そごう・西武が「BOPIS」サービスを導入 百貨店の利用が少ない年代、電話対応できない顧客の利用に繋げる
株式会社そごう・西武(以下:そごう・西武)は、クリスマスの生ケーキやおせちをネットで注文し店頭で受け取れる、「BOPIS」サービスを西武池袋本店とそごう千葉店で導入することを公表した。
オンラインとオフラインを融合させる
「BOPIS」サービスの取り組みを通じて、そごう・西武ではオンラインとオフラインを融合させるOMOの取り組みを推進する。
サービスの実施概要については、以下の通りとなる。
◆実施期間
▷おせち:2023年10月5日(木)午前10時~12月5日(火)午後11時59分
▷クリスマスケーキ:2023年10月5日(木)午前10時~12月11日(月)午後11時59分
◆引き渡し日
▷おせち:2023年12月31日(日)
▷クリスマスケーキ:2023年12月23日(土)~25日(月)
◆対象店舗:西武池袋本店、そごう千葉店
◆対象商品:クリスマスケーキ、おせちの予約
約300時間の電話予約対応を大幅削減
2022年には西武池袋本店にて、クリスマスケーキを対象とした「BOPIS」サービスの実証実験が行われている。その結果、約300時間にものぼる電話での予約業務を、「BOPIS」サービスによって大幅に削減することに繋がったという。
「BOPIS」サービス実証実験の詳細については、以下のグラフの通りとなっている。
◆注文時間帯シェア
◆利用者年代シェア
見込み顧客の獲得に繋がるか
そごう・西武は、これまでの予約受付体制の課題について、以下のようにコメントしている。
「従来クリスマスケーキやおせちのご予約は営業時間中に店頭までお越しいただくか、電話での対応だったため、仕事などで営業時間中にお越しいただけないお客さまや、ECを利用することが当たり前になっている若年層のお客さまにご不便をおかけしている状態でした」。
2022年の「BOPIS」サービス実証実験においては、利用者の65%が営業時間外の注文であった。この結果は、これまで電話での対応が難しかった見込み顧客の獲得に繋がったことが伺えるだろう。また、利用者年代にも20〜30代が約60%を占めるなど、百貨店の利用機会が少ない層にもアプローチできている。
そごう・西武は今後、「BOPIS」サービスの展開店舗を順次拡大させるとしている。また、対応可能商品も恵方巻や土用丑の日などの季節商品だけではなく、定番の人気弁当、さらには食品以外の領域にも広げていく予定だ。従業員の業務削減、顧客の利便性向上にも繋がる「BOPIS」サービスの動向に注目したい。