「置き配に関する実態調査」 2023年の置き配利用率は67.3%へ到達する一方、宅配ボックス設置率は約40%と伸び悩む

ECのミカタ編集部

「置き配」利用率が2023年は67%、コロナ前と比べ2.5倍に増加

株式会社ナスタ(以下:ナスタ)が「置き配に関する実態調査」について、第6回調査を行い結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

本調査は2019年から毎年実施されており今回で第6回目となる。物流業界ではあらたに2024年問題を控え、あらためて再配達削減のソリューションとして「置き配」が注目されている。日本政府も多様な荷物の受け取り方を推奨、宅配ボックスの普及や消費者の行動変化を促している中で、置き配の実態がこの1年でどのように変化したのか調査した。

◆調査対象者:置き配サービス利用者
◆調査時期:2023年11月27日~11月28日
◆調査方法:インターネットリサーチ
◆調査人数:1000人(男性500人、女性500人)
◆対象年齢:20代182人/30代201人/40代206人/50代206人/60代以上205人
◆調査機関:ナスタ調べ

置き配利用率は4年連続増加

「置き配」サービスを利用したことがあると答えた人は67.3%、前回調査では61.3%だったのに対して、6.0ポイント増加した。利用率が26.8%だった2019年調査からは4年連続増加、2.5倍に拡大しており、コロナ5類以降後も引き続き増加していることが明らかとなった。

また、再配達の頻度については「4~5回に1回程度」が最も多く、68.1%の人が10回に1回以上は再配達になっていることが判明した。

93.7%の人が置き配を利用して良かったと回答

「置き配」サービスに対しては、93.7%の人が利用してよかったと思うことがあると回答している。

また、置き配利用時のトラブル経験では「ある」が前回調査(47.9%)から26.8ポイント減少し、21.1%とトラブル経験の減少が見受けられられる。一方、「荷物が濡れた」が6.7%、「荷物が届かなかった(他人の家に置き配された)」が4.4%と、未だ2割程の利用者が何らかのトラブルを経験していた。

実際に、置き配サービスで荷物を受け取る際、最も多く利用している場所は「玄関先」が62.0%と前回調査の55.8%から6.2ポイント増加した。次いで「宅配ボックス」が26.5%と前回調査の23.9%から2.6ポイント増加。一般的に玄関先、もしくは宅配ボックスが置き配利用時に活用されていることが伺えるだろう。

戸建て、アパートの宅配ボックス設置率が平均を下回る

自宅に宅配ボックスが設置されていると答えた人は40.5%に留まる。住居形態別にみると、「戸建て住宅」への設置率は31.1%、「マンション」への設置率は62.0%、「アパート」への設置率は23.3%という結果に。

宅配ボックスの普及が置き配利用率向上に直結することが考えられるだろう。特に戸建て、アパートへの普及拡大が今後の課題となるはずだ。

宅配ボックスの設置率向上が求められる

置き配はコロナ禍における非対面・非接触需要に対応したサービスとして拡大し定着したが、2024年問題を控えた今、再配達削減の有効な手段としても活用が広がっている。

一方、玄関先に荷物を置いていくことに対して75.3%のドライバーが不安に思っており、不安払拭のため82.1%のドライバーが宅配ボックスの設置を望んでいることがナスタの過去の調査で判明した(※1)。現在、戸建て・アパートへの宅配ボックス設置率は2〜3割程度と低く、6割を超えるマンションと比較すると極端に普及していない状況である。

再配達削減の取り組みとして、受け取る側・届ける側双方にとってストレスのないサービスになるためにも、宅配ボックスの設置率向上がより一層求められるだろう。

※1宅配ドライバーの置き配実態調査2023年11月


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