スパンションとDNPがビーコンの実証実験を開始
ビーコンを活用し渡航情報やフロアガイドを配信
Spansion(スパンション)と大日本印刷株式会社(DNP)は、スパンションのエネルギーハーベスティング向け電源ICを搭載したBluetooth対応の専用ビーコンを使って、屋内位置情報サービスおよびO2Oサービスの実証実験を開始すると発表した。
DNPは、スパンションのICを搭載した電池レス専用ビーコン端末を設置し、専用アプリ利用者に渡航情報や搭乗口、搭乗開始時刻などを配信するサービスを各地空港の出発ロビー付近で行っている。これは、DNPと日本空港が進める「iBeaconプロジェクト」によるものだ。
「iBeacon」は、2013年にAppleが発表した近距離無線規格のBluetooth LEを利用した、データ交信を行うiOS7に搭載されている通信機能。数cm〜10m程度の範囲で位置情報を取得可能なため、店舗や施設内での利用が想定され、新サービスの実証実験が国内外で盛んに行われている
同専用ビーコン端末は、筐体表面の小型太陽電池によりバッテリーレスで動作可能。イオンレイクタウンでは、駐車場から施設入り口付近に端末を設置し、スマートフォン向け専用アプリに施設のデジタルフロアガイドを配信する実証実験を行う予定だ。
iBeacon利用のASPサービスを積極展開
DNPはiBeaconを利用したASPサービスを積極的に展開しており、3月にはスタンプラリーサービス「Sitekicker+ for スタンプラリー」を開発。ショッピングモールや美術館、テーマパークなどでスタンプラリーを実施する事業者向けにサービスを提供し2017年までに3億円の売上を目指すとしていた。
iBeaconを利用するためには、専用アプリがないと利用できない、BluetoothをONにする必要がある、iOS7、Android4.3以降のOSでないと使用ができない。という制約はあるものの対象スマートフォンユーザーに対し、GPSのより詳細な位置情報と連動したプッシュ通知機能、GPSの効かない屋内での利用に強い点などが強力なメリットとしてO2Oの切り札と呼ばれている。
オムニチャネル元年と呼ばれた2014年、異なる業種による提携や実店舗がメインであった事業者のEC化、EC業者の実店舗化と、様々なオムチャネル施策が生まれている。iOSも8に更新され、今回のような実証実験によりiBeaconを利用できるインフラが整いつつある。2015年には街中や店先で、スマホからの通知に足を止める消費者の姿を見かけることがあるかもしれない。
-山本一雄-