Amazonの出店(出品)方法は?費用やメリット・デメリットも解説
世界でもトップクラスの規模を誇るECサイトのAmazonを出店先として検討している方は多いでしょう。Amazonの出店は誰でも簡単にできるのでしょうか。また、Amazon出店のメリットやデメリットも気になります。
今回は、Amazonでの出店を検討している方に向けて、出店方法や出店料などの費用について紹介します。また、Amazon出店のメリット・デメリットや出店審査についても解説していますので、参考にしてください。
なお、この記事では2023年12月時点の情報を掲載しています。
【個人・法人】Amazonの出店(出品)方法
Amazonの出店方法は、個人と法人によって異なる点があります。また、必要書類に不備があると審査に通らないおそれがあるため、事前に準備しておきましょう。
ここからは、Amazonの出店方法や必要書類について詳しく解説します。
出品プランを選択する
まずは、出品プランを選択しましょう。Amazonでは、小口出品と大口出品を選択できます。それぞれのプランの特徴を踏まえて、最適なプランを選んでください。
出品プラン | 特徴 | おすすめのケース |
---|---|---|
小口出品 | 利用手数料は無料、商品1点を販売するごとに100円の手数料と販売手数料がかかる。 |
・毎月の販売数が49点以内 ・広告や詳細な出品用ツールが不要 ・Amazonに未登録の商品の販売予定がない |
大口出品 | 販売数にかかわらず毎月4,900円(税抜)と販売手数料で利用できる。 |
・毎月50点以上商品を販売する ・Amazonカタログに登録がない 商品の新規登録・出品の予定がある |
それぞれのプランで利用できる機能の表は以下のとおりです。
出品プランの主な機能 | 小口出品 | 大口出品 |
---|---|---|
配送をすべてAmazonに任せるフィルメント by Amazon(FBA)を利用できる |
〇 | 〇 |
Amazonのカタログに新商品を追加する | 〇 | 〇 |
Amazonでまだ販売されていない商品の販売 | × | 〇 |
一括出品 | × | 〇 |
在庫や注文をファイルなどで一括管理 | × | 〇 |
検索結果の上位や商品詳細ページに商品を掲載する | × | 〇 |
広告など売上拡大を目的とした機能の利用 | × | 〇 |
タイムセールなどのイベントに参加 | × | 〇 |
大口出品プランの方が利用できる機能が多いため、本格的にAmazon出店に取り組む予定がある方には大口出品プランが向いています。
出典:出品プラン|Amazon
Amazon出品用アカウントの作成
Amazon出品用のアカウントを作成する際に、個人と法人で登録情報が異なる点に注意しましょう。また、必要書類が不足していたり登録情報に不備があったりすると、出店審査に通りません。
個人 | 法人 |
---|---|
・アカウント担当者情報 ・顔写真入りの身分証明書 (パスポートまたは運転免許証) ・クレジットカード情報 ・取引明細書 |
・会社情報 ・法人番号 ・登記簿上法人名(ローマ字・日本語) ・本社所在地・郵便番号 ・店舗名(個人事業主も必須) ・アカウント担当者情報 ・顔写真入りの身分証明書 (パスポートまたは運転免許証) ・クレジットカード情報 ・取引明細書 |
法人番号や登記簿上法人名については、登記簿謄本に記載されている情報を入力します。もし法人番号が不明の場合は、国税庁の法人番号表サイトで確認しましょう。
本人確認の書類については、有効期限内のパスポートもしくは運転免許証を用意してください。マイナンバーカードは利用できないため、注意しましょう。
提出する取引明細書には、以下の明細書が使用できます。
- クレジットカードの利用明細書
- インターネットバンキング取引明細
- 預金通帳
これらはすべて過去180日以内に発行されたものが使用可能です。また、クレジットカードの利用明細書はアカウント作成で登録するカードと違うものの明細書も利用できます。
必要書類はスマートフォンやデジタルカメラ等で撮影した画像、または原本のスキャンデータで提出しましょう。
具体的なアカウント登録の手順は以下のとおりです。
- ビジネスの情報を入力(個人の場合は不要)
- アカウント担当者の情報を入力
- クレジットカード情報を入力
- ストアの情報を入力
- 本人確認の書類をアップロード
情報登録および書類提出が完了すると、審査に入ります。審査終了までに目安として3営業日かかると考えましょう。
出典:
Amazon出品用アカウント登録手順|Amazon
Amazon本人確認手順|Amazon
商品を登録する
審査に合格した後、商品の登録に移ります。
商品の登録は、Amazonでの出品状況を管理するサイトであるセラーセントラルからおこないます。その際、必要な情報は以下のとおりです。
- 製品コード(GTIN、UPC、ISBN、EANなど)
- 自身の在庫を追跡するために作成する製品コード(SKU)
- 出品の詳細
- 商品の詳細
- 購入者が商品を見つけやすくするためのキーワード、検索語句
ただし、別の出品者がすでに同一の商品を出品している場合は、既存の出品情報を使用します。
小口出品・大口出品どちらでも出品できるカテゴリーもあれば、大口出品限定のカテゴリーや出品許可が必要なカテゴリーなどもあります。
出典:商品を登録する|Amazon
Amazonの出店(出品)費用
Amazonの出店にともない、さまざまな費用がかかります。個人と法人ではかかるコストに違いはありません。
ここからは、Amazonで出店する際にかかる費用について押さえましょう。
Amazonの出店料まとめ
Amazonの出店には、以下の手数料がかかります。
手数料 | 小口出品 | 大口出品 |
---|---|---|
サービス利用料 | 無料 | 毎月4,900円 |
基本成約料 | 1回100円 | 無料 |
販売手数料 | 8%~15% | 8%~15% |
また、商品のカテゴリーによっては、カテゴリー成約料が発生します。
Amazon出店の初期費用
Amazon出店の初期費用は、小口出品であれば無料、大口出品であれば月額4,900円(税抜)です。小口出品では、商品が売れたときに成約料として1回100円かかります。
Amazon出店の販売手数料
商品が売れるごとに、販売手数料がかかります。販売手数料は、商品が登録されているカテゴリーによって割合が異なります。
出典:カテゴリーごとの販売手数料|Amazon
Amazon出店の配送料
商品を自分で発送するか、配送をすべてAmazonに任せるFBAを利用してプライム配送特典を提供するかによって、Amazon出店での配送料が異なります。
商品を自分で発送する場合、小口出品での出品者はすべての商品に対してAmazonが設定した配送料が適用されます。一方で大型出品であれば、一部のカテゴリーを除き独自の配送料を設定できるシステムです。
また、FBA配送代行手数料は、サイズや最大寸法、重量によって異なります。また、FBA在庫保管手数料は時期やサイズによって変わる点も押さえておきましょう。
出典:配送料|Amazon
Amazon出店に関するその他の費用
Amazonの出店において、追加でかかる販売手数料があります。
追加の販売手数料 | 概要 |
---|---|
大量出品手数料 |
メディア以外の商品を大量に出品しており、 1年間販売実績がない場合、カタログ費用補填のため、 対象の出品商品あたり0.05円の月額手数料を請求する。 |
返金処理手数料 |
すでに受け取った代金を顧客に返金する場合、 出品者が支払った販売手数料を出品者に返金する。 |
広告料 | 広告クリックの際に支払いが発生する。 |
以上のように、Amazonで商品を販売する際には、複数の手数料が発生します。これらを加味したうえで利益が出る金額設定をおこないましょう。
出典:その他の費用|Amazon
Amazonの出店(出品)に関するメリット・デメリット
Amazonでの出店にはメリットとデメリットがあります。ほかのECサイトと比較しながら、詳しくみていきましょう。
メリット
Amazon出店のメリットは、以下のとおりです。
- 利用手数料が安く、ほかのECサイトと比較しても始めやすい
- 利用者が日本だけでなく、海外にも多い
- FBAを導入することで、人的リソースや管理コストを減らせる
- 入金サイクルが早い
たとえば楽天では、最も安いプランでも月額19,800円(税込)がかかりますが、Amazonの小型出品であれば利用手数料無料で、大口出品でも月額4,900円(税抜)で利用できます。
Amazonの出品方法も既存の商品カタログに出品する形が基本で簡単なため、ECサイトへの出店が初めての人にとってもチャレンジしやすいといえるでしょう。
また、利用者が日本国内に留まらず、海外にも広がっていることから、収益が上がるチャンスが多いのです。
売上の入金サイクルは原則2週間と早く、手数料が引かれた金額が登録されている銀行口座に振り込まれます。
デメリット
Amazon出店のデメリットは、以下のとおりです。
- 販売手数料が高いカテゴリーがある
- 価格競争が激しい
- ショップの独自性を打ち出しにくい
Amazonでは、1つの商品に対して1ページしか表示されないため、複数の出品者が同じ商品ページに出品する形を取っています。
商品購入の入り口となる「カートに入れる」付近に店舗名を表示させる(ショッピングカートを獲得する)ことは、自分のページから購入してもらうために重要です。カートを獲得できない場合、「他の出品者を見る」を押さない限りは目に留まりません。
しかし、Amazonでは複数の出品者から同一商品が出品されることも多く、ショッピングカートの獲得は簡単ではないと感じるでしょう。カート獲得には商品価格も関わってくるため、激しい価格競争がおこなわれるのです。
また、Amazonは出品型のECサイトで、ショップの独自性をアピールしにくく、商品と価格が重要です。
余談)そもそもAmazonは儲かる?売れないときはどうする?
Amazonで売れないと感じるときは、ショッピングカートを獲得する工夫をしましょう。
- 小口出品から大口出品に設定する
- なるべく安い価格で販売する
- ポイントを付与する
- 注文から発送までの期間を短くする
- 注文不良率・キャンセル率・出荷遅延率の3つの要素から判断される店舗パフォーマンスを向上させる
- FBAを利用する
- 販売実績を増やす
ショッピングカートを獲得すると、利用者の目に留まる可能性が高まり、売上に直結します。
【FAQ】Amazonの出店(出品)に関するよくある質問
Amazon出店において疑問点が発生することもあります。ここでは、よくある質問について回答します。
小口出品を登録できない場合の対処法は?
小口出品で商品を登録できない場合、いくつかの原因があります。
- 小口出品で登録できないカテゴリーの商品を登録しようとしている
- Amazonに商品ページがない商品を新規登録しようとしている
- アカウントや商品入力情報に不備がある
あらかじめ出品したい商品の詳細やカテゴリーを確認し、正確な登録手順を踏みましょう。
また、小口出品は商品の新規登録ができない点に注意が必要です。自社商品がある場合は、大口出品の利用を検討しましょう。
Amazonの出店(出品)は初心者には難しい?
Amazonでは、商品単位での出品形式を取っているため、店舗ページを作り込む必要がなく初心者でも始めやすいといえるでしょう。また、利用手数料がほかのECサイトと比較して低額なのも、初心者が始める際のメリットの1つです。
Amazonの出店(出品)審査に落ちた場合の対処法は?
Amazon出店の審査は、ほかのECサイトよりも通りやすいといわれています。審査に落ちた場合は、必要書類の不備や登録情報に誤りがないかを確認しましょう。
Amazon出店の運営代行探しはECのミカタがサポート◎
Amazonで出店する場合は、楽天やYahoo!ショッピングといったほかのECモールと違い、専任コンサルタントがつかないため、運営するハードルが高いと感じるかもしれません。
Amazonに出店したら終わりではなく、長期的に運営し売上を伸ばしていきたいのであれば、運営代行に依頼することをご検討ください。
ECのミカタでは、ECサイトに特化したメディアを運営する専門コンシェルジュが丁寧にヒアリングし、最適な運営代行会社を紹介するサービスを提供しています。
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これからAmazonの出店を考えている方は、ぜひ相談してくださいね。