後払い決済も越境! 年間で20%以上需要増 マレーシアとシンガポールで後払い決済サービス「Atome」提供開始
OPN Holdings株式会社(以下:Opn)は、後払い決済(以下:BNPL)需要の高まりに応えるため、オンライン決済プラットフォーム「Opn Payments」加盟店に対し、マレーシアとシンガポールで後払い決済サービス「Atome(アトミ)」の提供を開始した。
BNPLによる顧客層と客単価の拡大を期待
OpnによるAtomeの提供は、エンドユーザーにもEC事業者にもよりよい効果がありそうだ。まず消費者は手数料無料かつ無金利で支払い期限を3カ月とする、3回の分割払いが利用可能となる。
またResearchAndMarkets.comによると、BNPL市場の最大年間成長率はマレーシアにおいて23.6%、シンガポールは20.6%で拡大すると予測されている。こうした状況を受け、Opn担当者は「利便性の高いBNPLに対する消費者の需要は高まっており、BNPLを導入することで小売業者は、よりよい購買体験を実現し、顧客層と客単価の拡大につなげることができます」と、BNPL導入による効果に自信を見せる。
複数国の決済を一元管理可能に
また同社では日本国内とは異なり東南アジアでは人口が増加している点にも注目している。タイを除いた東南アジア各国で、2050年までの人口増加が予想されており、それに伴い小売市場の拡大が期待されている。
一方で、「東南アジアにおいては、タイ、シンガポール、マレーシアで決済プラットフォーム『Opn Payments』を展開しています。それぞれの国において法規制、決済手段、通貨などが異なるため、各市場に合わせた対応と統合が必要となります」(Opn担当者)とローカライズへの課題も認識しているという。
とはいえ、Opnの顧客はOpn Paymentsのダッシュボードを利用することで、複数国の決済を一元管理することが可能だ。よって東南アジア全体の成長率に応じた市場拡大、売上伸長が実現すると考えられるわけだ。
100万人を超えるユーザー層を取り込む
Atomeの導入によって、Opn Payments加盟店は、マレーシアとシンガポール合わせて100万人を超えるAtomeユーザー層を取り込むことが可能になる。さらに、BNPLにより消費者は高額商品を購入しやすくなり、購入率と客単価の向上も狙える。
今後の展望については「Atomeとのパートナーシップに関しては、シンガポールとマレーシアの顧客小売店におけるAtome導入の拡大に注力しております」(Opn担当者)といい、さらなる伸長を見込んでいるようだ。
RBCキャピタルマーケッツの調査では、BNPLはECサイトの購入率を20〜30%、平均客単価を30〜50%引き上げることが可能という結果が出ている。
高い成長率が期待できるマレーシア、シンガポールでの「Atome」の提供は越境EC事業者にとって大きなメリットになる。さらに、活性化するBNPLサービスとの相乗効果でどこまで伸びるかも注目したいところだ。