愛知県豊田市に三河ゲートウェイ着工 ヤマトHD

沖縄、関東に続き、中部圏を担うスーパーハブ


ヤマトホールディングスは11月19日、愛知県豊田市に中部圏最大規模となる総合物流ターミナル「三河ゲートウェイ」(三河GW)を建設すると発表した。稼働は2016年10月からの予定。

主要都市圏(関東、中部、関西)の玄関口にスーパーハブとなる大規模物流ターミナルを建設し「多頻度幹線輸送」と「24時間発着同時仕分け」による、高まる即日配送ニーズへの対応と企業間物流事業の強化を実現する。

同社はヤマト3度目のイノベーションとして、スーパーハブを中核としたB2B、B2C物流事業の改革と強化に取り組んでおり、これまでに沖縄国際物流ハブ、羽田クロスゲート、厚木ゲートウェイを建設、稼働開始してきた。三河GWは中部圏の物流を担う重要なスーパーハブとなり、2017年には関西拠点を稼働開始予定だ。

三河GWが建設される愛知県豊田市は、国内有数の産業集積地域であり、伊勢湾岸自動車道のICや名古屋港、中部国際空港セントレアと、陸海空の輸送に対応可能なインフラが整備された良好な立地条件。
スーパーハブ内には、異なる荷物を集約して同梱するクロスマージと呼ばれる機能や、機器修理やメンテナンス、ローカライズ、スピード通税、オンデマンドプリント、セレクティブ封入など、グループ企業が24時間365日稼働し、機能を集約することで、ワンストップで様々なサービスを提供可能な環境な状態にしている。こうして、スーパーハブ間の荷物を集約し輸送効率を高め、仕分け作業の機械化による省力化、省人化を実現。荷物到着と同時に仕分けを行い、即時に各地ベースへ送り出す「止めない物流」を実現していく。

物流改革で様々なニーズに対応


ECは今後も伸び続け、様々な企業のEC参入も考えられる。そうなった場合、今まで以上に即日配送や、店頭受け取りなど、様々な配達方法や新サービスが要求されていくだろう。同社の掲げる、物流を「バリュー(付加価値)を生み出す手段」に進化させ、顧客の業種・事業規模を問わない「物流の改革」を実現する「バリュー・ネットワーキング」構想は、そうした未来をも視野に入れての物流網強化なのだろう。また、同社の機械を活用した省人化、効率化の技術やノウハウは、人口減少していく日本最大の武器となるに違いない。

今後更に発展する通販やECの配送を支える同社を始めとする配送業者の挑戦はこれからも続いていく。三河GWの稼働、2017年に稼働予定の関西GW、これにより首都圏〜関西の配送効率が向上することは間違いない。
昨年末から宅配業界全体で行われた配送料の値上げに戸惑ったEC業者の方も多いかもしれないが、このような発送レスポンスや配送効率の向上という恩恵を受けられるインフラが整い始めていることをポジティブに捉えたい。




−山本一雄−