減少傾向止まらず ヤマト11月の小口貨物取り扱い実績
9月以降2ヶ月連続で対前年比が減少
ヤマト運輸株式会社が11月の小口貨物取り扱い実績を発表した。
11月の小口貨物取扱実績によると、
宅急便取扱個数は1億3,257万8,524個で対前年比93.3%と前年実績を6.7%下回っている。
今期の累計は10億4,896万6,012個で、1.9%減。
クロネコメール便の取扱冊数は1億6,543万202冊で対前年比88.6%で前年実績を11.4%減。
今期累計も12億8,802万6,781冊で8.9%減となっている。
宅急便、メール便ともに、減少傾向が止まらない。宅急便は、消費税増税の影響か4月から99.4%から前年同月比が減少。6月の102.1%、9月の101.3%以外減少傾向が続いている。
国土交通省が発表した「平成25年度 宅配便等取扱実績」によれば、平成25年度までは、宅配便メール便ともに、取扱個数は4年連続で増加傾向にあったため、来年度どのように変化するか注意する必要があるだろう。
巨額を投じたバリュー・ネットワーキング構想
2013年7月、ヤマトグループは物流網の強化、改革をもたらす「バリュー・ネットワーキング」構想を発表し、2,000億円を投じ多機能スーパーハブの建設と稼働を進めている。
現在、沖縄国際物流ハブ、羽田クロノゲート、厚木ゲートウェイを建設し稼働中。2016年10月には中部地方の三河ゲートウェイを稼働、関西をカバーする関西ゲートウェイは2017年に稼働予定となっている。これらスーパーハブの中でも羽田クロノゲートは、バリュー・ネットワーク構想の中核をなしている。国内外各地を結びつける好立地を活かし、スピード輸送、施設内での修理組み立て、加工、洗浄などの付加価値機能を施設内に同梱することで配送効率を改善し、ECなどの高まる即日配送ニーズなどに対応する。特にこの施策はAmazon.co.jp(以下Amazon)との関係が大きいだろう。
Amazonでの商品配送を扱う大手運送会社として、様々なニーズに対応してきた同社。先日も「宅急便受取場所選択サービス」をAmazonが採用。Amazonでの購入時にヤマトの営業所を指定し、商品を受け取ることができるようになった。
同社の「プロジェクトG」では行政と連携し、地域活性化とサービス強化に取り組んだりと様々な施策で業績とサービス向上を図っている。バリューネットワーキングは半分稼働を初め環境も整ってきている。来るクリスマスシーズン、年末年始での物流増加による、小口貨物取り扱い実績の回復は見込めるのか、来月の発表を待ちたい。