アパレル(ファッション)ECの基本。成功事例やネット販売の方法を解説

ECのミカタ マーケティング部

アパレル(ファッション)ECの基本。成功事例やネット販売の方法を解説

アパレルECでは、通常のEC事業とは異なる点などが多く、独自のアプローチが必要です。

そのためアパレルECで成功するためには、多面的に戦略を立てる必要があります。

この記事では、サイトの立ち上げ方や効果的な戦略、実際の成功例まで紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

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そもそもアパレル(ファッション)ECとは

まず「EC」(Electronic Commerce)とは、日本語で「電子商取引」を意味しており、インターネット上でモノやサービスの売買取引をおこなうサイト全般は、ECサイトと略称されています。

アパレル(ファッション)ECとは、インターネット上で衣類や服飾雑貨などの商品を販売する業態のことをいいます。

近年では、簡単にサイト構築ができるECツールなども増えており、実店舗を持たなくても気軽にインターネット上でアパレル販売ができるようになっています。

アパレルEC業界の現状と課題

アパレルEC業界は、業界別のEC市場の中でも特に注目されており、市場は拡大し続けています。

この章では、アパレルEC業界の市場規模や現状の課題についてみていきます。

アパレルECの市場規模

経済産業省の調査によると、2022年のアパレルECの市場規模は2021年より5.02%増加しており、売上は2021年の2兆4,279億円から1,220億円増加した2兆5,499億円にのぼっています。

物販全体の売上を見ても、アパレルECは、「食品、飲料、酒類」「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」に次ぐ3位となっています。

2020年に到来した新型コロナウイルス感染症の感染拡大がEC化に与えた影響も大きく、アパレルECの市場規模は年々拡大の一途をたどっています。

アパレルECへの新規参入も増加していることから、競争率も日に日に上がっており、常に売れるための対策を練らなければ、売上を伸ばすことが難しいのが現状です。

出典:令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書|経済産業省

アパレル業界のEC化率

次にアパレル業界のEC化率ですが、上記の表を参考にすると、2022年には21.56%となっており、物販全体の平均EC化率の9.13%と比べても高い割合でECが占めていることがわかります。

これらの結果から、アパレル業界でのEC参入は売上を上げるチャンスですが、アパレル市場は競争も激しく成功は容易ではないといえるでしょう。

アパレルECの課題

拡大傾向にあるアパレルECですが、さまざまな課題を抱えています。

主な課題として次のようなことがあります。

  • 競合が多く価格競争が激しい
  • 実店舗と違って商品の良さを伝えるのが難しい
  • ブランディングが難しい
  • 接客などのサービスが提供しづらい

アパレルECサイトで売上を伸ばすには、上記の課題と向き合い自社サイトの改良を続けていく必要があります。

一方で、これらの課題を克服することで、他社との差別化につながります。

これからアパレルECに参入する予定の方、またすでにアパレルEC事業に取り組んでいる方も同様に、課題をしっかりと把握して決断・行動することで売上の向上につなげていけるでしょう。

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アパレル(ファッション)ECサイトの立ち上げ方・販売方法

ここからは、アパレルECサイトの立ち上げ方、販売方法を大きく2通りに分けてご紹介します。自社の目的やスタイルにあった方法を見つけてくださいね。

アパレル(ファッション)ECモールに出店する

まず1つめは、既存のECモールに出店する方法です。

ECモールとは、ショッピングモールのようにさまざまなブランドが1つのECサイトに入っているオンライン型のセレクトショップです。

ECモールには、テナント料を支払うことで出店できます。出店にあたっては、審査が必要なモールもあるので注意しましょう。

ECモールに出店するメリットは、サイト構築にかかる手間やコストをカットできる点です。

また、指定のフォームに情報を記載していくだけで出店できるので、特別なITスキルがなくてもスピーディーに進められます。さらに、大まかな集客はモール側でしてくれるため、宣伝のコスト削減が図れます。

しかしECモールは出店数が多いため、自社の名前を覚えてもらうのが難しく、他店との差別化が重要になってきます。

なお、ファッションに強いECサイトとその特徴は次のとおりです。

「楽天市場」

「楽天市場」は、全体で29.0%、アパレルでは36.3%と高いインターネット通販シェアを獲得しています。

また、出店すると専任の「ECコンサルタント」がつき、ネットショップの最新情報の共有から商戦期の提案など、幅広く売上アップのためのサポートをしてくれるので、ECサイト初心者には優しいECモールとなっています。

楽天市場の主な特徴は以下の通りです。

  • 利用者が多く圧倒的な集客力を誇る
  • 大規模なセールやキャンペーンを定期開催している
  • 楽天ポイント付与によるユーザーの購買促進

「Yahoo!ショッピング」

「Yahoo!ショッピング」は、出店料と月額料金が無料であり、運営コストを抑えられることから、圧倒的な出店数を誇っています。

主な特徴は以下の通りです。

  • コストが抑えられる
  • PayPayユーザー二アプローチできる
  • 自社のショップから独自ドメインサイトへの外部リンクが可能
  • Yahoo!JAPAN関連のページからの流入が期待できる

自社ブランドのECサイトを構築する

もう1つは、自社ブランドのECサイトを構築する方法です。

自社ECサイトの構築は、デザインやカスタマイズの自由度が高いので、ほかのブランドとの差別化を計りやすい点がメリットです。

また、モールとは異なりサイトが独立していることから、価格競争に巻き込まれにくい点もメリットでしょう。

1からサイトを制作するとなると専門知識が必要になりますが、「Shopify」や「BASE」などのECプラットフォームを使えば、簡単にカスタマイズ性の高いサイトを構築することができます。

今回は、ASP(ショップ作成サービス)を2つ紹介します。

「Shopify」

「Shopify」は、世界170以上の国で利用されている世界シェア最大級のECプラットフォームです。

自社のビジネス規模に合わせて複数のプランからテーマを選択できるため、小規模の事業者から大規模の事業者まで幅広く利用しやすいサービスといえます。

ファッション・アパレル系のテーマを使えば、オシャレなアパレルECサイトが簡単に構築できますよ。

また、Shopifyには以下のような特徴があります。

  • 手数料が安い
  • 専用アプリが豊富でデザイン性の高いECサイトが作れる
  • 外部サービスとの連携が容易
  • 業務を効率化できる外部ツールあり

「BASE」

「BASE」は、ショップ開設実績No.1を獲得しているネットショップ作成サービスです。

決済機能を始め、ネットショップの運営に必要な機能があらかじめ備わっているため、時間や費用の問題で、これまで自社のネットショップを持ていなかった方でも、容易に自社ECサイトでの販売を始められます。

BASEの特徴は、以下のとおりです。

  • 登録料、月額料金、年間料金無料
  • シンプルな操作環境であり、専門知識がなくても立ち上げ、編集、運営ができる
  • クレジットカード決済がすぐに導入できる

上記で紹介した方法以外にも、無償で提供されているECシステムをダウンロードして、自由にECサイトが作れる「オープンソース」を使って構築する方法もあります。

しかしこの方法は、カスタマイズやシステムの連携にある程度技術が必要なため、中級者向けのECサイト構築方法といえます。

また、一からシステムを構築する(フルスクラッチ)場合は、既存のソフトウェアなどを使用しないため自由度の高いサイトを作れますが、莫大なコストがかかります。

さまざまな方法があるので、構築方法について詳しく知りたいという方は、こちらの記事を参考にしてくださいね。

ECサイトの構築方法を徹底解説!費用やおすすめ制作会社なども併せて紹介

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アパレルEC(ファッション)の成功事例

ここからは、実際にアパレルECで成功しているブランドの事例を紹介します。

これからアパレルECを始めようと思っている方や、現状アパレルECの運営で行き詰まっている方は、ぜひ成功の秘訣を探ってみてください。

ユニクロ

ユニクロはECサイト「ユニクロ公式オンラインストア」を運営しており、ファストファッションの代表といえる存在にまでなっています。

ユニクロがECサイトで成功した理由は、どこよりも早くオムニチャネルを取り入れ、ECサイト・アプリ・店舗の連携を徹底した点にあります。

主な取り組みは次のとおりです。

  • 「ORDER & PICK」 アプリで注文→店舗で受け取り
  • 「UNIQLO IQ」 気軽に問い合わせ可能なチャット機能
  • 「MySize ASSIST」 サイズ感を確認できる 
  • ネットショップ上での独自の動画・ライブ配信

ベイクルーズ

ベイクルーズは、ECサイト「BAYCREW'S STORE」を運営しており、独自の世界観を持ったブランディングが特徴です。

ベイクルーズがECサイトで成功した理由は、シンプルながらも、しっかりとしたコンテンツ製作に力を入れたためです。

主な取り組みは次のとおりです。

  • 「コーディネートスナップ」でスタッフのコーディネートを紹介
  • 購入者の趣向にあった特集記事やブログを掲載
  • 商品のサイズ感を調べるツールを導入
  • 動画で商品を紹介し、ユーザーの使用イメージを膨らませる

アダストリア

アダストリアは、ECサイト「.st(ドット エスティ)」を運営しており、カジュアルな衣料品や雑貨を主に扱っているのが特徴です。

アダストリアがECサイトで成功した理由は、商品の情報を細かくユーザーに届けたことにあります。

主な取り組みは次のとおりです。

  • 商品ページに生地の厚さから透け感まで詳しく記載
  • 商品を使用したコーディネート紹介
  • 商品レビュー動画の充実
  • 複数のブランドの商品を1つのサイトで見る・購入が可能

アパレルのEC運営を成功させるカギ

先述のとおり、アパレルEC市場は規模とEC化率の両方が増加傾向にあり、これからますます規模が拡大していく市場といえます。

アパレルEC市場は特に競合が多く、集客が難しい市場となっていますが、課題さえ地道にクリアしていけばEC運営を大きく成長させられるチャンスがあります。

ここでは、アパレルのEC運営を成長させるポイントを4つの視点から解説していきます。

最適なマーケティング戦略を立てる

成功のカギ1つめは、利用者のニーズに刺さる戦略を立てることです。

アパレル業界はトレンドの変化が大きく、ターゲットとする年代によって好まれる商品が大きく変わりやすいといえます。

この特徴をしっかりと把握したうえでターゲットに効果的なアプローチをかけ、商品の魅力を最大限にアピールするマーケティング戦略が重要になってきます。

利用しやすいページ設計

成功のカギ2つめは、自社サイトをスムーズに利用でき、簡単に購入までに至るページ作りです。

サイトの使いやすさ(UX)は、そのまま購入率につながっています。どんなにブランディングされたサイトでも、使いづらければ利用者はサイトを離れてしまい、購入までに至らないことが多いからです。

疑似体験できる商品ページ作り

成功のカギ3つめは、実店舗で商品を購入しているような感覚にさせられる商品ページを作ることです。

ECサイトの最大の弱点は、商品の使用イメージがしにくい点にあります。逆にいえば先述の「アダストリア」のように、この弱点を克服できれば成功への道が開けるといえるでしょう。

そのためには、商品の画像を多く載せるのはもちろん、着用動画を撮るなど、実際の使用イメージをできるだけ膨らませる戦略が必要です。

顧客の商品利用シーンを想像し、商品の詳細を工夫して記載するなども必要な対策です。

親しみをもってもらえるサイト構築

成功のカギ4つめは、リピーターになってもらうための利用者サービスやアフターサービスを充実させることです。

利用者に「このサイトは安心して購入できる」「また利用したい」と思ってもらえるような運営体制を徹底して研究し、構築していくことが大切です。

アパレルの越境ECをおこなうにあたって必要な視点は?

アパレルECサイトを運営するにあたって、より多くの顧客獲得のために、越境ECに目を向ける方は多いのではないでしょうか。

しかしアパレル業界での越境ECは、自分たちの知見だけで成功させるには難易度が高いといえます。

海外進出を果たすには、国内での販売戦略よりもさらに多角的視点から物事を捉える必要があるからです。

越境ECを始める前には、明確な目標とターゲットの設定が必須です。「どの国のどの地域で、どのような衣類(商品)やサービスを提供したいのか」をしっかりと定めるのにくわえ、市場の需要や競合状況も把握しておく必要があります。

また、各国の法的・税務上の規制も知っておかなければなりません。

それ以外にも、言語対応や国際物流ネットワークの構築も同時におこなっていかなければならず、個人で成功させるには膨大な時間と知識、労力が求められます。

また数多くのブランドやメーカーがひしめき合っているアパレルで、越境ECを成功させるには、プロモーションやサイト設計など多くの対策を練らなければなりません。

商品やサービスをターゲットの国や地域の好みに合わせたり、インスタグラムなどのSNSを積極的に利用し、多くのユーザーに情報を届ける活動も大切になってきます。

これらの問題をクリアして、ようやく越境ECのスタートラインから一歩踏み出したといえるでしょう。

アパレルECの運営はプロのコンサルにしてもらうのがおすすめ

アイデアや独創的なブランディング戦略次第で、たとえ小規模ブランドであっても、成功のチャンスがあるのがアパレルECの特徴です。

一方でそのぶん競合も多いため、自社の力だけで成功をつかむには難易度が高く、やることがほかの市場よりも多いこともアパレル市場の特徴の1つといえるでしょう。

次から次にクリアしなければならない問題が出てくるので、途方に暮れてしまうこともあるでしょう。そんなときは、アパレルECサイト運営のプロに相談できる体制を整えるのがおすすめです。

アパレルECの運営代行サービスを利用すれば、目的達成のための施策や最適な戦略を提案してもらえたり、サイト運営の改善や面倒な商品登録・ECサイト更新作業などのさまざまな業務を代行してもらえたりします。

自社だけでは難しい、アパレルECサイトの構築〜運営・集客までを幅広く代行してくれるので、アパレルECサイト運営の成功率はぐんと上がるでしょう。

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アパレルECの運営、サイトの構築に強い会社はECのミカタで見つかる◎

アパレル市場は競合が多く、戦略を立てるのが大変なため、アパレルEC運営のノウハウを持っていない方が始めると、膨大な時間と勉強が必要になってきます。

難しい戦略や運営・集客をプロに任せることができれば、成功率を飛躍的に上げることができるので、サイト運営の外注は利用する価値があります。

しかし、いざアパレルECの運営について外注をしようと考えても、外注会社が多いため、どの会社が自社にぴったりか分からず迷ってしまいますよね。

そんなときは、まず自社ECの抱えている悩みや、やりたいことを明確にしてから「ECのミカタ」に相談してみましょう。

「ECのミカタ」は、EC事業者と代行業者のマッチングサイトで、延べ20,000社のお悩みを解決してきた実績があります。

「ECのミカタ」専任のコーディネーターが、自社ECの悩み・要望を細かくヒアリングし、目的に最適な会社を厳選して紹介いたします。

相談・見積もりは完全無料なので、少しでもアパレルECでの成功率を高めたいという方は、一度、お問い合わせフォームもしくは電話にて問い合わせてくださいね。

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