台湾へ有機表示の酒類輸出可能に 2024年1月1日から 農林水産省発表
農林水産省は、2024年1月1日から、有機JAS認証を受けた有機酒類について、有機(organic)表示を付けて、台湾へ輸出できるようになったことを発表した。また、台湾の制度による認証を受けた有機酒類を輸入しても、JAS制度に基づき「有機」等と表示することができるようになるという。
有機表示をすれば、台湾へ酒類の輸出が可能に
日本と台湾の有機食品の輸出入においては、これまで酒類を除く有機農産物及び有機農産物加工食品が対象とされてきた。今回2024年1月1日から有機酒類についても、事業者はJAS法に基づく認証を受ければ、外国・地域の有機認証を受けずに「有機」と表示した酒類の輸出が可能になる(※1)。これにより有機食品の輸出入に係る手間等が軽減され、輸出の増大等が期待されるという。
日本と台湾の有機酒類に関する相互承認の内容は以下の通りだ。
■日本から台湾への輸出
対象範囲:有機JAS制度に基づき、日本国内で生産・加工され、有機農産物加工食品として格付がされた有機酒類
生産基準:有機加工食品の日本農林規格(令和4年9月1日財務省・農林水産省告示第18号)
■台湾から日本への輸入
対象範囲:台湾の制度に基づき、台湾で生産・加工された有機酒類(日本の制度で有機農産物加工食品に該当するもののみ。)
生産基準:有機農產品有機轉型期農產品驗證基準與其生產加工分裝流通及販賣過程可使用之物質(Certification Standard for Organic Agricultural Products and In-conversion Agricultural Products and Allowable Substances in theirProduction, Processing, Packaging, Distribution, and Sale)
※1出典元:有機認証制度の同等性について(農林水産省)
酒類を販売するEC事業者は売上拡大の機会に
日本から外国・地域への有機農産物等を輸出する場合、JAS法に基づく認証と外国・地域の有機制度に基づく認証の2段階が通常必要となる。JAS法に基づく認証においては、有機食品のJASに適合した生産が行われていることを登録認証機関が検査し、その結果、認証された事業者のみが「有機JASマーク」を貼ることができる(※2)。
外国・地域の有機制度に基づく認証なしで、有機と表示した農産物等の輸出が可能になるのは、2024年1月1日以降でEC(27カ国)、英国、米国、スイス、カナダ、台湾の6カ国(※)。ただし各国条件が異なるため、下記の表でまとめる。
※有機認証制度の同等性について(農林水産省)をもとにECのミカタで作成
すでに海外で酒類を扱うEC事業者にとっては、輸出国が増えるため売上拡大が期待できるだろう。国内で酒類を扱う事業者にとってもも越境ECへ挑戦するいい機会となるだろう。現在認証なしで輸出が可能になるEC(27カ国)、英国、米国、スイス等にも制度の拡大を期待したい。
※2 出典元:有機食品の検査認証制度(農林水産省)