クリスマス・年末年始は偽サイトやなりすましアカウントが登場!? ECでのサイバー犯罪とは…ノートンが調査公開
EC事業者にとってかき入れ時でもあるブラックフライデー、W11、クリスマス、年末年始。取引高が上がるということは、実はそれだけ「サイバー犯罪」が増える可能性も上がるということでもある。消費者向けセキュリティブランド「ノートン」は、冬休みシーズンに増える可能性があるオンライン詐欺について、「冬休みシーズンのオンラインショッピングに関する意識調査」を実施。その結果と対策方法を公表した。
年末年始、買い物予定がある日本の成人の98%はオンライン利用を計画
ノートンの調査によれば、2023年の冬休みシーズンに買い物をする予定がある人(日本の成人)の大多数(98%)が、オンラインでも買い物をすると想定。その約半数(45%)はオンラインショッピングで済ませると回答したという。さらに23%が「ソーシャルメディア上のオンライン広告をクリックして購入した経験がある」と回答した。
また約70%は年末年始の買い物でコスト削減を試みていると回答し、3人に1人(34%)は、ブラックフライデーとサイバーマンデーに買い物の大半を済ませ、お得な買い物をするためにリサーチに時間を費やすとしている。一方で、冬休みシーズンに詐欺被害にあった被害者の平均被害額は、約20万円以上にも上ることがわかったという。
オンラインでの買い物を控えめにする派の52%は物価高騰の影響
冬休みシーズン中の消費者の買い物傾向を調査した結果、今年はオンラインショッピングを控えると回答した人のうち、44%の消費者は物価高で家電製品も価格が高くなり購入を控えている、52%は物価高騰により生活費に予算を充てるため控えると回答。
79%が個人情報の漏洩を懸念しつつ「対処法がわからない」人も
冬休みシーズンの一人あたりの平均購入金額は、35000円近くになることも明らかに。全体の13%は今年の冬休みシーズンにChatGPTの様なAIを使って買い物をするという結果も出たという。
一方で日本の消費者の67%はサイバー犯罪被害、79%が「個人情報(住所、クレジットカード情報、Eメールなど)の漏洩」の被害に遭うことを懸念しています。消費者の60%が「親戚などの高齢者をターゲットにしたセール情報を提供する不審なEメールやテキスト詐欺」、57%が「第三者による詐欺」、50%が「AIショッピング詐欺」と答えています。さらに全体の62%が、冬休みシーズンにサイバー犯罪から身を守る方法をあらかじめ知っておきたかったと回答。加えて全体の46%は、実際にサイバー犯罪にあった際「どうしたらいいかわからない」と回答している。
冬休みシーズンに起こりうるサイバー犯罪とその対策とは?
■偽のセールサイトや出品情報に注意
ノートンによれば、クリスマス・年末年始はセールに乗じた偽サイトも登場する可能性がある。相場よりも価格が安すぎる場合や前払い限定など支払い方法が限定的な場合は、特に注意が必要。近年は、偽サイトがデジタル広告(リスティング広告)を出稿し、ネットの検索結果で正規のサイトよりも上に表示されるケースもある。消費者はネット検索で上位に出てきたからと安心せず、冷静に見極めてから個人情報の入力、商品の購入をするようにしなければならないし、事業者はこうした状況に注意喚起を促す必要があるだろう。
近年では人気の福袋がオンライン上で転売されることがあるが、詐欺サイトや詐欺の出品者の可能性もある。消費者は購入前に、詐欺の情報がないかネットで検索をしたり、怪しい点がないか、販売元の情報や評価を確認する必要がある。
ノートンが勧める対策
・サイトのURL・会社情報などに不審な点がないことや、「https」で始まる安全なサイトであることを常に確認し、セキュリティ性を確認すること。
・サイト名やURLをネットやSNSで検索し、詐欺情報がないか確認すること。
・一般の人が出品をするプラットフォームの場合は、出品者の評価を確認すること。
・怪しい販売サイトで絶対に購入しないこと。さらにサイトや店の詳細、評価やレビューを必ず確認すること。また、5つ星のレビューが多すぎる場合は、偽造された評価の可能性もあるため疑うこと。
・公共のWi-Fiでショッピングやアプリを利用する際は、VPN(Virtual Private Network)を利用し、個人情報の保護をすること。
■偽のお年玉キャンペーンに注意
クリスマス・年末年始は、SNSなどで企業や著名人がお年玉キャンペーンなどのプレゼント企画を実施する。こうしたプレゼントキャンペーンに乗じたなりすましアカウントが頻繁に登場するという。アカウントを吟味せずに投稿文だけを見て参加すると、なりすましアカウントからメッセージが届き、「当選したので個人情報を入力してください。受け取り手数料として1000円を支払ってください。」などと、ギフトコードやクレジットカード情報などの個人情報の入力を求められることも考えられる。個人での対策も必要だが、事業者も注意喚起したいところだ。
ノートンが勧める対策
・不審な点がないか、アカウントを吟味してからキャンペーンに参加すること。
・当選メッセージを受けた際に、手数料等を求められた場合は、詐欺を疑うこと。