ANAホールディングスがラストワンマイル物流検証 レベル4によるドローン配送サービスの実証実験実施

ECのミカタ編集部

ANAホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:芝田浩二、以下「ANA HD」)が2023年11月6日より、有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行(レベル4)によるドローン配送サービスの実証実験を沖縄県久米島町で実施する。この実証実験は国土交通省物流・自動車局物流政策課の「無人航空機等を活用したラストワンマイル配送実証事業」に採択され、国の実証事業としても取り組むもの。

ANA HDがラストワンマイル物流にドローンで取り組む

ANA HDが有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行(レベル4)によるドローン配送サービスの実証実験を開始する。

同社は2018年よりドローン配送サービスの検討を開始し、これまで14回の無人地帯での目視外補助者なし飛行(レベル3)の実証実験を実施してきた。

2022年12月には航空法が改正されレベル4が解禁。ただレベル4の実施には無人航空機の型式認証、操縦士ライセンス、運航管理のルールが必要となる。そこで本実証では、国土交通省航空局から「第一種型式認証」を取得した株式会社ACSL(以下「ACSL」)の無人航空機「ACSL式PF2-CAT3型」、国家資格の「一等無人航空機操縦士」資格を保有したANA HDの操縦士、安全管理・運航管理・整備部門など航空会社として培ってきた知見を活かした飛行マニュアルを揃え、レベル4の飛行承認を取得(※1)することで、実証実験を実施する運びとなった。

なお、自社の操縦士によるレベル4運航は国内初となるという。

※1:ANAHDは、「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅢ飛行)」に基づき、ドローンを目視外飛行させる承認を得ている。日本国内においては、2事例目となる。(国空無機第157229号)

人員は3人から1人に削減可能に

これまでのレベル3では運航に少なくとも3人以上の人員を要していた体制が、レベル4により理論上は運航者1人での実施が可能となったが、この実証実験によりドローン配送の課題の1つである運航の省人化にむけた検証を行うという。
なお今回の経路は、久米島町のAコープ久米島店から久米島町真謝地区で設定し、地域ボランティアとの連携を通じ、食料品・日用品を注文者の自宅まで配送するラストワンマイル物流の実施も含めて、技術・ビジネス面における有用性の検証を行う。

実証実験概要

1)目的:レベル4によるドローン配送サービスを行い、飛行の最適化や人件費の削減など技術面・ビジネス面における有用性の検証を行う。
2)内容:久米島町内のスーパーから久米島町真謝地区の住民への食品配送サービスを提供する。
3)期間:2023年11月6日(月)~11月9日(木) 9:00~18:00(日没まで)
※天候事由により延期する可能性もある。
4)飛行区間:沖縄県久米島町Aコープ久米島店~旧仲里間切蔵元跡(真謝地区)
5)配送物:スーパーマーケットAコープ久米島店で取り扱う食品の一部
6)使用機材諸元:
ACSL式 PF2-CAT3型
・大きさ:全長:1067.8mm、全幅:1174mm、全高:600.9mm
・最大離陸重量:9.8kg
・搭載可能重量:1.0kg
・運用最大飛行速度:10m/s
7)配送対象者:主に真謝地区に住む住民
8)飛行ルート:下図の通り(約2.3km)


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