2023年カスタマーセンターサポート満足度調査℠<EC・通販業界編>が発表 多くの企業が「よくある質問ページ」の整備に注力する

ECのミカタ編集部

J.D. パワー 2023年カスタマーセンターサポート満足度調査℠<EC・通販業界編>

株式会社J.D. パワー ジャパン(以下:J.D.パワー)は、J.D.パワー2023年カスタマーセンターサポート満足度調査℠<EC・通販業界編>の結果を発表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

本調査はEC・通販業界におけるカスタマーセンターサポートの利用者満足度を調べるもので、今回で2回目の実施となる。

「総合ECサイト」、「テレビ通販」、「カタログ通販」の3業態を対象に、「コールセンター」、「オペレーターによるチャットサポート(有人チャット)」、「自動応答によるチャットサポート(AIチャットボット)」、「メール問い合わせ/問い合わせフォーム」、「FAQ(よくある質問)ページ」の満足度について聴取している。

◆調査概要

▷実施期間:2023年8月上旬~中旬
▷調査方法:インターネット調査
▷調査対象:EC・通販サービスにおいてカスタマーセンターサポートを利用した人(20歳~74歳)
▷調査回答者数:4950人
(総合ECサイト部門:2300人、テレビ通販部門:1050人、カタログ通販部門:1600人)

「FAQ(よくある質問)ページ」スコアが大幅に向上

本年のEC・通販業界全体の総合満足度スコアは699ポイント(1000ポイント満点)となり、前回調査(2022年10月発表)から+10ポイントの向上となった。

サポート機能別では、「FAQ(よくある質問)ページ」は前回と同様に最も満足度は低いものの、前回比+20ポイントと向上幅が最も大きい結果に。「FAQ(よくある質問)ページ」の満足度を部門別に見ると、総合ECサイト部門で+27ポイント、カタログ通販部門で+21ポイントの改善が見られた。

「用件の解決状況」については、用件が完全に解決したと回答した人は全体の68%で、完全には解決しなかったと回答した人は32%という結果に。用件が完全に解決した場合(757ポイント)と完全には解決しなかった場合(577ポイント)では、満足度に180ポイントの大きな差が見られた。

また、「用件解決にかかった労力(負担感の程度)」については、負担感が高くなるほど満足度が低くなることが確認された。

ヨドバシ・ドット・コムが総合ECサイト部門第1位

J.D.パワー2023年カスタマーセンターサポート満足度<総合ECサイト部門>(対象8ブランド)では、第1位にヨドバシ・ドット・コムがランクイン。

2年連続の総合満足度第1位となり、「利用のしやすさ」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「説明の丁寧さ/応対の丁寧さ」、「問題の解決や対応に要した時間」の全4ファクターで最高評価を得た。

以降はdショッピング(704ポイント)、Amazon(689ポイント)が続き、いずれも部門平均を超えるポイントを獲得している。

また、<テレビ通販部門>ではQVCジャパンが第1位、<カタログ通販部門>ではベルメゾンが第1位にランクイン。

いずれも、「利用のしやすさ」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「説明の丁寧さ/応対の丁寧さ」、「問題の解決や対応に要した時間」において最高評価を獲得している。

サポート体制の充実が満足度に影響する

今回の調査では、昨今のAI技術の発達により、オペレーター対応を必要としない自己解決型チャネルの利用促進が図られる中、多くの企業が「FAQ(よくある質問)ページ」を重視し、機能整備に取り組んでいる傾向が見受けられた。

総合ECサイト部門の調査対象となった全8社中7社、カタログ通販部門の全7社中5社で「FAQ(よくある質問)ページ」の満足度が20ポイント以上改善していることからも、多くの企業がFAQの改善に注力している様子が伺えるだろう。

カスタマーセンターサポート利用者の満足度向上には、用件解決率の引き上げが重要であることに疑問の余地はない。そのため、より手軽ななサポート機能利用体験を提供できる体制や仕組みづくりによって、更なる満足度の向上が実現するはずだ。店舗販売と異なり対面での販売でないからこそ、顧客に対するサポートは徹底する必要がある。今後も満足度の向上が期待される、カスタマーセンターサポート体制の変化に注目したい。


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