料金体系で提供されている。「Live cottage」は、月額3万円台で無料配信枠が毎月付与され、売上手数料も発生しないため、低価格のランニングコストで自社ライブに取り組むことができるとしている。

また同サービスの「ライブコマース分析機能」では、定量データだけではなく、SNSライブのアーカイブ動画では消えてしまうライブ中の「視聴者コメント」も、「Live cottage」では後から振り返ることができるようになっており、定性データでライブを振り返ることも可能とのことだ。

定量データ・定性データの両方から、「どういったトークスクリプトであれば視聴者が興味を持ち続け、どのタイミングで興味を失い、退室してしまうのか?」という分析を重ねることができ、そこで蓄積されたライブ配信のノウハウ、ひいては商品・ブランドの見せ方のノウハウについて、事業者の資産にできるとしている。

さらに「Live cottage」では、ライブ視聴画面に商品サムネイルが表示され、タップすればそのまま商品の詳細を確認することができるという。購入したいと思った瞬間を逃さず、そのまま購入画面へ導く仕様となっている。

コミュニティの醸成と将来を見据えた取り組み

コミュニティの醸成と将来を見据えた取り組み

フューチャーショップ社の代表取締役、星野裕子氏のコメント

「コロナ禍になり実店舗での営業ができなくなった事業者が、Instagramでのライブ配信に挑戦されるのを拝見する機会がありました。実際にライブが始まると、出演者の方とお客様の間でのコミュニケーションだけでなく、お客様同士での交流も盛んに発生し、これはライブ配信でしか実現できないコミュニケーションであることを感じさせられる出来事でした。

今後のEC事業者様にとって『コミュニティ』の醸成が、より重要になると考えている中で、ライブ配信は欠かせないコミュニケーション手段になると確信し、ライブコマース機能『Live cottage』をリリースするに至りました。そして、この度、futureshopユーザー様だけでなく、すべてのEC事業者様へ提供させていただく運びとなりました。

これから先、ライブコマースの活用が浸透していくと予測されている状況で、早めにそのスキルを磨いておくことは、EC事業者の成長に必ずつながってくるものと考えています。『Live cottage』を通じて、感情を軸としたファン同士がつながりあえるコミュニティを醸成し、ブランドの将来を見据えてお客様との良好な関係を築いていただければと考えています」

コロナ禍で改めて注目が集まったライブコマース。日本のライブコマース市場が拡大していくとの予測も多く、大手事業者でのライブコマース活用事例が目を引く。注目を集める傾向にあるのは、インフルエンサーの起用や大幅な値下げ・割引クーポンの活用等で、短時間に大きな売上を上げたケースだろう。

しかし、インフルエンサー起用のコストや業務的負荷などを考えると、中小EC事業者にとってけしてハードルが低いとは言えなかった。そこでフューチャーショップは、中小EC事業者が事業規模に見合ったコスト感で始められ、現在の業務に沿う形での利用ができる自社ECライブ配信サービス「Live cottage」を、SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のオプション機能として2022年9月にリリースした。

そして今回、利用店舗のライブをサポートする中で、「中小EC事業者にこそライブコマースが必要」との確信から、提供対象をすべてのEC事業者に拡大し、futureshopから独立した単独のサービスとして販売することになったのだ。

インタラクティブな販売手法であり、視聴者とのロイヤリティ醸成や、SNSを通した情報の2次拡散・3次拡散も見込めるライブコマース。同社の取り組みによって、これまでコストや業務的負荷の面で導入に踏み切れなかった中小EC事業者にも、広くライブコマースの活用機会が提供されることになりそうだ。


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